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7章 西方動乱

4月9日に、真一がティミッド00を運んで西方国境に赴任して来た。

幸運な事に、西方は軍隊は国境に展開したが、攻撃は仕掛けて来ない。

「助かった。兵士諸君。西方奪回の兵を挙げるぞ。我々は挙兵する・・・」

「リサ姫万歳~。本国の腑抜け兵に代わって、俺達が帝国を牛耳るぞ~」

この夜、エルザス帝国の兵士達は、西方共和国の国境を襲撃した。

「独立を認めておきながら、夜襲するとはこの卑怯者が~」

「邪神教徒の罰が当たるぞ。お前ら」

西方邪神教徒の数少ない信者が、最高大司教の直属の手下を批判した。

西方共和国のゴーレム部隊は、ティミッド00によってアッサリと壊滅させられたが、主力部隊は近くの街に立て篭もって交戦を続けた。

「エルザス兵が攻め込んで来たぞ。俺達も戦おう」

領土拡大の野心に燃えている、ドラゴン村は、このドサクサに近隣諸国へ攻撃をかけ始めると、弱そうなゴーレム兵器を鹵獲し始めた。

このドラゴン村を財政面で補佐しているのが、セクハラ反対派である。

ドラゴン村の代表は、3万の兵をかき集め、エルザス軍を背後から襲った。

「ドラゴン村が参戦してきたか。ティミッド00で殲滅してやる」

真一のティミッド00と、陸専用ゴーレム部隊は方向を変え、ドラゴン村の軍隊と決戦に及んだ。

ドラゴン村の兵士団は、ドラゴン村に立て篭もり抵抗を続ける。

真一の軍隊を引き付ける役割のようだ。

「突撃しろ。敵の鹵獲を恐れるな。ティミッド00に勝てるゴーレムはエルザス帝国には存在しないし、近隣諸国に生産出来る筈はない」

エルザスのゴーレム部隊は無敵である。

どんな敵でも必ず滅ぼしてきた。

「徹底抗戦しろ。俺達が持ちこたえれば、西方共和国は反撃が出来る」

そんな事になる前に、ドラゴン村を滅ぼしてやるから安心しろ。

お前らの世は絶対に来ない。

もし来るとしたら、キートンの世だろう。

リサが怯えるので、本人の前では言えないが、あの男かなりの器だ。

「ドラゴン村の代表を捕らえろ。代表者を捕らえるんだ」

真一はゴーレム部隊を動員して、1日の激闘の末、ドラゴン村を制圧した。

4月10日に、トロール村とキートン村も包囲する。

「武器は幾らでも集める。エルザス帝国に徹底抗戦するんだ」

「あの貧困生活に戻りたいのか?

多少暮らしは良くなったが、ゴートン統治時代と余り変わらない状況だ。

別に平和なら、エルザス帝国の支配下でも問題はない。

「この非国民がぁ」

セクハラ反対派の幹部が、ドラゴン村の幹部の武力を背景に、恐怖政治を行っているが、住民には関係のない事だ。

強そうな奴につくだけである。

「今なら寛大な処分を下してやる。武器を捨てて全面降伏しろ」

真一は軍勢をトロール村に集結させ、この村から滅ぼす事にした。

「何としても守り抜くんだ。西方共和国が補給の兵を送ってくれる」

西方共和国は、国境守備隊を叩くのに一生懸命でそんな余裕はないのだが。

そのうちに食糧は尽きてきた。

4月12日。

食糧の備蓄を全く怠っていたトロール村は降伏して、ドラゴン村の反乱軍は根こそぎ鎮圧されてしまった。

キートン村で4月15日に、民衆の武装蜂起が起こった。

「キートン様をキートン村の太守に」

「キートン様こそ我等が村の本当の太守様だ・・・」

ファー利の故郷の泉を守り、武力を蓄えていたキートン派西方拠点はついに蜂起して、キートン共和国の樹立を宣言した。

「何だと?キートンが反乱を起こしたのか?」

冤罪であるが、真一はキートンの謀反を疑った。

「おのれ。リサの部下でありながら裏切るとは絶対に許さん」

だが、西方を叩きのめすまでは、キートンを怒らす訳にもいかなかった。

「必ず反乱軍をぶった切れ~。リサに逆らう者は皆殺しだぁ~」

キートン村に軍隊を向けた真一は、キートン村の6百人の反乱軍と戦う事になったが、キートン村の抵抗が激しく、一撃で攻略出来なかった。

「真一様。敵軍のゴーレム隊が思ったより強力で、侵攻できません」

こうなったら火をかけて炙り出してから叩くか?

「真一様。西方共和国に向けた兵団が国境に押し戻されました」

畜生。

もう少し持ちこたえられるかと思っていたんだが、我が軍を過大評価していたようだな。

「ティミッド隊は国境に戻り、西方共和国軍を打ち破る。殿は俺一人で十分だから、お前らは国境を守れ」

真一のティミッド隊と陸専用ゴーレムは、西方共和国相手に引き上げた。

「どうせ俺達が引き上げたら、残党が蜂起する計画なんだろうが」

そんなに上手くいくものか。

ディミッド00一機あれば、お前らのゴーレム隊など一ひねりだ。

「思い上がりはその身で後悔させてやる~」

キートン村のゴーレムの決死の攻撃で、アッサリとティミッド00の飛行システムが破壊された。

やはり性能テストはやってから実戦配備するべきだっただろう。

「な?何でこんなボロゴーレムの一撃で飛行システムが破壊される?」

それは多分ゴーレムの性能を過信しすぎていただけだ。

「俺の最高傑作が、お前らの駄作などに負けるかぁ・・・」

さっさと逃げればいいものを、真一は敵ゴーレムに突撃した。

これでは流石の最強ゴーレムも勝てる訳はなかった。

「真一。覚悟しろ~」

「お前を捕らえてエルザス帝国のゴーレム技術を根こそぎ聞き出してやる。

こうなるから、勝てないなら逃げるべきなのだったが、真一も長年実戦から離れて、戦争の駆け引きを忘れたらしい。

致命的なミスを犯した。

勝手の同志ひとみのミスより重大なミスであろうと敵ゴーレム隊は思う。

「エルザス帝国も真一さえいなくなれば、ゴーレムの生産競争で俺達は負けはしないぞ。ギャンとひなたとまどかは真一よりは平凡な才能だ」

ふふっ。

キートン村の新型ゴーレムの能力を甘く見たのが運のツキだな。

何の勝算もなく反乱に立ち上がったと思うのか?

お前のゴーレム技術と、ついでに身代金として、ドラゴン村とトロール村を奪回してやる。

真一はリサの夫だし、見殺しにする訳にはいかない筈だ。

「お前らなどに、最高のゴーレム職人の俺が負けるかぁ・・・」

真一が無駄な抵抗を続けるが、遠隔攻撃で少しずつ弱らされ、ついに真一はキートン領の反乱軍に降伏する。

「畜生お前らをなめてかかったのが、全ての敗因だ・・・。

不覚だが、こうなったら捕虜交換の時を待つしかない。

まさか新型ゴーレムを鹵獲された挙句に、敵の捕虜になるとは・・・。

自決して、恥をそそぎたい気もするが、痛そうだから止めておく。


「何だと?あの馬鹿。負けそうなら逃げろとあれ程言っておいたのに」

よりにもよってホントにティミッド00を鹵獲されるとは、私にどうしろと言うのだ?

ティミッド00より高性能なゴーレムは、エルザスには存在しない。

「トロール村とドラゴン村を引き渡して開放してもらってはどうでしょう」

フォートレスがそう申し出たが、リサは首を振った。

「出来ればあんな奴見殺しにしたいところだが・・・」

でもそれは出来ない。

あんな優秀なゴーレム技師を見殺しに出来る訳はないだろう。

それに真一を見殺しにしたら、エルシリアが悲しむ。

「何故そこで、反逆者のエルシリアが出てくるのですか?」

そう聞く者もいたが、どうせエルシリアの正体など、誰でもわかっている事だ。

言う気は微塵もないけど。

「兎に角ネトゲ廃人に命じて部隊を派遣しろ。真一さえ無事なら、ティミッド00など、どうなっても構わない」

「分かりました」

そして早速ネトゲ廃人に命令が下った。

「そなたは、全軍を率いて真一を救出しろ。ティミッド00はどうなっても構わないそうだ」

兵を展開するのに5日はかかりますよ。

国境砦で、一度補給をしないと墜落してしまうからな。

「俺はキートン領の真一様を救出すればいいのか?」

そうです。

そうすれば、西方太守に任命しても良い。

「西方太守ねぇ。確かに、ニートのネトゲ廃人だった俺にとっては、西方太守になって、栄耀栄華を極めるのも夢なんだが」

でも俺に国の太守など勤まるかなぁ。

無理だと思う。

嫌、絶対無理だ。

「俺にディールギス0一機ください」

報酬にディールギス0を一機を要求する、ネトゲ廃人であった。

あのディールギス0なら、俺にとって最高のゴーレムだ。

一度操縦してみたかったんだよ。

エルザスでも最高クラスのゴーレム乗りじゃないと操縦出来ないあのディールギス0を操縦出来たら、俺の武将の格が上がる。

「その為にも真一は必ず救出しないとな」

救出するまでに、ゴーレムを何機か造らされてる可能性もあるから、手柄の立て放題かも知れんが、その辺のゴーレム乗りに負ける俺ではない。

「フォーレス卿。報酬ケチったら、俺はキートンに寝返るからそう思え」

元々俺らは日本人だ。

日本も立憲君主制の建前だから、陛下に従えないなら、エルザスを裏切ったって、所詮は同じ事である。

一度裏切った人間は、二度三度と裏切り続けるものなのだ。

「キートンにエルザス以上の報酬を出せるとは思えませんがね」

「俺は報酬の為に戦っている訳ではない。エルザスと日本の平和の為に戦っているんだ」

俺達はリサの私兵ではないのを、断じて忘れるな。

そう言えば、あの瞳は総理の後をついで、国会議員の圧倒的な支持の元、政治家になり、総理になったらしいが、西方共和国に物資を提供して、ガメツク儲けているようだ。

まさか西方とエルザスが敵対するとは、読めなかったのだろう。

一応抗議しておいたが、政治家の立場上輸出を中止出来ないのも分かっているから、下手に追い詰めると、エルザスの敵になること間違えない。

そう考えると、エルザスの統治も薄氷を踏む思いだった。

いつ崩壊するか分からぬ統治機構なのだ。

「分かってます。それから万一ファーリかファリが関与してるのが分かったら、無駄な抵抗は止めて国境守備隊に待機せよ。お前達では勝ち目はない」

一度勝負させてもらいたいなと思ったが、部下の損耗を恐れるリサ達の心遣いに素直に感謝する事にした。

「では早速出陣するぞ。真一を救出して、褒美をいただくのだ」

野心に燃えるネトゲ廃人と手下の怒号と歓声がどこまでも響き渡っていた。




相変らず文章力がない・・・。


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