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キートン派反乱兵のゴーレム

5月1日に、やっと準備を整えたネトゲ廃人は、ドラゴン村、トロール村を併呑していたキートン派のゴーレム部隊と衝突して大勝利を収めた。

ネトゲ廃人の部隊は、慎重にキートン村を包囲すると、人質解放の交渉に走るが、キートン村将兵は、聞く耳持たずに徹底抗戦を繰り広げる。

ゲームで鍛え上げた日本人傭兵が、しぶとくドラゴン村でゲリラ戦を繰り広げており、ネトゲ廃人の精鋭部隊を足止めしていた。

この好機を狙って、西方共和国が海洋国家との国境線を容易く突破。

兵の少ない国境守備隊は、苦境に陥る事になるが、キートンは動かない。

「何だと?キートンの奴。日和見を決め込む心算なのか?」

本人としては、大人しく謹慎している心算らしいが、エルザス帝国首脳部に誤解と偏見が広まる、今日この頃である。

「どうしましょう?イナゴ村を急襲してみますか?今ならキートンも油断して、金儲けに励んでいる事でしょう」

最近戦争にいかないエルザス兵を説得していたが、この戦いが終わったら、今度こそ平和になるだろうかと、リサは考えている。

この戦争が終わったら帝位を退いて、釣りでもしながらのんびりと余生を送る事にしよう。

最近リサの病気が、やや重篤化しておりこれ以上の公務には耐えられない。

ルーシェリーを呼び戻して、皇帝に即位させるか、追放したエリーに任せてしまうべきか、家臣と話し合うと、止められてしまうので唐突にだな。

「姫。戦況は思った以上に悪いですぞ」

側近のアトルピーが、リサに忠告したがリサは使える2個師団を国境に展開させただけだった。

「ネトゲ廃人の部隊は、真一を救出出来ないのか?」

リサは使えない部下に肩入れするのは止めて、ギャンに新型ゴーレムを造らせようかと思ったが、寸前で思いとどまった。

少ない人材を、これ以上浪費する訳にはいかないのだ。

「撤退するべきでは?当初の目的は果たしました。後は外交交渉で我々に有利な条件で、平和条約を結びましょう」

兵は使い物にならないし、これ以上戦争を続けたら家臣の謀反でこの国は滅ぼされるだろう。

「真一様を救出する事は、ネトゲ廃人には無理だったようだな」

リサはネトゲ廃人に失望した。

もう少し使える兵団だと思って、重宝していたのだが・・・。

まあキートン村のキートン派は日本と交易をしているからな。

日本のゴーレム部隊が、エルザス帝国のそれより強力な可能性はある。

「どうすればいいのだ?我々のエルザス帝国がこんな弱い兵だとは」

ミシェリアとアミアスは嘆く事しきりであった。

エルザス帝国はもう少し過大評価していたのだが、西方の反乱を押さえられないのは、リサの能力では西方は治められないだけの話である。

「領地を切り取り次第くれるなら、今度は私が西方に行って見る」

ゴブリン族の勢力拡大のチャンスを、見逃す事などできるものか。

無能なリサに代わって、西方の覇者になるのは、このミシェリアだ。

「真一の救出も最低限の条件だぞ。望み通りにしてやろう。西方の太守はミシェリア殿だ」

「やったぞ。ファーリには多分勝てないが、キートンの名を騙る偽者など怖くはない。出陣して西方にゴブリン族の自治区を創るぞ」

ミシェリアとアミアスは早速部下を西方国境に展開させると、敵の黒いゴーレムを散々に打ち破った。

何の事はない、飛べないゴーレムなど罠を仕掛けて動けなくすれば一網打尽にして、ゆっくりと料理出来るのだ。

リサの様に、ゴーレム同士の決闘で決着をつけるから上手くいかないのであるが、国境線に仕掛けた泥濘の魔法で黒ゴーレムは完全に戦力を失った。

「それ。パイロットを引きずりだして降伏させろ」

「動けないゴーレムなど石でも破壊出来るぞ」

ゴーレムに群がって偽キートン軍のゴーレムを石で殴り続け、降伏させた。

「お願いだ。助けてくれ」

「俺達は雇われただけだ」

そんな言い訳が、誰に通じると思うのか知らぬが、多分私には通じない。

リサ姫にさっさと引き渡して、褒美を貰おう。

「お前らはリサ姫に引き渡す。最近のリサ姫は容赦ないから、命が助かるような期待はしない事だ」

「・・・」

脱走の機会など与える心算はないから、逃げる気なら諦めろ。

良くて惑星Bで強制労働だが、分かっていて反乱を起こしたのだろう?

「黒ゴーレムは修理してこちらで使う。ティミッド00は来ないのか?」

まあエルザスの最新鋭ゴーレムが、そう簡単に使いこなせる訳ないが。

「キートン村を総攻撃しろ。この地域にゴブリンの楽園を築くのだ。

ミシェリアは、黒ゴーレムを修理すると、5月5日に総攻撃を仕掛けた。

「偽キートンの牙城を攻略して、反乱軍を永久に滅ぼすのだ。

偽キートン派は、ティミッド00を3機動員して抵抗したが、所詮は空戦型ゴーレムである。

黒ゴーレムの直接攻撃には耐えられないだろう。

「真一様。偽キートン派に脅されて、ゴーレムを造ってしまったのか」

まあそれならそれで、対策は幾らでもあるが、このパイロット不慣れだ。

「くたばれ、民を苦しめる暴君の手下よ」

ティミッド00の動きが遅い。

真一の方が、確実に使いこなせていた。

「訓練不足の兵を戦場に送り届けるんじゃないよ」

ティミッド00三機を一撃で黙らせると、パイロットを引きずりだして、鹵獲したが、このゴーレムを使いこなせるパイロットがいない。

「ミシェリア様。キートン村は陥落しました。真一は行方不明です」

「何としても探し出して救出せよ」

真一を救出しなければ、ゴーレム技術が敵方に渡ってしまう。

「何故真一は、魔法で脱出しないのでしょうか?」

多分魔法封じの結界でも張られているのだろう。

「偽キートン派は、ドラゴン村かトロール村に逃げ込む筈だ。」

そうしてくれないと、探索部隊は非常に困る。

「キートン派のゴーレム製造技術は恐ろしく高いですねぇ」

ミシェリアの部下は、取り合えずドラゴン村とトロール村を包囲し降伏させたが、真一は見つからない。

「西方共和国に連れて行かれたのではないでしょうか?」

だとしたら一大事だ。

我々の武力では、西方共和国は倒せない。

「ネトゲ廃人の部隊と合流して、真一を探したらどうでしょう?探索はラビット少尉にお任せして」

リサ姫の諜報部隊の司令官であるラビット少尉が私の命令で動くか?

「リサ姫にとって真一は夫であり、ルーシェリー様の父親です」

見捨てる訳ないじゃないですか。

必ずラビットに探索命令をくだしている筈です。

幾らリサが暴君でも、自分の娘と夫は見捨てないだろう。

「それなら我々は占領地を保持しながら、民の心をつかむべきかと」

5月7日にドラゴン村の税金は無税になった。

ミシェリアにとっては、食料さえ調達出来れば金など大した問題ではない。

「今まで苦労をかけた詫びだ。西方で私の領民になった者には、全ての税金を免除する事にする」

エルザス帝国本国に送る税金は、商売で稼がせてもらおう。

「ホントですか?魔族の姉ちゃん」

「やっとこれで西方も豊かになれる」

この初歩的なゴマすりが、案外民衆に効果的だった。

偽キートン派は取り合えず大人しくミシェリアの支配をうける事にする。

「早速本国から食糧と生活必需品をドラゴン村に送り込み、ミシェリアは軍資金を蓄える事にした。

税金は徴収しないが、賄賂は受け取る。

税金無しの国にとって、賄賂は貴重な収入源なのだ。

寄付金も貴重であるから、民衆のご機嫌取りに勤めないといけない。

「ミシェリア様。これを皆で食べてください」

「このおにぎりとパンを、寄付させていたたぎたく存じます」

貧しいドラゴン村の住民が持ってくる食べ物もミシェリアには有難かった。

ゴブリンには、金貨を溜め込む趣味があるから、経済は良くならない様だ。

それなら税金を無税にした方が、金貨を手に入れようとミシェリアの部下が画策しだし、経済が動くと言う訳である。

「給料は食費に使わなくていいから、金貨が貯まり放題なんですよね」

ゴブリン達も、このドラゴン村が気に入ったようだが、最近は守備兵と村の用心棒を兼任している。

「ミシェリア様。未払いの給料支払ってください」

一部のゴブリン兵が、ミシェリアに苦情を言い出した。

給料未払いの兵がどうやらいたらしい。

税金を取らないのはいいのだが、未払いはちょっとな。

「分かってる。ちゃんと支払うから安心しろ」

ミシェリアは部下に約束してやった。

兵を動員して商売に励もうと誓った。


5月15日。

「何だと?俺の名を騙って反乱を起こしただと?」

キートンが激怒していた。

破門だ。

そんな奴は俺の領民とは認めん。

全員破門である。

エルザス帝国に全員引き渡せ。

「おっ落ち着いてください。彼らを引き渡したら、我らの評判ががた落ちです。ここは我慢してください」

「反逆者を見逃せと言うのか?ふざけるんじゃない」

キートンは、税収4万ディルスと、寄付金80万ディルスを確保していたが機嫌は最悪であった。

これでリサからどんな理不尽な罰をうけるか想像がつかないほど、キートンは愚かではない。

多分想像を絶する罰を要求されるだろう。

「ドイツもこいつもどうして俺の足を引っ張るのだ?」

罰として、イナゴ村を没収されたら、我々は終わりだぞ。

「それはないと思いますが、リサが何を要求してくるか見ものですね」

ファーリとファリを敵に回したくはないから、西方が片付くまでは、イナゴ村は没収してこないだろう。

やるとしたら、西方が片付いたその時だ。

「キートン様。こうなったら謀反の旗揚げをするしかあなたの生き残る道はありません。キートン村の残党は逃がしてしまいましょう」

領内にいるところをリサ派に抑えられるのは、何かと不味いのだ。

「エルシリア。俺は例えリサに首をはねられても謀反などしない」

キートンはこうなると頑固な少年だが、リサも分かっているようだ。

リサから下された罰は、リサ派が占領した寒村1つを与えられた。

謀反の容疑がかけられて、領地がもらえるなんて、典型的な位攻めだが。

「それだけか?」

もっと重い罰を予想していたキートンは拍子ぬけた。

だが対策は考えておくべきだろうと、キートンは思う。

「リサの奴。どうせ厄介な領地を与えて財力を削ぐ計画なのだろうが」

甘いんだよ。

キートンはリサの要求を受諾する返事を使者にすると、寒村を統治するべく部下を派遣する事にした。


気力が萎えて、今日中に二回目の更新出来そうにありません。

小説は体力勝負なので。

すみません。

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