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(44)腐食(ふしょく)

 金属が腐食ふしょくすればさびを生じる。専門家はこれを疲れた・・と表現する。金属も疲れるのである。^^ まあ、腐食しない金属もあるが、私も含め、人もそうありたいものだ。^^ 材木だともっと深刻で、ボロボロになってちて滅してしまうから疲れている場合ではない。では、人の場合の腐食は? ということで、今日の話を起こすことにしたい。^^

 夕闇が迫るとある家の玄関である。中年サラリーマンが自宅したところだ。

「ただいま…」

 サラリーマンが革靴を脱いで玄関を上がったところで、妻らしき女性が台所から現れた。

「お帰りなさい…。今日は早かったわね」

「ははは…俺だって早く帰る日はあるさっ! 少し疲れたから今日の残業はなしだっ! 俺もすっかり錆ついて腐食しちまったなっ! 20年も前は、こんなじゃなかったんだが…。最近は、よく疲れる…」

「もう、年なんだから…」

「ああ、それは分かってる。分かってはいるが、仕事がいろいろあってな…」

「で、解散なのっ!?」

「馬っ鹿! 今、解散されたら、答弁用に準備した資料がオジャンになるだろっ!?」

「スタッフは大変なのよね…」

「ああ、キャストを支えるスタッフの長は腐食しやすいんのさ、ははは…」

「明日はお休みだから、今日はスキ焼にしたわよ。お肉の柔らかくて安いのが入ったから…」

「肉は腐食する少し前が美味うまいっていうが、物はすべてそうなのかな?」

「あなたはどうなのよ?」

「俺か? ははは…俺はまだまだ美味くないさっ!」

 サラリーマンは妙なところで自信ありげに断言した。

 人は疲れる。その疲れが蓄積ちくせきすれば、やがて腐食し、身体からだに不具合を生じる。腐食をけるにはその事実を考えて無理しないことだろう。^^


                  完

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