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ナチュラルシュート  作者: 秘伝りー
第一章
3/7

野球はやらないんだけど…

 父さんは自宅の1階でスポーツ用品店を営ん

 でいる。母さんは帰りが遅いため、父さんが

 夕食の支度をするため必然と店番は俺の役目

 になるのだ



 夕方

 店番中の優太


「しっかし野球用品ばっかだな、夏だから水着

 とか水着とか、あと水着の姉ちゃんとか」


 1人で喋っている優太、ニヤニヤしながら


「すいません」


 お客さんだ


「いらっしゃーい」

「グローブ紐の交換お願いします」

「この紙に名前と電話番号を書いてください。

 修理が立て込んでるんで1週間ほど預かり…」


 お客は転校生の琉之介である


「どうも」

「ん?同じクラスの…」

「飯塚だよ。飯塚優太。隣の席の」

「あぁ隣の席の、アルバイトか?」

「実家なんで手伝いだよ」

「また1週間後に来る」

「料金は2500円と2000円の後払い、子供用か

 なり汚れてるから掃除しといてやるよ」

「勝手にしろ。大きい方のグローブは小指側の

 紐は結ばなくて構わない」

「ピッチャー用グローブ丁寧に使ってるな」

「今日、バックネットまでノーパンで投げ込ん

 だだろ」

「はて??」

「恍けるな」

「あぁあぁ昔に少しだけ野球をやっていまして」

「少しやってたで90m投げられちゃ敵わん」

「どうもどうも」

「野球はどうして辞めたんだ?」

「体力の限界なもんで」

「お前は何歳だ。高校で野球は?」

「やりませーん」

「ふざけた奴だ。また来る」

「はいよー」


 琉之介は帰っていった


「嫌な予感したんだよなぁ」

「優太、今の?」


 父さんが驚いている

 そりゃそうか笑笑


「今日転校してきたクラスメイト」

「琉太にそっくりじゃないか」

「確かに。あと野球をやっていて左投手。名前

 は,琉,之介ときたもんだ]

「あるもんだねー」

「てか父さん?」

「ん?」

「服を着たら」

「イヤん♡」



 1週間後


 夏なのにインフルエンザが流行しています。

 日本は秋冬、南半球は春夏、基本は年中流行

 渡航渡来などで菌を持ち込んだんだろう



 朝のホームルーム


「おはよーゴホンゴホンっ季節外れですがイン

 フルエンザが流行しています。いつも以上に

 手洗いなどするようにってことで先生は体調

 悪いんで帰りまーす」


 おいおい何しに来たんだ…



 放課後

 グラウンドにて


「白石、ちょっと頼みがあるんだよ」

「またバッティングピッチャーですか?」

「急なんだけど日曜の公式戦に出てくれないか」

「監督、メンバーは決まってると」


 実はインフルエンザで野球部欠員5名。野球

 部は全員で13名。現在は8名のみ


「てことでメンバーが足りないんだよ…1回戦

 だけで大丈夫なんだ、2回戦までには戻って

 来ると思うんだよ。頼むっっ」

「僕で良ければどうぞ」

「助かるよ。…あと1人かぁ…」

「あと1人ですか?」

「交代選手が必ず1人は必要で10名揃わない

 と出場出来ないんだ。困ったな…」

「1人当てがあります」


 なんか更に嫌な予感です…



 夜

 飯塚スポーツ用品店

 

「グローブは仕上がってるか」

「おー白石。グローブ仕上がってるよ」


 グローブの状態を確かめる

 かなりの良い仕上がりに満足気

 

「完璧だろ?ふっふっふ」

「まあまあだな」

「素直じゃねーな」


 何食わぬ顔で切り込んでくる白石


「日曜日に試合がある」

「それはそれは」

「インフルエンザで部員が足りない」

「それはそれは」

「オレも出ることになった」

「それはそれは」

「あと1人足らない」

「それはそれは」

「お前も出ろ」

「それはそれは」

 ………


「えー!?」

「いくらだ?」

「って待てよっ」

「いくらだ?」

「4500円…ちょっと待てよ」

「子供用のグローブは?」

「あれ?っ確かここに…」


 グローブが見つからない…


「すまん2日3日待ってくれ。必ず探すから」

「オレは優しい。お前のお願いは叶えてやる」

 

 4500円を置いて帰ろうとする


「オレのお願いも頼んだぞ。日曜日に学校の

 グラウンド8時集合だ」

「待てよ!オレは野球を」

「子供用グローブ」

「それとこれは」

「子供用グローブ」

「2日3日待ってくれたら」

「子供用グローブ」

「分かったよっ」


 帰って行った白石


「なんで野球を…ってグローブどこだよ」


 行方不明の子供用グローブは便利そうに料理

 のオーブンミットとして使っている。この事

 実を知るのは試合から帰ってからである


「これ便利だねー」


 やってくれました

 父さん




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