伝えたくて。
「ふあぁ~ふぅ。」
午後の授業中睡魔に襲われている私。
翔花は熱心にノートに書き写している。そんな姿に見とれてしまう私がいた。
事件があったにもかかわらず、生徒も教師もかわりはない。
かわってしまったのは私だけだろうか・・・。
そんな言葉が頭をよぎった。
コンッ。
「いったぁ!」
頭を上げると先生が私を睨んでいた。
「心愛さん。授業中なんですからちゃんとノート取りなさい。」
みんなが私のほうを見てクスクスと笑っていた。
一方翔花は必死にノートとにらめっこ中だ。
そんな翔花が愛らしい。大好きだ。
この好きは友達としてじゃない。恋人になりたい。ひとつになりたい。
そんなことばっかり考えていると、ふと翔花と目があった。
「どうしたの?心愛」
「ん?あぁ。なんでもない。」
「そう。ちゃんとノート取りなさいよ。来年受験生よ。」
「えー。いいよ。翔花のノート写すから^^」
「いやよ。自分でうやらないと身につかないわよ。」
「うー。けちぃ。」
「けちで結構。」
コソコソはなしているうちに午後の授業が終了した。
掃除の時間も帰りの会のときも頭の中にいは翔花がいた。
よし。思い切って気持ちを伝えてみよう。
そう決心した。
終了を知らせるチャイムがなり、生徒たちは次々と部活へいくため教室を後にしていく。
「しょ、翔花。ちょっといい?」




