表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

2

「マカのあの強い『気』は、カノンさん譲りなんですよ。ただカノンさんは物を媒体にしなければ、その力は使えません。マカみたいに自身で戦う力を持たない方なんですよ」


「ソウマさん。なら、マカは物を媒体にして、力を使うことができるんですか?」


マミヤの問いかけにソウマは両腕を組み、しばらく考えた。


「そうですね…。まあマカ自身が触れているものにならば、可能でしょうが…。マカは逆に、『気』をずっと物にためることはできません。入れてもすぐに、消え去ってしまうみたいですからね」


「へぇ。母娘でも、そういうところに違いがでるんだ」


「そこはまた、マサキさんの力が関係してくるんですよ、ハズミ。私達、血族は決して血縁者からは無関係ではいられませんからね」


ソウマが苦笑して言った言葉に、ルナとヒミカの顔が苦しげに歪んだ。


「あっ、そうだ! セツカのことなんだけどさ」


「はい? セツカがまた何かしました?」


「セツカって、マカの甥なんだろう?」


「ええ」


「じゃあマカの兄貴が姉貴が…」


「うっさいわっ!」


バシンッ!


「あがっ!」


マカのケータイが、ハズミの後頭部に直撃した。


「お前達、声がどんどん大きくなってるんだよ! 近くで人の噂をしているんじゃない! 気が散るだろうがっ!」


そう言って今度はノートを投げてくる。


べしんっ!


「ふがっ!」


今度はハズミの顔面に直撃。


みな、器用に避けたからだ。


「うぐぅ~」


うなってしゃがみこんだハズミに、ソウマは優しく頭を撫でてやった。


「ずっ随分、殺気立っていますね。マカ」


「予定が思ったより立て込んでて、目が回る! おかげで冬休みはずっと徹夜予定だ!」


落ちたケータイとノートを回収し、すぐにまた仕事を始める。


「今年は特に、事件が多かったからな。長老共からネチネチ言われているし…」


「は~。…じゃ、アオイとのデートはやっぱり、前倒しね」


「キシもだな…。どうやって説得しよう…」


ルナとヒミカは深く息を吐いた。


しかしその言葉を聞いて、ハズミは顔を上げた。


「えっ? それってもしかして、クリスマスのこと?」


「「それ以外に何があるの?」」


二人の声が、キレイにそろった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ