表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?  作者: ナロー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/98

43 手で直接持って


 ヴォクス夫人はフランソワーズへの処遇に対して――ヴォクス夫人自身はフランソワーズただ一人だけを対象にして、フランソワーズの家族には直接の処罰をくださなかったらしい。無論、フランソワーズの家族は結局はフランソワーズと運命をともにすることにはなったが、それはあくまでフランソワーズの家族が選んだ道だった。


(わたしの家族や学園には、なんとかごまかして、わたしだけを嫌いになって婚約破棄してもらえば……もしかしたら……)


 もしかしたら、また自由の身になれるかもしれない。二度目の人生を謳歌して、強制ではない自由な恋愛をできるかもしれない。

 リズは、それを目指すことに決めた。

 リズがついてきていないことに気づいたスクエアが振り返って言ってくる。


「おおい、リーゼロッテさん、どうかしましたか?」


 それには答えず、リズはつぶやくような声でホースに言った。


「行きますよ、ホースさん」

「……はい」


 先ほどまでとは違う決意したリズの声音に、ホースは彼女のほうを見直すようにして返事をする。ホースの瞳は若干見開かれていて、返事こそ落ち着いていたが、内心ではかすかな驚きや戸惑いがあるらしかった。

 そうしていままでよりも力強く、リズは足を踏みしめながら屋敷までの舗装された石畳を歩いていく。そのあとを、ホースがついていくのだった。



「…………」

「…………」


 ヴォクス家の屋敷内のリビングにて。一人一つの、それぞれのソファに座るスクエアとヴォクス夫人は、もぐもぐとケーキを手で持って食べるリズを見ながら、目を丸くしていた。


「り、リーゼロッテさんはケーキを手で食べるんですね……?」


 そう疑問の声をこぼしたのはスクエアだ。貴族として育てられたからだろう、スクエアはものを手で持って食べるという発想自体がなかったようだった。

 リズの自宅アパートの自室以上に広いリビングには、いま四人の者達がいる。リビングの中央にあるテーブルの、ドアに近い側のソファにリズ、その対面にヴォクス夫人、ヴォクス夫人の右隣のソファにスクエア、そしてヴォクス夫人の近くに控えるホース。


 先の屋敷前において、リズのなにかしらの変化に一早く気づいていたホースは、いまの彼女の態度を冷静な眼差しで見ていた。むしろ観察していたといったほうが正しいかもしれないが。

 リズはケーキを食べ終わると、今度はドーナツの皿に手を伸ばす。手元のナイフとフォークを使うことはせず、やはり手で直接持ってぱくぱくと食べ始めた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ