再会
「「「ワアアアアアア!!!」」」
大歓声が響くコロシアム。
大きな街で人が集まるとは聞いていたが、これほどとは思ってはいなかった。
「んじゃダイちゃん、あとでね〜」
ダイアは相変わらずの無表情でエントリーする俺たちに手を振った。
「ふふふ、楽しみですねぇ」
シアはよだれを零しながら、対戦相手を凝視している。
相手は斧使いのごつい男だったが、その獣の眼光に身震いしている。
「俺の相手は…と」
対戦相手はエントリー時に引くくじ引きの番号によって決まる。
俺と同じ28番の相手はどこにいるのだろうか。
ふと、冷たい視線を感じた。
その気配だけで凍てつくような魔力を感じた。
この中に、ヤツが…いるのか…?
シアVSガルム。
シアの圧勝で決着。
彼はどんなトラウマを植え付けられたのだろうか、想像したくもない。
しばらくして俺の名前が呼ばれた。
対戦相手はヒスイという地元では有名な弓の名手だった。
「見かけない顔だね、初めてかい?」
「あぁ」
「そうか…、でも手加減はしないよ」
穏やかだった表情が鬼神の如く変化し、矢を放った。
矢の威力、スピード、正確さ、すべてにおいて申し分無い。
だが、まだ足りない。
俺は背中から剣を抜くと同時にその矢を避けた。
しかし、ヒスイの弓の動きは止まらない。
残像が残るほどの早打ちで俺を狙う。
俺を横に大きく移動して矢の雨を切り抜けた。
しかし、それも相手の予想内。
第一回戦、リクVSヒスイ。
勝者、リク。
「お疲れさーん!」
シアがさっきの対戦相手、ガルムの頭の上からから降りてきた。
「うん、じゃあ君、また会おうね」
ガルムはヒィとその体格に似合わない声をあげ、逃げるようにその場を立ち去った。
「ふふ、一回戦突破おめでとう」
シアはニコニコしながら祝ってくれた。
苦戦はしなかったが、一撃で終わらせてしまって、相手には申し訳ない。
そして実況席から大きな声が響く。
『31番戦、アルフVSフーマ!』
その名前を聞いた途端に凍り付いた。
シアも先程までの笑顔は消え、警戒体制に移っている。
コロシアム内を見る。
その懐かしい白髪がなびいている。
背中に刺した剣からはただならぬ冷気を感じさせている。
相手は盾剣使い。声をあげながらフーマに近づいていく。
フーマが剣を抜く瞬間、時が止まったかのように思った。
気がつけば、アルフの盾と剣は消え去り、その状態で石のように凍り付いたアルフとフーマだけが残った。
アルフの右腕は完全に凍りきって、そのまま崩れ落ちた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」
アルフという男は失った右腕を抑え、泣き崩れた。
先程のような大歓声はなく、ただざわざわとざわめきが起きていた。
その時フーマがこちらを向いた。
その顔は、幼少期とはまるで違う。
冷たく、恐ろしい表情でこちらを見ている。
第一回戦 アルフVSフーマ。
勝者、フーマ。