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【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?  作者: ナロー


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7 正妻の座


 エリザベスの顔には確固たる意志があった。もはやスクエアの意志や衝動で、五人目以降の婚約者が増えることは阻止したいのだ。


「ですが、リーゼロッテさん、貴女も含めてすでに決まってしまった四人の婚約者については、こちらとしても慎重に対応しなければなりません」

「……あの……」

「なんですか?」


 怖い教師に質問をするように、リズはおずおずと片手を少し上げながら言う。


「わたしはべつに結婚したいと思っているわけでは……スクエアさんに無理やり婚約させられてしまって、彼とも今朝初めて会ったばかりですし……」


 遠回しにスクエアのことを好きなわけではないと言っているのだが……リズがあえてエリザベスにそう進言したのは、エリザベスの口調から、もしかしたらこの婚約をなかったことに、つまり破棄できるかもしれないと思ったからだった。

 エリザベスはぎろりと鋭い目をリズに向け、リズはびくっとしてしまう。エリザベスが言った。


「……いまの言葉から、貴女の気持ちは察しました。ですが、貴女自身の意志で婚約破棄することを、ヴォクス家現当主の妻としては認めることはできません」

「それって……」

「貴女も知っているでしょうが、ヴォクス家はこの国でも有数の公爵家です。その公爵家の跡取り息子との婚約を私事で破棄したとなれば、ヴォクス家は然るべき処置を施さなければなりません。すなわち、最低でも貴女と貴女の家族をこの国から追放することになるでしょう」

「……っ!」


 そしてヴォクス家に恥をかかせたといううわさは追放先にも広がり、リズとリズの家族はいままで通りの生活ができなくなるだろう。リズが自らの意志で婚約破棄することは許されないのだった。


「スクエアの他の三人の婚約者達は、貴女が勝手に自滅してくれるのなら、それに越したことはないと思うかもしれませんがね」

「…………」


 リズにとっては無理やりでまったく乗り気のない婚約でも、他の三人も同じとは限らない。自分以外の者を蹴落として、スクエアの正妻の座を虎視眈々と狙っているのかもしれないのだ。


「庶民である貴女とは違って、他の三人は皆、爵位を持つ家柄の持ち主です。息子の自分勝手とはいえ、一度婚約を交わしてしまった以上、こちらとしても簡単に破棄することはできません。それはヴォクス家の威信と名誉に関わります。無論、庶民である貴女に対してもですが」

「…………」

「何か言いたそうな顔ですね?」

「そ、そんなことは……」

「構いません、おっしゃいなさい。失礼な言葉であれば、断罪するだけです」


 エリザベスにとっては、むしろリズが失礼を働いてくれることを願っているのかもしれない。断罪して、正当な理由でもって婚約を破棄できるのだから。



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