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約束の灯火  作者: ぐれん
8/8

再会

「「「ワアアアアアア!!!」」」

大歓声が響くコロシアム。

大きな街で人が集まるとは聞いていたが、これほどとは思ってはいなかった。

「んじゃダイちゃん、あとでね〜」

ダイアは相変わらずの無表情でエントリーする俺たちに手を振った。

「ふふふ、楽しみですねぇ」

シアはよだれを零しながら、対戦相手を凝視している。

相手は斧使いのごつい男だったが、その獣の眼光に身震いしている。

「俺の相手は…と」

対戦相手はエントリー時に引くくじ引きの番号によって決まる。

俺と同じ28番の相手はどこにいるのだろうか。

ふと、冷たい視線を感じた。

その気配だけで凍てつくような魔力を感じた。

この中に、ヤツが…いるのか…?


シアVSガルム。

シアの圧勝で決着。

彼はどんなトラウマを植え付けられたのだろうか、想像したくもない。

しばらくして俺の名前が呼ばれた。

対戦相手はヒスイという地元では有名な弓の名手だった。

「見かけない顔だね、初めてかい?」

「あぁ」

「そうか…、でも手加減はしないよ」

穏やかだった表情が鬼神の如く変化し、矢を放った。

矢の威力、スピード、正確さ、すべてにおいて申し分無い。

だが、まだ足りない。

俺は背中から剣を抜くと同時にその矢を避けた。

しかし、ヒスイの弓の動きは止まらない。

残像が残るほどの早打ちで俺を狙う。

俺を横に大きく移動して矢の雨を切り抜けた。

しかし、それも相手の予想内。

第一回戦、リクVSヒスイ。

勝者、リク。


「お疲れさーん!」

シアがさっきの対戦相手、ガルムの頭の上からから降りてきた。

「うん、じゃあ君、また会おうね」

ガルムはヒィとその体格に似合わない声をあげ、逃げるようにその場を立ち去った。

「ふふ、一回戦突破おめでとう」

シアはニコニコしながら祝ってくれた。

苦戦はしなかったが、一撃で終わらせてしまって、相手には申し訳ない。

そして実況席から大きな声が響く。

『31番戦、アルフVSフーマ!』

その名前を聞いた途端に凍り付いた。

シアも先程までの笑顔は消え、警戒体制に移っている。

コロシアム内を見る。

その懐かしい白髪がなびいている。

背中に刺した剣からはただならぬ冷気を感じさせている。

相手は盾剣使い。声をあげながらフーマに近づいていく。

フーマが剣を抜く瞬間、時が止まったかのように思った。

気がつけば、アルフの盾と剣は消え去り、その状態で石のように凍り付いたアルフとフーマだけが残った。

アルフの右腕は完全に凍りきって、そのまま崩れ落ちた。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」

アルフという男は失った右腕を抑え、泣き崩れた。

先程のような大歓声はなく、ただざわざわとざわめきが起きていた。

その時フーマがこちらを向いた。

その顔は、幼少期とはまるで違う。

冷たく、恐ろしい表情でこちらを見ている。

第一回戦 アルフVSフーマ。

勝者、フーマ。



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