【弱体術師】とか言う雑魚職
俺はこいつらと行動を共にすることにした。
どうやら戦争の最中の間のみ俺は勇者としての力を振るえるらしい。
戦争が終わった後の俺の職業はなぜか...。
「和希! お願いだから剣なんか持たないで!」
「そうだぜ兄ちゃん! 兄ちゃんは杖で戦うべきだ!」
「和希様! 今はお願いですから杖をお使いください!」
「【弱体術師】様!」
「高坂! やる気あんのかよ!」
「そうだぞ高坂!」
...なんかシュガーと石川にそう言われるのが一番腹立つな。
「分かったよ! やればいいんだろ! やれば!」
俺は気に食わない素振りを見せながらもあの呪文を唱えた。
「【デバフ】!!」
そう、なぜか俺は名実共に【弱体術師】と化していたのだ。
お陰で【勇者】として上げたレベルやスキルは使えなくなるし、異世界より召喚された勇者達は昇格はできても職業変換はできないらしい。
なにそれ...。
【弱体術師】とかただの縛りプレイじゃん! 一人では火力出ないし誰かを頼らなくてはならない職業とか人気なさすぎだろ!
そう思いながらも俺は【デバフ】を使う。
いや、使うしかなかっただけだがな。
一通り戦闘が終わると、俺は一息吐いた。
(何この職業...。1人じゃ戦えないしずっと連携を強要されるの正直辛いんだが...)
こうして【弱体術師】に身を落とすとそう実感せざる終えない。
俺は手に持つ杖を眺めながらそう思うのだった。




