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自殺志願者〜感情のない世界〜

作者: 幸せになりたい

この小説は、自殺を進める作品ではございません。

あくまで架空の世界のお話です。

それを理解していただける方のみご観覧ください。

この小説を機に何か起こりましても一切の責任をとることができませんのであらかじめご了承ください。

自殺は架空の世界のみで留めておきましょう。

私たちの起きる世界はこのお話の世界よりも明るいはずです。



この世界は、理不尽でできている。

夢も希望もなく、ただ生きるためだけに働く。

なぜ、こんな世界で生きていけるのか。


それは・・・・・



この世界には、感情がないからだ。




*************


「昨日、竹林君が屋上から飛び降りて死にました。」


ある日の朝のホームルーム、担任が僕らに行った。

クラスは、騒つく。


「何か、心当たりのある人はいませんか。」


担任が問う。

クラスは、静まり返る。


「そうですか。では、今日の予定です・・・・」


いつもの朝のホームルームに戻った。

まるでさっきの竹林君の死んだ話が、「学校で盗難がありました」と言っているのと同じぐらい軽いノリである。

しかし、この世界ではよくあることだ。


人に死に誰も泣かないし、誰も悲しまない。

笑いもしないし、喜ばない。

感情なんてどこにもない。

ただ、生きることが義務であり、他人のことなどどうでもよいのだ。




キーンコーンカーンコーン


昼休みになった。


「おつかれ、弁当食おうぜ!」


隣のクラスの友達の松本がやってきた。


「お前のクラスの竹林・・昨日自殺したんだってな・・・・」


僕は、無言で頷いた。


「クラスで何かあったのか?・・・いじめとか・・・」


「べつに・・・・」


僕が素っ気なく返すと、


「そっか・・・・」


松本は、少し悲しそうに俯いた。

僕は、気にせず弁当を食べている。


「竹林・・・なんで、自殺なんか・・・」


「さぁ、僕竹林のことよく知らないから。」


松本は、何故か驚いていた。


「お前、竹林と小学校から一緒じゃなかったけ?」


「あー、そうだっけ?忘れた。」


僕にとっては、どーでもいいことだ。

松本は、僕の顔じっとみてこう言った。


「お前もみんなと同じなのか?」


「なにが?」


「ううん。なんでもない。」


その後、松本から話しかけてくることはなくなった。

弁当を食べ終わった後も、「じゃあ帰るわ」といって自分の教室に帰ってしまった。

何か悪いことをしたのだろうか。

不思議に思ったが、気にせず僕は、次の授業の準備をした。




次の日。



「昨日、隣のクラスの松本君が屋上から飛び降りて死にました。」


朝のホームルームで担任が僕らに言った。

流石に驚いた。

昨日の今日で、なんで・・・

昨日何か悪いことでも言っただろうか・・・・

クラスは、騒ついた。


「何か、心当たりのある人はいませんか。」


担任が問う。

クラスは静まり返る。

僕は、その静けさに恐怖を感じた。

クラスの目線が一斉にこっちを向いた気がする。

実際は向いていない。



「そうですか。では、今日の予定です・・・・」



いつもの朝のホームルームに戻った。

昨日の竹林君の時と同じ、まるでそんなに大したことではなかったかのような様子だ。


誰も泣かないし、誰も悲しまない。

笑いもしないし、喜ばない。

感情なんてどこにもない。


それが今の僕には、何故か恐怖に感じたのだ。




キーンコーンカーンコーン


昼休みになった。

僕は、隣のクラスの友達のところに行った。


「おつかれ、弁当一緒に食っていい?」


「おう、久しぶりだな。いいよ」


隣のクラスの友達 冴島である。

僕は、昨日の松本の事を聞いて見た。


「昨日・・・松本・・・自殺したんだってね・・・」


「ああ。そうだな。」


冴島は、無表情で答えた。


「クラスで何かあったの?・・・いじめとか・・・」


「べつに・・・・」


冴島は、素っ気なく返した。


「そっか・・・」


僕は、俯いてしまった。

じゃあなんで冴島は・・・・


「なんで、冴島は・・・自殺なんか・・・」


「さぁ。俺は知らないから・・・」


「え・・・」


この感覚。どこかで・・・


僕は、昨日もこの会話をした。

昨日も、、、松本と、、、、


「冴島、松本と去年同じクラスじゃなかったけ?」


「んーそうだっけ、忘れたわ」


僕は、冴島をじっと見つめた。

ああ、この人は、、、、



僕だ・・・・・。



「そうか。冴島も同じなんだね。」


「何が?」


「ううん。なんでもない。」


僕は、それから一言も話さなかった。

弁当を食べ終わると、そのまま「じゃあ帰るわ」と言って教室を出た。

僕は、罪悪感でいっぱいだった。

松本の死に無関心な冴島・・・

あれは、確かに昨日の僕だ。

そして、昨日の松本は、その後に死んだ。

その後、何があったのかわ知らないが。

昨日松本は、竹林が死んだことに対してとても悲しんでいたように思う。

そして、今の僕も松本が死んだことに悲しんでいる。


そんな事を考えながら何処と無く歩いていると、そこは、屋上だった。

松本は、何故死んだんだ。

僕のせいか。

わからない。

松本になればわかるんだろうか。


僕は、いつの間にか屋上の端の方まで来ていた。

そして、ある事を思い出した。



この世界には、感情がない。

感情がない世界で感情のある人間が生きていけるわけない・・・・


そうか・・・


僕の心にも生まれてしまったんだ。

感情が・・・


じゃあ、この世界では、生きていけないね。


自殺をする事で、新たな世界に感情の持てる世界にいけるのであれば・・・・


僕は・・・・・


自殺を志願しようじゃないか・・・・・・・・。



こうして僕は、大きな一歩を踏み出した。



end












感情がないことは、悲しいこと。

つまり、無関心というものが一番傷つけるということです。

自殺を進めるための話では、ありません。

こんなことが起こらないように、人に関心を持って生きて生きましょう。

自殺なんて絶対にしちゃだめですからね!

この話は、フィクションです。


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