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悪役令嬢、前世を思い出す。①

ただただ学園生活をエンジョイしていく話です。多分、シリアスな雰囲気になりません。


「あ、あ、あの女っ…!なんなのよ…!どいつもこいつもフローリア、フローリアって…!あんな…平民上がりの…顔だけの伯爵令嬢なんて…っ!アンドレア殿下はきっと騙されてるんだわ…!そうよ、わたくしが…わたしくだけが…殿下の婚約者だもの…!あの女は…痛い目にあえばいいのよ…!」



悪役令嬢カナリア・ラインボルト

4強公爵家の1つであり、広大な領地と資源を持つラインボルト家長女、真っ赤な口紅に、ギラギラのアイメイク、どぎつい香水、そしてゴッテゴテの金髪縦ロール。周りにいつも取り巻きを侍らせ、権力を盾にやりたい放題。まさに王道悪役令嬢だった。


幼馴染であり、婚約者候補であるアンドレア殿下に並々ならぬ執着を抱いており、束縛や激しいスキンシップは当たり前、殿下に近づく女へいじめは特に激しかった。


入学して半年、着々と敵を増やし、アンドレア殿下にはどんどん嫌われていった。学園の生徒は、カナリアがアンドレアの婚約者候補から外れるのも時間の問題だと思っていた。その日までは。



_


「どうしたらあの女を痛めつけられるのかしら。」


放課後、ほとんどの生徒が帰宅している校舎でカナリアは最近殿下の周りをうろちょろしている伯爵令嬢フローリアに対する嫌がらせの計画を練っていた。

実際はフローリアが殿下に近付いているのではなく、元々平民として生きていたフローリアの為を思った殿下の優しさなのだが、カナリアは全く気付いていない。ブレない悪役令嬢であった。


「とりあえず、帰りながら考えましょう。」

帰ろうとカナリアが教室のドアを開けた瞬間、


「うわ」「ぎゃっ」


ドンッ!!!!!


「「いった…」」


不幸なことに、忘れ物を取りに走って帰ってきたクラスメイトとぶつかってしまったのだ。勿論、不幸なのは、カナリアでは無く、クラスメイトの方だが。


「か、か、カナリア様…!」


「ちょ!!どこ見て走ってんのよ!!このカナリア様の上に乗っかるなんて!!わたくしが怪我したらどうす…」


悪役令嬢は、こけた時に上に覆いかぶさってきた相手の顔を見た瞬間、目を見張った。


「も、も、申し訳ありませんっ!本当に何でもします!家だけは…!弟が2人もいるのです…!この通りです…!」


彼はすぐにカナリアに震えながら謝罪をしたが、カナリアは黙ったまま動かない。

必死に謝罪するクラスメイトAと呆然としている悪役令嬢、とてもシュールである。


「…か、カナリア様?」


「あ、あの、カナリア様!」


「ハッ!」


「えっ」


「塩顔イケメン…眼福…尊い…」


そして悪役令嬢は鼻血を出しながら、その場で気絶したのである。


「か、か、か、カナリア様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」










本来なら出会うはずが無かった悪役令嬢とクラスメイトAのこの出来事が、彼女と彼の生活を、180度変えていくことを、まだ、誰も知らない。

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