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祝杯

「いぇ〜い! 【弱体術師】のボーヤにかんぱ〜い!」


 クラールが俺の肩に手を回してそう叫ぶとパーティが始まった。


 正直いうと俺はこういうパーティ事は苦手である。


 優樹がいればそうでもないのだが、彼女がいない場所でこういう事をされるとどうやって時間を潰して良いのかよく分からない。


 取り敢えずこの前の戦争で佐藤と石川が倒したであろうドラゴンゾンビの素材を合成していると...。


「ほら! ボーヤも飲みな!」


 そう言いながら酒をグラスに注いできた。


「...俺はまだ未成年なんだが」


「未成年? 何歳なんだ?」


「15だ」


 その言葉を聞いたクラールは大きく笑う。


「15ならうちらの所で言う大人だよ! 早い奴なら10歳で成人だ!」


「そうなのか?」


「ああ、あんたんとこの盗賊の嬢ちゃんも10歳だからな。もう立派な大人だよ」


(ラカラで大人って...。こいつの言葉は信用できないな)


 とは言え酒という物には興味があるし、この世界の常識で15歳が成人なのならばちょっとくらい良い...のか?


 注がれたグラスの中で赤く煌めく酒に俺は手を伸ばした。


 ぐいっとグラス一杯の半分ほどを飲んでみた。


(この味は...、ブドウか?)


 殆どアルコールが入っていないのか凄く甘くて飲みやすい。


「旨いな。酒の苦味が少ないし」


「そりゃそうだろ、それただのグレープジュースだし」


 はははと笑うクラール。


「騙したな!」


「ボーヤはあんまりお酒強そうじゃないからねぇ。ジュースで充分だろう?」


「...まあな」


 こいつは何だか掴みどころのないキャラだな、知らない間にいつの間にか手玉に取られてそうで怖いからあんまり関わり合いにならないようにしないとな。



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