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読書②

「んぁ...?」


 目覚めた俺の顔に一冊の本が置いてありました。


「誰か来たのか? こんな悪戯をしていくなんて...」


 まあ十中八九優樹の仕業だろうな。


 俺はため息を吐きながら手元にあった本の題名を見てみる。


「なになに? 【弱体術師】の旅路?」


 俺の旅路か? と一瞬思いましたがすごくくたびれていたので恐らくそうじゃ無いと思います。


 良いところ前の【弱体術師】の話でしょうか?


 少し興味があったので俺はパラパラとページを捲るのだが...。


「なんだ? 殆どのページが虫食いみたいになってて読めないな...」


 かろうじて読めたのが最初の方のページにある異世界召喚のページくらいでした。


 この本によると俺より前の【弱体術師】も幼馴染と召喚されて一緒に世界を救う旅に出たそうです。


「一緒に旅に出られただけでもマシだろ」


 俺は笑いながらそう呟いていた。


 後のページは殆どが虫食い状態なので解読できない。


「なんだこの本、もはや本として定義を成していないじゃないか」


 役に立たない本まで取り揃えるとはあの男本当に本が好きなんだと思う。


 俺が本から手を離そうとすると...。


「なんだ?」


 メニュー画面が勝手に開いて『【弱体術師】の旅路を入手。EXスキル【弱体術師の心得】を取得します』とか表記しながらその本を吸収してしまった。


「おい! 嘘だろ! 本読んで良いか微妙な代物だが、これは優男の私物だぞ!」


 必死に抵抗しましたが、その本はメニュー画面に取り込まれてしまう。


「冗談じゃない! 俺は泥棒じゃないからな!」


 そう言いながらメニュー画面から【弱体術師の旅路】を取り出して手から離そうとしたのですが離れません。


「はっ!? 離れないんだが!?」


 どうやっても剥がれないその本に気持ち悪さを感じながら、どうにかして手放せないか試してみるのでした。


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