表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/100

(21)苦(く)

 苦楽くらくともにする・・という、いい言葉がある。今日はまず、について語ってみようと思う。語らなくていいっ! と思われる方も、寒さ凌ぎの温かいポタージュ・スープでもすすりながらお読みいただきたい。^^

 苦があれば、疲れるのは明々白々(めいめいはくはく)である。とくにその疲れは、心労しんろうであり、人々の心を悩ませる。

 この男、通話つうわも朝から一昨日おとといからの苦に疲れ果ていた。疲れるといっても、身体は少しも疲れておらず、もっぱら、その疲れは心理面にあった。

『コロナウイルスに感染したのは、俺の伯母おばさんの知り合いの近所のおばさんの兄さんの奥さんの兄弟らしい…。ということは、どうなんだ? …やはり、隔離対象になるのかな?』

 猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大の勢いは依然として衰えず、国を挙げてその対策に追われる矢先だった。通話は日々、電話工事の外仕事に追われていたが、勤続20年経った今、馴れも手伝ってか仕事で疲れるということはなかった。だが、伯母の知り合いの近所のおばさんの兄の奥さんの兄弟が感染し、隔離されたという現実は通話の心を完璧かんぺきに疲れさせていた。あたかも、自分が電話工事されているような錯覚さっかくすら感じる通話だった。こんな目に見えない苦にさいなまれるのは誰だっていやである。通話もご多分にれず、気分を害していた。テレビのリモコンを押すと、またそのニュースを流している。

『新たな情報が入りました。二時間前、佐渡ヶ島へ金の採掘目的で訪れていた男性の感染が確認されました。これで全国の患者数は5,000人を超え、5,001人となりました』

「とうとう5.000人を超えちまったよっ! 俺の隔離も時間の問題か…」

 一年後、騒動は終息し、通話は幸いにも隔離されていなかった。

「ははは…終息したか」

だが、このとき、通話は新たなVRE[耐性菌]ウイルスに感染していた。通話の心は疲れる苦から解放されたが、新たな苦が疲れる通話の身体を疲れさせようとしていた。

 こうなっては、さっぱりである。^^


※ 後になり、通話さんのVRE[耐性菌]ウイルス感染は陰性だと判明しました。よかった、よかった!^^


                  完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ