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帝都初恋剣戟譚  作者: 新免ムニムニ斎筆達
帝都初恋剣戟譚 呪剣編
152/237

天覧比剣——戦火が生んだ隔意


 (ほたる)さんからは、何も聞かされていなかった。


 彼女が、天覧比剣の「開幕演武」なんてものに出ることも。


 その演武……『生々流転(せいせいるてん)』の相手が、あの嘉戸(かど)寂尊(じゃくそん)であることも。


 二人は、その演武に刀を使っていた。

 模造刀でも、刃引きされた稽古用の刀でもない、本物の刀を。見れば分かる。


 天覧であるこの大会では、帝の玉体を守るための措置として、金属類の持ち込みが厳しく制限されている。刀剣などもっての(ほか)だ。


 それを持ち込めているということは、すなわち、天覧比剣の運営側と事前に話がついているということに他ならない。


 ……僕の(うかが)い知れない所で、螢さんが何をするかなんていうのは、螢さんの自由だ。


 だけど、相手がよりにもよって、因縁のある嘉戸宗家の次期家元であったという点が、僕にはショックだった。


 何より…………あの『生々流転』。


 流派の関係的に対立しているはずのあの二人が魅せた、見事な剣の調和。


 まるで勝手知ったる、長年連れ添った夫婦のような阿吽(あうん)の呼吸。


 それを目の前で見せつけられた僕は…………(はらわた)が煮えくりかえりそうになった。観客席から大武道場に飛び降りて、あの二人の『生々流転』を邪魔してやりたくなった。


 分かっている。『生々流転』はただの稽古法だ。どんなに対立していても、至剣流という剣を同じくしていれば、あのような剣の調和が可能であるという理屈を、僕も知っている。


 だからこのムカつきも、単なる不条理な嫉妬心でしかないのだと、己に言い聞かせた。


 とはいえ、やっぱり何で演武をしようなんて思ったのかが気になるのは事実なので、天覧比剣が終わった後にでも聞いてみようかと思う。


 今は——開幕戦の視察に集中すべきだ。


 螢さん達の「開幕演武」ののちに始まった、開幕戦。


 第一会場、第二会場でそれぞれ並行して八試合行う。


 僕らは引き続き、第二会場を視察していた。


 そして——出場選手のレベルの高さに、何度も舌を巻いた。


 勝った側も、負けた側も、これまで戦ってきたどんな学校よりも桁外れの腕前を見せていた。


 例えるなら、そう、葦野(よしの)女学院(じょがくいん)清葦隊(せいいたい)。あの人達よりちょっと強いかちょっと弱いか、そんな学校ばかりであった。


 僕ら以外のシード七校もまた、それくらいの実力を誇るに違いない。


 改めて、全国という舞台の厳しさを知った。


 清葦隊にすらギリギリで勝った僕らに、果たして勝ち抜くことが出来るのであろうか……当然ながら、不安を覚えた。


 やがて、開幕戦の全ての試合が終わった。


 すでに夕方となっていた。


 これからの予定は、運営の人が用意したホテルでの宿泊。

 ……この神武閣(しんぶかく)のある九段(くだん)は、僕らの住んでいる神田(かんだ)のすぐ近くであるが、それでも家からの厳密な距離には全員バラつきがあるため、部員全員が十把(じっぱ)一絡(ひとから)げになるべく素直にホテル泊まりをすることにした。


 神武閣駐車場に停まっているバスへ向かおうと、客席からその外周部にあるロビーへと出たところで——僕らはその出会いをした。


「……あっ…………!」


 きっかけは、氷山(ひやま)部長の、喉の奥に引っ込んだような声だった。


 部長の眼前には、知らないデザインの学生服の一団。


 彼らに目が釘付けになりながら、その場に立ち尽くしている部長。そんな部長に合わせて僕らも自ずと足が止まってしまう。


 目の前の学生集団も、こちらの視線に気づいたようだ。先頭を歩いていた小柄な女学生が止まるのに合わせ、全員がピタッと止まる。まるで軍隊のような行動の一致ぶりだ。


 先頭の小柄な女子が、こちらへ歩み寄ってくる。ローファーなのに、足音が微塵もしない。


 素朴な田舎の女の子——そんな言葉が頭に浮かぶ風貌だった。


 黒いヘルメットのようなおかっぱ髪。太ってはいないが、丸みを帯びた顔の輪郭。つきたてのお餅みたいな白い頬。やや薄めな顔つきに、あまり大きくない真っ黒な瞳。

 背丈は峰子(みねこ)よりもさらに小柄で、150センチ以下だろう。螢さんと同じくらいか、あるいはほんの少し小さいか。

 夏物のセーラー服を纏うその身は、どこか広い底面を幻視させる立ち方をしていた。気のせいではない。半袖から伸びる腕は細いが、スカートから伸びる両脚は太めだ。まるで大地にしっかり根付いた巨樹のように、床を盤石に踏みしめている。


「……あの制服、玄堀(くろほり)中学校だわ」


 峰子のささやきでそれを聞き、僕は身を強張らせた。


 玄堀中学校。

 ここ数年、天覧比剣に毎年出場している、まごうことなき強豪校。

 十一年前の戦争で、北海道に侵攻していたソ連軍を相手にゲリラ戦を行っていた『玄堀村』。そこにある中学校。

 僕らと同じく、第二会場のシード校。


 そして——氷山部長の生まれ故郷にある学校。

 

「まさか……トキ(・・)、なのか?」


 氷山部長は、近寄ってくる女の子にそう問いかけた。いつもの部長らしからぬ、震えた声で。


 トキ。


 その名前に聞き覚えがあった僕と峰子が、揃ってピクッと反応した。


「——やっぱり、(きょう)ちゃんなんだ。久しぶり」


 そのトキと呼ばれた女の子は、感情の含有が薄めな淡い口調でそう言った。


 ——雪柳(ゆきやなぎ)トキ。

 

 十一年前に日ソ戦が始まった途端、部長が家族に連れられて夜逃げ同然に帝都へ避難して以来、一度も会えていないという、友達。

 

 その事を、部長は「見捨ててしまった」と今でも悔やんでいた。


 だからこそ、いつかその友達に己の心眼流を、玄堀の技を、見せたいと言っていた。


 その思いが——今、この時をもたらした。


 しかし、その念願叶った部長の顔には、恐れるような、後ろめたさがあるような……少なくとも、再会の喜びとはほど遠いような感情ばかりが浮かんでいた。


 それでも、取り繕うように、言葉を返す。


「……久しぶり、だな。トキ」


「帝都での生活は楽しい?」


「あ、ああ。楽しい、かな」


昔住んでいた(・・・・・・)村よりも(・・・・)?」


 おとなしい口調に含まれた、絶妙な圧力。


 それを前に、氷山部長は押し黙ってしまう。……「見捨ててしまった」ことに、今なお後ろめたさを感じているのだろう。


 雪柳トキは、部長の後方にいる僕ら部員を一瞥(いちべつ)し、


富武(とみたけ)中学校、だったよね。学校」


「……ああ、そうだ。私が部長を務めている」


「奇遇だね。私も京ちゃんと同じ。今、玄堀中学校撃剣部の部長なの」


「……そうか」


「名の知れていない学校を、ここまでのし上がらせたんだから、京ちゃんは部長として優秀なんだと思うよ」


「そんなことは……ないさ。私だけの力では、ここまで上がってはこれなかった。すべて、頼れる部員達の腕と熱意によるところが大きい」


 ぎこちないながらもきちんと受け答えする部長に、雪柳さんはひたすら淡々と、しかし強い言葉で告げた。


「でも——私達には勝てない。京ちゃんも、そのすぐ後ろにいる二人も」


 その言葉に、僕と峰子は表情をムッとさせた。


「京ちゃん達の試合、何度かビデオで見たよ。京ちゃんの心眼流はよく練られていたし、後ろの二人もなかなか強い。この天覧比剣に上がってこれるだけのことはある。上がってこれるだけ(・・)は」

 

上がって終わり(・・・・・・・)だと、そう言いたいわけ?」


 峰子がトゲトゲしく問うた。


 それに少しも感情を動かさず、雪柳さんは僕らを見据え、告げた。


「私達は——戦争を経験している。

 安全な帝都で引きこもって、軍隊がなんとかしてくれるのを待っているだけだったあなた達と違って、戦争がすぐ隣にあった。明日にでも殺されるかもしれない、そんな恐怖と常に隣り合わせだった。だから老若男女、村を守るために、自決を覚悟して戦った。……撃剣とは、言うなれば殺し合いの競技化。私達は、本当の殺し合いを肌で知っている。だから、あなた達とは剣への向き合い方が違う」


「……玄堀の出身だからって、随分と傲慢な物言いね。あの戦争を戦ったのが、貴女達だけだとでも?」


 峰子の物言いが厳しさを増す。軍人であったお父さんを戦争で亡くした彼女としては、聞き捨てならない発言だったからだろう。


「思わない。でも、少なくとも、あなた達は身近で経験していない。剣を見れば分かる」


「貴女ね——」


 さらに強く食ってかかりそうな峰子の肩を、僕が押さえて止める。


 雪柳さんはそんな峰子を無視して、氷山部長へ視線を戻した。


「これは、本当はあなたに言ってるんだよ? 京ちゃん。……京ちゃんのあの剣、心眼流でしょ? よく鍛錬されてたね。でも、私の師匠や、他の大人達のような「気」は感じられない」


 氷山部長は、何も言い返さなかった。


 言い返せなかった、というべきか。


 なぜなら、真実だったから。


 雪柳さんの口から出てくる言葉は、どうしようもなく、残酷なほどに。


「ねぇ——昔話でもしてあげようか? 面白くない、吐き気のする昔話を」


 そんな雪柳さんの口元が、冷たい微笑を作った。


 氷山部長が、(おのの)いたように息を呑んだ。


「山で仕留めた(ひぐま)をよく私達に触らせてくれた、マタギの谷川(たにがわ)おじちゃん、いたでしょ? おじちゃんね、ソ連兵の小銃に撃たれて死んだの」


「っ……」


鷹匠(たかじょう)二郎(じろう)おじちゃんは、木に縛りつけられて射的のマト(・・・・・)にされてた」


「もういい……」


「山で遭難しかけたことのある私達を連れ帰ってくれた勘太郎(かんたろう)お兄ちゃんは、顎から上が(・・・・・)無くなってた(・・・・・・)。手榴弾を無理やり咥えさせられたまま起爆されたんだって」


「やめてくれ……」


「それとね京ちゃん、よく私達と遊んでくれた咲希(さき)お姉ちゃん覚えてる? 咲希お姉ちゃんね、短刀で自分の首切って死んだの。ううん、お姉ちゃんだけじゃない。戦争中、村の女はみんな短刀を携帯してたの。どうしてか分かる? それはね、ソ連兵の男達から貞——」


「———やめろっ!!」


 氷山部長は拒絶を訴える。絹を裂くような鋭い一声がロビー全体に響き、注目を集めた。


 雪柳さんは、さらに氷山部長へ近づき、畳みかけるように言った。


「あなたは、そんな私達を見捨てたの」


 突き刺すように。


「村をあっさり捨てて、この帝都という安全地帯に逃げたの」


 責めぬくように。


「京ちゃんは、私と、村のみんなを裏切ったの」


 断罪するように。


 部長は、それらに対して、否定も反発もしなかった。


 うつむき、悔やむように唇を噛み締め、両手を震わせて、ただただ受け入れていた。


「ちょっと貴女、いい加減に——」


 峰子がもう勘弁ならないと前に出ようとするよりも早く、




「ねぇ? これ(・・)さ、いつまで続くの?」




 僕が、笑顔でそう吐いた。


 峰子と、部長と、そして雪柳さんの眼が、揃ってこちらに向く。


「僕達さ、そろそろホテルに帰りたいんだよね。だから不幸自慢(・・・・)はここまでにしてくれないかな」


「……不幸自慢?」


 雪柳さんのあまり大きくない瞳が、鋭く細められる。


 侮辱された、そう受け取ったのだろう。


 素朴な見た目に反し、発せられる気迫はなかなかに分厚いものだった。


「峰子も言ってたけどさ、自分達だけが苦しい思いをしてきたって主張するのは、ちょっと傲慢すぎじゃないかな?」


 僕はそれを気にしないフリをし、ただただ作り笑顔に徹して言い続ける。


「あの戦争のせいで苦しんだのは、君達玄堀村だけじゃない。……戦場で酷いモノを見すぎて、心臓を病んだ人もいる。ロシア人だからというだけの理由で、何もしてないのにいじめられた子もいる。出征した家族と死別した人もいる。君達と違って戦う術が無く、一方的に全てを失うしかなかった人もいる。……この国のみんなが、いろんな形で、あの戦争の苦しみを味わってる。自分だけが不幸なんて言い方、やめた方がいいと思うよ。まして、それを勲章のようにひけらかすなんて。——少なくとも、僕らが会った『玄堀の首斬り小天狗』は、そんなことはしなかった」

 

 雪柳さんだけじゃない。後方にいる他の部員達も、揃って僕を睨んでいた。


 『玄堀の首斬り小天狗』……つまり、静馬(しずま)さんのことを引き合いに出したからだろう。


 普段の僕ならそれらの視線にたじろいで黙ったかも知れないが、今の僕には(いきどお)りのエネルギーが味方していた。


「首斬り小天狗は、私達の英雄。彼の事を気安く口に出さないで」


 雪柳さんは部長を通り過ぎ、僕へ詰め寄ってそう言った。強い語気で。


「ならあなたも、富武(ウチ)の部長をいじめるのはよして欲しい。そもそも、氷山部長はその首斬り小天狗の弟子なんだ。部長を馬鹿にすることは、あなた達の英雄に「見る目が無い」って馬鹿にすることに繋がるんだから」


 僕の言葉に、玄堀中学校の一同は揃って目を見張った。


 「お、おいっ」と慌てたような小声を出す氷山部長に、僕は聞こえないフリをした。


 雪柳さんはというと、うつむいたまま、黙りこくっていた。


 僕はそれを見てから、峰子と部長に目配せして、ここを去ろうと促す。反論はもう十分した。これ以上ここにいるべき合理的理由は存在しない。


 去ろうとする僕らに向けて、雪柳さんは噛み付くような強めの声で言った。


「何度でも言う。あなた達じゃ私達に勝てない。剣に対する覚悟が違うから」


(おご)れる者は久しからず、って言うよね。よかった。思ったより勝ち目がありそうだ」


 僕は言い返し、今度こそロビーから神武閣の外へ出る。


 駐車場へ向けてしばらく歩いてから、僕は立ち止まり、大きなため息をついた。腹の内に溜まっていた憤りの熱を吐き出すように。


 峰子が呆れたような笑みを浮かべて、


「……貴方って、たまにものすごーく弁が立つわよね。前から思っていたけど」


「まぁ……僕も峰子同様、頭に来てたから。それに、峰子を怒らせてたら、手が出そうだと思ったし」


「失礼ね。私そんな乱暴じゃないわよっ」


 峰子が僕を軽く蹴ってくる。いや、いきなり説得力が無いんですけど……


「ああ…………私が藤林(ふじばやし)先生に師事していることは、今はまだ黙っているつもりだったのに……」


 そこで、部長が顔を手で覆い、疲れた口調で言った。


「すみません……ですが、黙っている意味はあるんでしょうか?」


「うん……まずは、あの子……トキに、純粋な私の強さを証明して、それから明かしたかったんだ。先に先生の事を明かしたら、先生の名声を傘に着ている(・・・・・・)と思われてしまうかもしれなかったからな」


 トキという名を出したことで、峰子が面白くなさそうに鼻を鳴らした。


「それにしても、あの子、随分と好き勝手言ってくれましたよね。部長の事情も何も知らないくせに」


「あまりトキを責めないでやってくれ。……あの子が言っていることは、ある意味で真実なんだから」


 それに、と区切りをつけてから、氷山部長は後ろめたそうに言った。


「相手の事情を大して知らなかったのは……私も同じだ。会って喜ばれるなどとは(つゆ)ほども思ってはいなかったし、あの戦争と隣り合わせだったトキが壮絶な体験をしているであろうことは予想出来ていた。だが、いざ聞かされると…………想像を超えるほどに、生々しく、惨いモノを見てきたのだな、あの子は」


「部長……」


 僕と峰子が心配そうに部長を見つめていると、部長は半ば無理やり自分をシャキッと勇み立たせた。


「けど……ありがとう、秋津君。君に言った「あの戦争で苦しんだのは、玄堀村だけじゃない」という言葉のお陰で、私は少しだが後ろめたさを捨てられそうだ。…………そう。確かに私は、トキと、玄堀村を捨ててしまったかもしれない。でも、そもそもソ連軍の侵攻が無かったら、そんな事をする必要は無かったんだ。そういう意味では、私も、トキも、等しくあの戦争に苦しめられた者同士だ」


 部長は僕らへ向き、いつもの勇ましげな口調で告げた。


「——先ほどは、頼りない姿を見せてしまって済まなかった。だが、もうあんな無様はこれっきりだ。私はもう、あんな風に怯んだりはしない。どんな因縁があろうと、今の私達は等しく天覧比剣の参加者だ。である以上、剣で応える以外の対応があるだろうか? いや、無い!」


 僕も、峰子も、部員のみんなも、等しく頷いた。


「勝つぞ、明日からは! たとえ玄堀と対決することになろうとも、優勝の妨げになるならただの踏み台だ! 我々は踏み台には入れ込まない! 優勝を見据え、駆け上がるのみだ! えいっ、えいっ——」


「「「おぉぉ————————っ!!」」」


 撃剣部一同、拳を夕空に突き上げ、(とき)の声を上げたのであった。


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