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帝都初恋剣戟譚  作者: 新免ムニムニ斎筆達
帝都初恋剣戟譚 呪剣編
95/252

【ふろく】黒歴史ノート弐

【登場人物】



氷山(ひやま)(きょう)


 富武(とみたけ)中学校三年生。撃剣部部長。

 十四歳。

 背丈が高く、凛々しい感じの短髪美人。

 エカテリーナと光一郎(こういちろう)に好意的に接する、学校内でも数少ない生徒。

 柳生(やぎゅう)心眼流(しんがんりゅう)を学んでおり、素手でも男顔負けに強い。

 四歳まで『玄堀村(くろほりむら)』に住んでいたが、戦争が始まって早々夜逃げ同然に帝都へ移住した。その事がいまだに心残り。




卜部峰子(うらべみねこ)


 富武中学校二年生。撃剣部副部長。

 十三歳。

 光一郎とエカテリーナと同じクラス。

 陸軍大尉であった父を日ソ戦に亡くしており、それが理由でロシア人であるエカテリーナに対して快い目を向けていなかった。同時に、エカテリーナと仲良くする光一郎も嫌っていた。

 鹿島(かしま)新当流(しんとうりゅう)の使い手。

 塚原卜伝(つかはらぼくでん)の生家の血筋。




・ミトロファン・ダニーロヴィチ・ボルショフ


 秋津家の営む古書店『秋津書肆(あきつしょし)』の常連さん。

 十四歳。

 ロシア人の父と、ユダヤ人の母との間に生まれた。

 温厚な性格の美少年。

 自分に偏見無しで接してくれた光一郎をとても気に入っている。

 古文書の解読が趣味で、そのための資料を探すためによく秋津書肆に来る。

 愛称は「ミーチャ」。




天沢(あまさわ)(ゆかり)


 葦野(よしの)女学院(じょがくいん)中等部三年生。

 十四歳。

 女学生剣士団『清葦隊(せいいたい)』の現隊長。

 日本有数の財閥「天沢財閥」の令嬢。

 鉄仮面のような厳しめな顔つきの美人。しかし螢の前ではうろたえ、光一郎には殺意の眼差しを送る。

 女の身でありながら(ほたる)に恋愛感情を抱いており、その事でずっと一人で悩んできた。

 同時に、自分と違って気兼ねなく螢に好意をさらけ出す光一郎に強い嫉妬を抱いていた。

 新陰流(しんかげりゅう)の使い手。十四歳という若さで目録を得た天才剣士。


 


・ギーゼラ・ハルトマン=牧瀬(まきせ)


 葦野女学院中等部一年生。『清葦隊』の現副長。

 十二歳。

 東ドイツ出身。母の再婚で牧瀬家の娘となった。

 生意気で人を食ったような性格。先輩であり隊長でもある紫に対してもタメ口で話す。しかし螢のことは尊敬している。

 溝口派(みぞぐちは)一刀流(いっとうりゅう)の使い手。非常に迅速かつ緻密な剣技を得意とし、小柄な体格だがその実力は高い。




大河内(おおこうち)(しの)


 葦野女学院中等部三年生。清葦隊の序列三位。

 十四歳。

 長身にベリーショートな短髪というボーイッシュな見た目通り、男勝りな性格と口調。

 ギーゼラとは喧嘩仲間のような関係で、しょっちゅう勝負をして何度も序列を入れ替えている。

 神道(しんとう)無念流(むねんりゅう)の使い手。相手の持つ竹刀を吹っ飛ばすほどの凄まじい打ち込みを得意とする。




樺山(かばやま)(あゆむ)


 内務省の官僚。寂尊の旧友。

 三十三歳。

 日ソ戦時の海軍大将であった樺山勇魚丸(いさなまる)の末子。しかし上の兄二人と違ってモヤシっ子だったため、軍人ではなく官僚を志した。

 寂尊の依頼を受け、『呪剣』の動向を追うことに。




酒井(さかい)篤彦(あつひこ)


 陸軍の超能力研究期間である『特研』の室長。

 階級は中佐。

 北辰(ほくしん)一刀流(いっとうりゅう)を皆伝している。




鴨井(かもい)村正(むらまさ)


 至剣流の剣士。

 三十三歳。

 かつては嘉戸(かど)派至剣流を修行し、苦練に次ぐ苦練の末に至剣を開眼させたが、その至剣があまりにも危険過ぎるという理由で嘉戸宗家から破門を食らった。その処分を下した嘉戸宗家に呪詛を吐いて以降、行方不明。

 文字通り人生の全てを剣に捧げてきた人物。あらゆる交友関係を全て捨てて剣の修行に邁進し続けた。

 少しでも切り傷を付けた相手に「呪い」を付与し、負の感情を増幅させて凶行に走らせる強力な至剣を持つ。寂尊はこれを『呪剣(じゅけん)』と呼んでいる。


 




【用語】



天覧比剣(てんらんひけん)


 年に一度、帝都東京にて開催される撃剣の全国大会。

 十六歳未満が参加する少年部(毎年八月開催)と、十五歳以降が参加する一般部(毎年一月開催)に分かれている。いずれも団体戦。

 帝が直接観戦する天覧ということもあり、剣士にとっては「参加するだけで意義のある」舞台。

 区予選、県予選(帝都では都予選)を勝ち抜いて「県代表」となった団体が参加し、全国の剣士と剣を交える。

 開催場所は、千代田区九段下にある巨大武道場「帝国(ていこく)神武(しんぶ)(かく)」。




帝国陸軍(ていこくりくぐん)特異科学技能(とくいかがくぎのう)研究所(けんきゅうじょ)


 神奈川県川崎市にある、小さな陸軍研究所。

 通称『特研(とっけん)』。

 冷戦期、世界各国が超能力の軍事利用のための研究を行っていた(米国の「スターゲイト・プロジェクト」など)。それと同様に、超能力研究を行っていた日本陸軍の研究所。

 しかし実際には超能力の研究というより、日本武芸の世界に数多存在する「不思議な技」の真偽を確かめるための研究を行っていた。

 冷戦終結後、各国の超能力研究機関は全て「成果無し」として閉鎖されたが、この『特研』はなおも残っている。……理由は、元帝国陸軍大将の望月源悟郎が戦時中、至剣『泰山府君剣』でソ連兵を触れずに即死させたという「武勇伝」ゆえである。

 とはいえ、やはり成果が出にくい機関であるため、予算規模はかなり小さい。

 所長は陸軍中佐の酒井篤彦。





玄堀村(くろほりむら)


 北海道北部に存在する村。

 明治時代に移住した仙台藩士が柳生心眼流を伝承し、現在では「一村一流」という広まりを見せている。村人のほとんどが心眼流修行者。

 北海度に侵攻してきたソ連軍の被害を唯一免れた村。

 豊富な備蓄食料、水源地、武具の貯蔵、ゲリラ戦向きの山岳地帯、古典とはいえ軍学に通じた武士の末裔、心眼流という総合武術に通じた村民……それらを活かしてソ連軍相手に巧みなゲリラ戦術をしかけ、日本軍の反転攻勢まで村を守り抜いた。

 特に刀一本で数多の敵兵を屠ってきた玄堀最強の武人『玄堀の首斬り小天狗』の話は有名。






【競技撃剣について】




《概要》


 江戸時代に行われていた防具を着ての竹刀稽古を、競技として発展させたもの。

 至剣流剣術型と同じく、学校の必修剣術科目の一つでもある。……これは、競技として楽しむためだけでなく、帝国の国民皆兵制を成り立たせるための「戦闘訓練」の側面も持っている。

 



《主なルール》


①勝敗


・小手・面・胴……これら防具のどこかに竹刀を当てれば勝ち。打ち方や強弱は問わない。

 (これは、現実の剣道と違い、技の統一がされていないためである)


・竹刀を落としたら負け。

 (競技撃剣は「斬り合いの競技化」。自分の身を守る刀を落とすことは「死」を意味する)




②服装


 稽古着と防具。

 しかしそれが守れていれば、稽古着のデザインは自由。

 花柄でもピ◯チュウ柄でも萌えキャラでも問題無し。




③竹刀


 規定さえ守れていればデザインは自由。

 竹刀に「絶対優勝!!」とかマジックペンで書いても良いし、萌えキャラが描かれた痛鍔でもオーケー。


 ※【天覧比剣運営より連絡】

   二〇〇二年五月二十五日に行われた千代田区予選第一回戦にて、メタルカラーの鍔を用いて好ましくない妨害工作を行った選手を発見。

   今年度より、メタルカラーの鍔の使用を禁止とする。




④技


・現実の剣道と違い、競技撃剣では技の統一がされていない。

 その人の学ぶ剣術を使って良い。

 何なら我流でも良い。

 どういう技であれ、小手・面・胴のいずれかに当たれば勝ち。

 

・剣術だけでなく、組討(くみうち)を使っても良い。

 ただし、勝敗を決めるのは竹刀。

 組討はあくまでその補助。

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― 新着の感想 ―
[良い点] すまんのぉ 螢さんを想うコウ君キモいが 刷り込まれてるから 螢さんを想う天沢さんキモいと 思ってしまったんじゃ [一言] 百合の相手はエカっぺがオススメ!
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