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遊び人計画

キートンは部下の衣類を洋服屋に注文して、3千ディルスものポイントを手に入れる事に成功し、洋服屋を経済的に悩ませていた。

ポイントカードで3千ディルスも買い物をされたら店は潰れるしかない。

寒村で一番の洋服屋だが、やっと西方の都に支店を出す事に成功したのに、キートンの気紛れで倒産させられたらたまらないではないか。

「心配するなこれは俺が着道楽をやる為の布石なのだ。折角西方の太守に出世したのだから、リサに睨まれない様に、遊び人を気取るのも悪くない」

それを本人が言う辺り、騙るに落ちてるが、リサは多分信用すると思った。

遊び人の基本は着道楽だとキートンは固く信じている。

「キートン様。どうせなら公爵らしい衣装を、ポイント千ポイントで作らせていただきます。どうでしょうか?我らの負担も減ります」

西方と海洋国家では、ポイント付商品が殆どである。

この店だけポイント無しにしたら、流行らない店の烙印を押されるだろう。

「分かった。最高の衣装を作ってくれ。それとエルシリアの分も頼む」

リサの衣装にも負けない豪華なドレスにするんだぞ。

衣装だけで宴会の客を集め易くなるからな。

「分かりました。ポイント2千ディルス分で2着作らせていただきます」

ファーリは大金持ちなので、プレゼントはしない事にした。

普通の洋服屋の服など、ファーリには似合わない。

ダイヤの都に最高級の服を買い付けるように、モーガンに言っておく。

イナゴ村のギルドの収入は、寒村に密かに送られてきた。

そのせいで最近はイナゴ村で通貨が不足してやや問題になっている。

「今ミスリル硬貨を売り飛ばしたら大儲けだな」

キートンは貪欲に邪悪な笑みを浮かべたが、自分でやるのは止めにした。

どうせ誰かがやるだろうから、のんびりと着道楽に励む事にする。

「エルシリアにファーリ。延び延びになっていた給料だ。5千ディルスで勘弁してくれ。リサの目をくらます、着道楽で予算が足りないんだ」

部下の洋服は用意したし、エルシリアとファーリには、贈り物を注文した。

「贅沢をするにも何から始めたら良いか全く分からん」

着道楽で国民に背かれたら、太守の甘みはまったくないだろう。

国民を怒らせないように、贅沢をしてリサを油断されるのが重要なのだ。

「しかし何をすればいいのだ?ギャンブルもやったが面白くないし」

キートンはリサに睨まれない様に、武器屋に鉄の鎧を注文した。

このゴーレム戦が主流の時代に重騎兵を養成すれば確実にリサは油断する。

ハッキリ言って、時代遅れの軍団だからだ。

ゴーレム兵器も30機に削減しよう。

「贅沢なら、遊郭通いでしょう。あっという間に油断しますよ・・・」

俺の年は13歳だぞ。

遊郭通いなど出来るか?

「キートン様。贅沢は良くないですよ。部下まで贅沢に染まります」

「ご主人様って、金にしか興味のない人だよねぇ」

11月の1日。

着道楽に飽きたキートンは、ファーリとエルシリアに服をプレゼントした。

「私にこれくれるんですか?」

「私は高価な服には興味ないけど」

ポイント千ディルスもつぎ込んで作らせた服はエルシリアには好評だった。

ファーリの服は、980ディルスにケチったのがバレたらしく不評だ。

だって、ファーリの服は現金払いだぞ。

気前良く1千ディルスも支出するほど金持ちではない。

「この服の代金で何人の税収が失われたか・・・」

イリヤが余計な一言を述べて、キートンに睨まれた。

「リサに睨まれる方が、はるかに損害が大きい。あの人が命令すれば、俺達はこの西方で商売が出来なくなるのだぞ」

ドラゴン村に送り込んだ、最強の鶏10羽は、闘鶏場の主に気に入られて、2万ディルスで売れたのだ。

やっと自由に商売が出来るのに、リサの機嫌を損ねて反逆者扱いされたくないし、そもそも金持ってる俺らが贅沢をしなければ経済が動かないのだ。

「心配するな。都を再建するまでの話だ。今リサにちょっかい出されると困るんだよ」

イリヤには、キートンがリサを警戒する訳を理解出来なかった。

まあ仲が悪いのは分かるのだが、もう少し話し合えば良いと思う。

人間は、友情を美徳とする生き物だと聞いた事があるぞ。

イリヤはエルフであるから、人間に警戒心を抱いているが、人間は違うのだろう?

「過大評価だな。人間は物凄く身勝手な生き物だぞ。それと噂に弱い」

何度噂に惑わされた人間の為に、窮地に追い込まれた事やら。

「そうなの?私の聞く人間とは、かなり違う評価だわ」

イリヤが何を過大評価しているのか知らないが、人間は強欲だ。

俺を見れば容易に想像がつくと思うんだがな。

「リサ姫もキートン様も良い人だよ。民衆にとってはだけどね」

多少の血は流れたが、キートンが西方の太守になった。

これからはエルザスには、本当の意味での平和が訪れる。

「戦艦を一隻造らせたら良いと思う。海軍力が不足してるエルザス帝国ならきっと油断するよ。リサ姫は海軍を軽視しているから」

それは良い事を聞いたが、どうやって船を調達するべきか。

「私が造らせようか?5万ディルスもあれば、最高の宇宙船を造らせる」

それを聞いたサキが商売を持ちかけて来た。

ポイント4万ディルス分は使用可能な条件でも、私は構わないぞ。

「サキ殿。それは有難いが、今の俺には一隻しか注文出来ないぞ」

問題は、遊び人が何を目的に、宇宙船を欲しがるのかだが、それは単純に宇宙船が欲しいからで良いのだろうか?

下手すると再び謀反を疑われる。

「大丈夫ですよ。私が最強の宇宙船を造って見せますから。宇宙交易で使用する為の宇宙船ですからねぇ」

キートンはその場で金を支払うと、遊び人を偽装する為に、小銭を持ってカジノへと赴く事にした。

カジノは客を釣る為に、多少は勝たせてくれるから、頃合を見計らえば、それなりの金額が手に入る。

西方太守だから、特別に勝たせてもらえると言うのも確かにあるが。

「今月の税収は230万ディルス程度だったし、贅沢していいのかな?」

キートンの贅沢に疑問を持つ部下は、辞職願を提出して、軍隊は2万1千人にまで減少したが、キートンは新たな使用人を雇ってこれに対応した。

キートン派の戦力低下は、リサの下にも届き、たしなめる書状が届いてる。

ここで逆らうと逆効果だ。

お叱りをうけてから一月位までは、真面目に仕事をする事にしよう。

リサ姫に怒られたから、真面目に仕事している形を取れば、流石のリサも理不尽な苦情は言い出せないだろうし、キートンも安心なのだ。

「都の人口はどの程度増加している?2千人位か・・・」

「いや、都の総人口は10万人位です。都で商売したい人間は多いのです」

イリヤが都の状況を説明した。

「キートン様のここ1ヶ月の遊興費2万ディルスがあれば、もっと多くの民衆が救われたと思いますが、仕方のない事なのですね」

イリヤの嫌味にキートンは怒ったがここでイリヤを叱るほど子供じゃない。

「軍団を2万人に絞り込む事にする。平和な時代に軍隊入らない」

それと都の犠牲者の慰霊祭を行うように命令した。

馬頭の部下の暴走による、都爆破事件だが、キートンは遺族に保証金を出す事にした。

それなりに好評であり、都の遺族もキートンに忠誠を誓っている。

下手に逆らって、災難に巻き込まれるのはもう沢山だと言う事だろう。

11月2日。

キートン主催の慰霊祭が終わり、西方の改革に乗り出す事にした。

最近キートンの贅沢が好評で、寒村と都でそれなりに好景気だ。

贅沢の効果があるうちに、次の策を講じないと意味がない。

「港町の整備を行いたいと思う。ドラゴン村に支持せよ」

その日の昼にドラゴン村のミシェリアに通達が出された。

キートンなどに言われるまでもなく、港の整備はやる予定だが資金がない。

ドラゴン村を無税の村にしたのが、間違っていたかもな。

「資金は寄付金で何とかしましょう。我々の元に寄付してくれるか分かりませんが、こうなったら寄付しか道はありません」

キートン村Aと寒村の税収は230万ディルスだったらしい。

絶対にキートンは資金を送ってくれないだろう。

「一揆でも起こすか?あの遊び人についていけるか・・・」

ミシェリアは不遜な考えを胸に抱いたが、寸前で思いとどまった。

それでは再び西方に大乱が起こるだけだ。

「ミシェリア様。キートンの奴に従うのですか?」

あの遊び人に政治をさせておくと、どれ程の国費が失われるか分からない。

「キートンがリサに睨まれない様に遊び人を気取ってるのは分かるんだが」

それにしても、戦争が終わった西方で遊び人太守では、西方の民の反感を買うような気がするのだが、まあ仕方ないのだろうな。

「キートンの方針には逆らうなよ。だが遊び人だけは真似するな」

主が贅沢をすると、部下も真似し始めるから問題なんだよ。

「キートン様にはたっぷり予算を要求する。港がまさか2ヶ月で拡張出来る訳はないから、50万ディルス位、チビチビせびれば・・・」

このドラゴン村もキートンの領地だったから、返還要求来ると思うな。

ゴブリンの入植は控えておこう。

キートンに媚びへつらう事に、リサが決めたからには、下手に入植者を増やすと何かとやばい。

西方が安定したら、絶対私を追い出そうと画策するに決まってる。

それが分からぬほど愚かではない心算だぞ。

「ゴブリンの入植は当分中止だ。キートンが領土返還を要求するだろうからな。入植済みのゴブリンも、金貨数十枚で本国に送り返せ」

ゴブリンの方も、故郷を人間に追われるなど良くある事である。

駄目なら駄目で諦める哲学を持っている。

大人しく違約金を持って、故郷に帰って行った。

「リサ姫にいつか文句言ってやる」

あの気紛れなリサのせいで、部下は非常に困るが、確かにキートンを飼いならせるなら、飼いならした方が世の為、人の為だ。

「ミシェリア様。我々は加増の望みはあるんですか?」

エルザス帝国でゴブリン自治区を貰って以来、加増は殆どない。

よって人口は余り増えないのだが、これは仕方ないだろう。

「あの遊び人に追放される前に、手柄を立てないとな」

無能をアピールする為に、私を追放しようとするかもしれない。

キートンには用心しようと密かに心に誓うミシェリアだった。





遊び人は、待望を隠す英雄なら、一度はやると思います。

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