遭遇、水晶竜!
山道の中腹、少し膨らんだ広場のような場所。
雪が結構積もって、走りにくい場所でもあった。
俺達はそんな場所で、最悪の状況とぶつかってしまったんだ・・・
「「「「ダイヤモンドドラゴン・・・・・・!!!!!」」」」
ダイヤモンドドラゴンーー。
希少価値もさることながらその狂暴さもとんでもなくて、
世界基準鉱獣位「A」を持つ竜。
もちろん元をたどれば希少鉱石ダイヤモンドの鉱獣。
こんなの教科書でしか見たことない、いわゆる「伝説」・・・。
すべてを焼き払う炎の息や、何でも切り裂くダイヤモンドの爪、牙。
鋭利に粉砕したダイヤモンド製のカッターを飛ばしてきたり・・・
もうむちゃくちゃ。上級騎士が10人いても勝てないらしい。
最悪だ・・・。
「と、とりあえず・・・」
カノンがそういったかいわないかわからないうちに、
全員が駆け出す!!
「逃げろおおおおおお!!!!!」
さっきテツコドラが出てきた洞窟に、全員が駆け込む。
ダイヤモンドドラゴンと比べたらテツコドラなんてレベルが違う!!
俺達は全速力で洞窟に駆け込む!
ダイヤモンドドラゴンが大きく息を吸う。
やばい・・・これはもしかして・・・!!
「ブレスだああああ!!!!」
ドラゴンの口から見たこともないような真っ赤な火の玉が飛びだす。
それはぐんぐん速度をあげて俺達との距離を縮める!!
「もうだめだあああああああ!!!!!」
死に物狂いの四人が一斉に洞窟に転がりこむ。
その直後、頭上で爆音が鳴り響いた。
「・・・・・・・・・・」
なんとかよけることはできたけど・・・
「いったたたた・・・ここどこよ・・・?」
「暗くてなんも見えないよー、カノンちゃんライトー」
「あ、うん」
カノンがライトを照らした先。
そこは、俺達がみたこともない世界だった!
「すごーい・・・きれい・・・」
白色のライトの光に反射して、幾色もの光が俺達を照らした。
目の前に広がっていたのは・・・見たこともないくらいきれいな鉱石が壁中に埋まっている光景!
「すごいわね・・・ポポ鉱山にこんな穴場があったなんて・・・」
「最深部にいかなくてもすみそうだねー!」
本当にきれいな光景だった。
小さな光が回りの鉱石によって大きな光になる。
カノンの持ってるライトが、鉱石の光を強力なものにする光石ってこともあってか、
より輝いていた。
感動してる俺をよそに、ディンゴとナナとカノンは、自分の気に入った鉱石を探すのに必死だった。
「ロマンとかあったもんじゃないなー・・・」
俺も探すかなーとか思ってると。
ひときわ大きな輝きを見せる鉱石が俺の視界にはいった。
手にとってみる。青い鉱石だ。
でもその青は、普通の青じゃない。
海の奥の青のように、吸い込まれるような・・・
引き込まれるような青だった。
俺はこれにしようかな。
こんな感動する石もそうないし。
と、まあ。
こんな穴場で全員が鉱石を探っている間、
早くに自分のを見つけてしまった俺はかなり暇だった。
この石が俺だけの鉱獣の元になる・・・
そう思うだけで、胸がいっぱいになった。