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大・宣・告☆

それは、30分の出来事だった。

天照大御神と名乗る自称神様が来て…。

日本人が暴走した(・・・・・・・・)

いやまぁ、気持ちはわかる。大いに分かる!あんな可愛らしい女の子が来たら叫びたくなる。俺も叫んだし…。

だが、宙に浮かんでいることに一切触れず。

滅亡を宣告されても慌てもしない。

次元を歪ませ帰った(幼女)を見ても怖がらない。

——うん、可愛いって罪だね。


「お、お兄ちゃん。今!今!!」

「落ち着け、美優。何焦ったんだ。アマテラスちゃんが日本に遊びに来ただけだぞ。もう…な、そういうものだと受け入れた方が楽だぞ。」

俺は遠い目をしながら不安に揺れる瞳をこちらに向けワタワタとする美優の頭を撫でる。

だが、美優はそんな兄をジトーと見つめ。

「お兄ちゃんはあの神が可愛かったから細かいことはどーでもいいだけでしょ。」

「な、何を言う!俺はお前のことを思ってだな!」

「ふーん。」

「いや、だが本当に今から焦ってたら疲れるぞ。まだまだ、理解不能なことが——」


日本人共(変態共)!もうお主らなんか怖くないのじゃ!天之御中主神アメノミナカヌシノカミから一部の神力の許可を貰ったからの!」

ドヤ顔でこちらを見渡すアマテラスを見ながら思う。

——あっ、やっぱり。また来るよねー。


そして、響き渡るアマテラスコール。

「アマテラスたーん!」

「やっぱり。おじさんと遊びたかったんだね!早く降りておいでー。」

アマテラスの発言を聞いても自分の信念を信じ叫び続ける尊敬すべき先人達。いや…勇者を見て俺は思わず呟く。

「あぁ、自分はなんて馬鹿なんだ俺は愚か者だ!自称神の言葉なんかに怯み何も叫ばないなんて!」

「いや、あの人たちがおかしいだけだから…。」

「違うんだ、妹よ。違うんだ!男にはひいてはいけないときがあるんだ!

あまて——」

「お兄ちゃん?!」

まさに叫ぼうとしたそのとき。

それは起きた。

アマテラスの瞳が黒から黄金色に変わり。よく分からない俺でも凄そうと思う光の渦巻きが可視化する。

光が収束し——。

だが、何も変化しない現状に美優と目を合わせ首を傾げたその時。


「キャーーーー!」


悲鳴が響き渡った。

驚き外に出ると。そこには少しも動かない何人かの男たち。

そう、勇者たちの動きが止まっていた。

文字通り、動きが止まっていた(・・・・・・・・・)のだ。


「え…ぇ?」

呆然とする妹の手を握り、

「大丈夫、大丈夫だ。落ち着け。」

俺が思考をフル回転させ辿り着いた結論は。

あまりに突飛(とっぴ)で。だが、それ以外考えつかなかった。

「え、なんだこれ。もしかしてこれ…魔法?いや、でもそんなまさか!」


その疑問に答えるように。天照は、満面の笑みで応える。

「安心するのじゃ。別にそやつらは死んではいない。話が進まないので動きを止めただけじゃ。妾の話が終わればまた動き出す。」

俺は、いや俺たち(日本人)は舐めていた。甘く考えていた。理解していなかったのだ。神の力を。天照大御神と誰もが知ってる神の名を名のる意味も。


シーンと静まり返ったのを確認すると満足そうに天照は続ける。

「それでは、詳しい説明をはじめるかの。さっきはアホども(変態ども)のせいで詳しく説明出来なかったからの。

さっきも言ったようにお主らには2つの選択肢がある。滅亡するか、抗うか。この2つだけじゃ。

えっと…それでじゃの…」

——え、もしかして…。

「えぇーと…。」

——あっ、忘れたんだね。

焦ったようにアタフタし出したアマテラスを見て、皆が思う。

そして、アマテラスはどうでも良くなかったのか。

「あぁ、もう!めんどくさいのじゃ!これを見ろ!」

空に手を掲げ、スクリーンに映像を投射するように。画像を映し出した。


◇◇◇


⚪︎神託


その1.滅亡するを選んだ場合100年後。日本は地図上からその姿を消えちゃうぞ☆


その2.抗うを選んだ場合、中・高生は全員神が創った箱庭〜AXIS・WORLD〜に旅立って貰うぞ!


その3.旅立つときは意識だけで身体は その場に残るぞ。意識の身体を箱庭に適応するように帰るから、障害がある人も病気の人も何も気にせず動けるよん。やったね☆


その4.そこでは、死んでも死なないけど。痛いのは痛いぞ!死ぬときの痛みって…どんなのだろーね!


その5.滅亡を回避するためには神が設置した“彼方の塔”を1年以内に100階までクリアする必要があるぞ!


その6.1年を過ぎても滅亡しまっす!


その7.これは決定事項なので拒否権はありませーん。


◇◇◇


沈黙がその場を支配した。

あたりにはアマテラスの声だけが響く。

「こ、これは!天之御中主神が書いたのであって妾が書いたのではないからな!そこだけは間違えるでないぞ!」


——恐怖。絶望。悲しみ。

だが、このとき俺たちの心を支配した感情は“怒り”だけだった。

——なにこの、むかつく文章!


そんな中、誰かが叫ぶ。

「おいっ!俺たちが何をしたって言うんだ!理不尽じゃねぇかよー!」

それに、続くように。

「そ、そうよ!私たちが何したって言うの!」

至る所だ非難があがる。


アマテラスはそんな日本人を見渡しその問いに応える。

「お主らが行った、環境破壊。そのせいで地球はもう悲鳴をあげているのじゃ。植物からも動物からも非難が来ており傍観を決めている我らも動くしかなかったのじゃよ。そこで、我らはお主ら人に罰を与えることにしたのじゃ。

その塔の各階に設置されたモノはお主らのせいで産まれた者たちじゃ。お主らの罪はお主らが償え。」


その答えに。だが、尚も誰かが叫ぶ。

「そんなの日本だけじゃないじゃない!他の国には何もないの?!」

「それに、どうして子供達なの?!私たち大人の責任なのに…」

最後の質問に、アマテラスは悲痛な表情を、浮かべる。

「もちろん、他の国はその国の神が同じ罰をくだしてるはずじゃ。

あと…大人じゃと身体を適応させられないのじゃ。日本で、生き過ぎたため無理に変えると死んでしまう。」


だが、まだ納得がいかないのか言い募る人々に、アマテラスは言う。


「だが。この話はお主らに悪いばかりではないぞ。1番最初に彼方の塔をクリアした人には妾たちが何でも1つ願いを叶えようぞ。」

その言葉に皆の目が見開く。

「難病も障害も何でも直そう。大金が欲しいなら与えよう。大人たちの罪を子供に償わせるのじゃから妾たちも相応の対価は用意しよう。」


「「「うおぉぉぉぉー!」」」

歓声が広がる。


「だが、ゆめゆめ忘れるでない。これは夢幻ではない。確かな現実じゃ。お主らにはそれ相応の覚悟と責任が伴う。遊び感覚では決してするでないぞ。」

そして、アマテラスはゆっくりと見渡し。


「流されるように、ただ親の言う通りに生きてきた日本の子供達よ。知力、才能、自分の発想を信じ。自分の力で摑み取れ!

この箱庭での戦いでは、幸か不幸かお主ら皆が主人公じゃ。

足掻け、もがけ。希望を掴め!」


アマテラスの力が渦巻く。光が収束したとき、私たちの手の中にはタブレットのような1つの機器があった。


「中・高生以外の傍観者たちはその機器を使い箱庭の映像を見ることが出来る。

中・高生はそれを使い、情報収集や自分のステータス・スタイルを決めて貰う。まぁ、簡単に言うとゲームの自分のアバターを作るようなものじゃ。その機器に、基礎的情報も入れてるから箱庭に行く前に見ると良い。」



この日、新たな神話が産まれた日を人々はこう呼ぶ。

“輪番の日”と。

ここから。どういう結末を迎えるのか、誰も知らない。

さぁ、新たな神話を紡ごう!最高の結末を迎えるために。



アマテラスちゃん、かわいいー!!

そして、主人公よ、すまん。名前をまだ書いてないね。

後で必ず紹介するから!



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