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第25話「もうすぐ球技大会」

大変おまたせしました!年始はインフルエンザでダウンしていました;;

俺は結城を追って部屋を出て、廊下で結城を呼び止めた。


「結城! ちょっとまて」

「慊人……」

「本当に大丈夫なんだな?」


 俺はまだ結城に聞いていないことが一つあった。鴻巣から聞いた皆藤と一緒にいたという件だ。


「なにが? 慊人が何を聞きたいのか判らないよ」

「……お前が皆藤達と一緒にいる所を見たという話を聞いた」


 俺がそう言うと結城は一瞬驚いたように目を見開いた後、気まずそうに目を伏せた。


「たまたまだよ。幼稚園も一緒なんだ、話しかけられることもあるよ」

「新しく出来たお友達とやらは皆藤のことじゃないのか」

「ちがうよ……、違うよ慊人。新しく出来た友達は隣のクラスの田口君だよ」


 そういうと結城は別れの言葉を残して廊下を駆け足で去って行ってしまった。

 田口って誰だよ。


「狗神、隣のクラスに田口って奴はいるのか?」


 俺が声を掛けると、いつものようにどこからともなく狗神が姿を現す。


「はい慊人様、隣のクラスのB組にいますね」

「そうか……」


 田口って奴にも会っておくか?

 いや、これ以上の詮索は結城を逆なでするだけかもしれない。

 くそっ認めたくないがあまり良い事が起きている気がしない。


 正解はどこだ、俺はもう失敗はしたくないのに。




 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




 金曜日、学校は球技大会の話題で賑わっていた。負けず嫌いが多いこの学校は勝負事が凄く盛り上がる。

 とくに俺のクラスA組は、テストの平均点でもこういったスポーツ行事でも負け知らずで、他のクラス以上に勝たなければという意思が強かった。


「慊人様がいれば、今回の球技大会もらくしょうですわね」

「別に俺だけの力じゃないだろう」


 毎月最後の金曜日は委員会の日である。

 4年間体育委員は俺と高比良で固定されている。


「慊人様がそんな謙遜をなさることありませんわ」


 高比良はそう言いながら肩をくっつけてくる。

 馴れ馴れしいし、歩きづらいので俺はすぐに距離を取って会話を続けた。


「謙遜してるつもりはないが、驕るつもりもない」


 自信を持つことは良い事だが、驕る事は得てして良い結果を生まないものだ。

 まぁ小学生に言ったところで判らないだろうが。


 体育の内容は当然球技大会の事であった。

 球技大会は4年生から始まる行事で、学年別にトーナメント形式で行われるそうだ。

 ちなみに種目は兼続の言った通り野球であった。


 くじ引きの結果、男子は一回戦B組対D組。二回戦C組対E組。

 俺達A組はシードだった。


「一回勝ったら優勝か、有利だな」


 俺はシードと書かれた最後に残った紙を取り出しながら呟いた。


「流石慊人様! 運もよろしいのですね!」


 俺がシードのくじを引くと嬉しそうに高比良が一人手を叩いた。

 有利なのはいいが決勝まで暇過ぎるな。

 女子の応援でもしているか。


「慊人! まさかシードを引き当てるとはな、運の良い奴め……」


 C組体育委員の兼続が悔しそうに俺に話しかけて来た。

 わざわざ教壇の前で話しかけなくても、目立つじゃないか。


「別に兼続にならシードを譲ってもいいぞ?」

「ぐっ……、いらん! 運も実力のうちだ! ほどこしは受けん!」


 断るまでの少しの間は何だ、ちょっと迷ってるじゃないか。


「もったいない。俺のクラスに勝てる可能性が高くなったのに」

「ふっ、今回もかなり自信があるようだな、慊人!」


 そうゆうわけじゃないけど、何だかんだ毎回うちのクラスが勝っているからな。


「それならば今回の球技大会。優勝した方が何でも言うこと聞くというのはどうだ!」


 えーやだ、めんどくさい。


「えーやだ、めんどくさい」

「なんだそれは!」


 しまった、つい心の声がそのまま口から出てしまった。


「そもそも野球なんてチームプレイじゃないか、俺達の力だけで勝てる競技じゃない」

「俺も慊人も体育委員で学級委員じゃないか。クラスを纏める力も実力というわけだ!」

 結城のことで頭が一杯で、いまいちテンションが上がらないというのに、こういう時に限ってテンションが高いから困る。


「わかった、わかった」

「その言葉忘れるなよ!」


 兼続との約束のせいで、体育委員会はかなりの盛り上がりをみせ、球技大会当日まで4年生はこの話題で持ちきりだった。

 最終的にC組がA組に勝てば、C組の生徒全員が俺に一つずつお願い出来るという内容に変わっていた。


「違うぞ……」


 なにその条件、こっち不利すぎるだろ!


「慊人……、太っ腹だね」

「違う、こんな約束してないぞ。兼続お前の責任だぞ、どうにかしてくれ」


 放課後のロイヤルルームで、結城に呆れた目をしながらそう言われ、俺は兼続に抗議の声を上げた。


「諦めてくれ慊人、今うちのクラスはかつて無いほど高いモチベーションの中にあるんだ」

「嘘でクラスメイトのモチベーションを保つ奴があるか!」

「まぁまぁ慊人様。やっぱり違いましたってのは難しいよ、今更じゃん。それに慊人様がいつも通り勝てばいい話しじゃないか」


 じゃんって、チーム戦だし、勝負事に絶対は無いんだぞ。

 もちろん負けるつもりは無いが。


「ん?嘉手納、今回はやけに饒舌だな。いつも俺と兼続の戦いは傍観しているだけだったのに」

「そう……だっけ?」

「俺は約束の内容変えて伝えたのはお前じゃないかと今疑い始めている」

「なんのことだか……」


 嘉手納は否定も肯定もせず、視線を逸らして惚けて見せた。

 つまり肯定ってことか。

 それにしてもここに来て、嘉手納が兼続を勝たせにくるとは。

 今回結構ヤバいかもしれないな。


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