チョンセの謎と韓国不動産の法律⑦
「伝貰詐欺」というのある。
新聞などの報道をよると、
被害者は入居者、
加害者は家主である。
つまり「伝貰返還トラブル」の延長である。
しかし、良く調べてみると、どうも変なのである。
加害者側の家主が、ちっとも儲かっているようには見えないのだ。
普通詐欺って言えば、騙した方は儲かってるものだ。
それがこの伝貰詐欺においては、
騙した家主側に返す金がないのだ。
そしてこれ、騙したとされる家主も自殺している。
つまりどっちも被害者なわけだ。
更に、騙しのトリックなるものも見当たらない。
これは果たして「詐欺」と言えるのか・・・?
つまり、本当の加害者は、政府なんじゃなかろか。
それでは、どんな「詐欺事件」なのか、見ていこう。
まずはこのブログを見てほしい。
「ヴィラ王詐欺事件」である。
https://by-them.com/457370
ソウル市に住むとある新婚夫婦は手頃な物件を探していたところ、
チョンセ保証金2億ウォン(日本円で約2000万円)の
「新築ヴィラ(低層の集合住宅)」を紹介されました。
その新築ヴィラは同時に分譲としても出されており、
分譲価格もチョンセ価格と同じ2億ウォンでした。
通常、チョンセ保証金は分譲価格より低く設定されることが一般的なのですが、
不動産価格の高騰とチョンセ物件の減少が加わり、
当時新築ヴィラのチョンセ保証金が分譲価格と同一に設定されることも珍しくありませんでした。
また、その物件の登記簿謄本に銀行からの借り入れや、
差し押さえなどの記載は一切なかったことと、
オーナーが直接「保証保険(チョンセ契約終了時に貸主が借主に返還する賃貸保証金の返還を保証する商品のこと)」に加入するという条件での契約だったため、
安心して保証金2億ウォンのチョンセ契約を交わしたそうです。
契約→残金支払い→入居と問題なく進んだのですが、
実はこの夫婦が入居した日に、
ヴィラのオーナーが変わってしまいました。
オーナーがその夫婦が住むヴィラを売却したのです。
ちなみに、住んでいる家のオーナーが変わることは珍しいことではないので、
夫婦は特に不審に思わなかったとのこと。
夫婦は契約満期2カ月前に新しいオーナーへ契約満了希望の連絡をしたところ、
新しいオーナーは「自分は信用不良者になった。金(返金する保証金)はない」との一点張り。
その後は、電話にも出ない状況になってしまったそうです。
しかもこの新しいオーナーは「保証保険」には加入しておらず、
さらに新しい登記簿謄本には「差し押さえ」の文字が。
なんと新しいオーナーは夫婦が住むヴィラのほかに、
1,139もの物件を所有しており、
総合不動産所得税など63億ウォンが未納状態になっていたのです。
こうして、夫婦は保証金2億ウォンを受け取ることができない状況に陥ってしまいました。
この新しいオーナーはお金もないのに、
一体どうやって1,139もの物件を保有することができたのでしょうか。
これは新築ヴィラの「分譲価格」と「チョンセ価格」が同一という点がポイントになります。
夫婦が最初に契約を交わした元オーナーを「A氏」、
入居した被害者を「B夫婦」、
新しいオーナーを「C氏」とします。
A氏は全10戸の新築ヴィラ(集合住宅)を建てました。
A氏は10戸をすべて売却したいのですが、
売却となるとなかなか買い手がつきません。
そこでA氏は売却するのではなく、
チョンセで入居者を募集しました。
チョンセ物件は人気があるので、
すぐに入居希望者が見つかりました。
「B夫婦」です。
A氏はこのB夫婦と保証金2億ウォン(約2000万円)のチョンセ契約を結びます。
B夫婦は保証金2億ウォン全額をA氏へ支払い新築ヴィラに入居します。
それと同時に、A氏はC氏へこの物件を売却しました。
売却価格と、チョンセ価格が同一のため、
A氏(売り手)とC氏(買い手)の間には支払いが発生しません。
なぜなら、
A氏(売り手)がC氏(買い手)から受け取らなければならない売買価格「2億ウォン」は、
すでにB夫婦からA氏へ支払われているため、
売買契約時のA氏とC氏の間の支払いを省略することができるからです。
その代わり、C氏は契約満了時、
賃借人であるB夫婦へ2億ウォンの保証金を返金しなければなりません。
しかしC氏にはB夫婦へ返金する保証金2億ウォンがない。
ここで問題が発生したのです。
このような手法を繰り返し、
「C氏」は無資本で1139ものヴィラのオーナーとなったのです。<
この解説を聞くと、カニには3つの疑問点が浮かんだ。
一つ目は、保証保険というのは、普通、借家人が入るものではないのか?
二つ目は、この入居者は登記簿を確認してるが、抵当権は付いてなかった。
ならば競売すれば伝貰権が未登記でも優先的に弁済が受けられるのでは?
三つ目は、最初の建築主Aは全10戸のヴィラを建て、そして入居者Bは、
そのヴィラの1戸に入居し、AはBの部屋だけをCに売った。
つまり、世帯数10戸のヴィラを区分所有10戸に分けて1戸だけ第3者に売却した事になる。
アパート1棟を建てて、1部屋づつ伝貰で貸して、伝貰を得たら売却するなんて、
計画的すぎる。建築主Aが黒幕なのではないか?
つまりCはAに利用された被害者ではないか?
事件の真相はまだ明らかになってない。
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次に見てもらいたい伝貰詐欺事件の記事がこれである。
https://s.japanese.joins.com/JArticle/303512?sectcode=430&servcode=400
>「賃貸人に不動産があるにもかかわらず個人ではなく法人名義なのでチョンセ保証金被害者は権利を行使できないと言われました。保証金を返してもらえるのか、先が真っ暗です」
新社会人の20代AさんがBさん所有の釜山市釜山鎮区のオフィステル(住居兼オフィス物件)に入居したのは2021年8月のこと。
広さ26平方メートルのワンルームをチョンセ保証金9000万ウォン(内8000万ウォン銀行借入)
で2年間契約した。
ところが同年10月オフィステルの建物(69世帯)が競売にかけられるという話を耳にした。
所有主Bさんの債務のためだった。
建物は60億ウォンを越える根抵当が設定されている。
Bさん側は「数カ月だけ待ってほしい」と言った。
だが、Bさんの料金未納で昨年末は水道と電気までとめられそうになった。
最近では裁判所から競売開始通知書が届いた。
Aさんは「契約前は根抵当が不安だったが『建物の相場が90億ウォン以上あり大丈夫』という公認仲介士の言葉で契約した」とし「60余世帯が保証金も返してもらえないまま信用不良者になるのではないかと思って夜も眠れない」と話した。
AさんらはBさんに法人所有不動産があるという事実を把握して弁護士に問い合わせしたが
「チョンセ契約がBさん個人と行われているため法人に対して責任を問うことはできない」
という回答を受けた。
オフィステルに入居している賃借人の被害総額は50億ウォンほどになると推算される。
Aさんは20日、中央日報の電話取材に対して「当面は借入金を返済する方法がなく、破産や個人再生などを調べている賃借人が多い」とし「『悪い方向に考えるのはやめよう』といって互いに慰めている」と伝えた。
「無資本ギャップ投資」方式で多世帯住宅などを購入して賃貸に出した後、
賃借人にチョンセ保証金を返すことができないチョンセ詐欺被害が全国で野火のように広がっている。
住宅1139軒を保有して住宅保証金を返還することができなくて死亡した仁川のいわゆる「ビラ王」事件に続き、
東灘新都市や
釜山
九里などでもチョンセ詐欺が疑われる被害届が相次いだ。
賃貸業者チェさんは2019年から昨年まで
ソウル江東・陽川・九老・永登浦区汝矣島・江北・江西・衿川区、京畿道富川・金浦・高陽市、仁川、
などで多世帯住宅を購入してチョンセとして出した。
ソウル警察庁金融犯罪捜査隊はこの日、賃借人67人に保証金約140億ウォンを返還しなかったチェさんを最近拘束送検したと明らかにした。<
この伝貰詐欺に関してのカニの疑問点は、
第1点目、所有権者の水道代未納で水道が止められるのか?
普通賃貸借では入居者が電気水道は契約するのだが?
第2点目、チョンセが個人契約でも相手が法人を持ってれば、その財産で返済させる事は可能と思う、少なくとも裁判すれば戻ってくるだろう。
第3点目、Aさんは契約前、物権に60億ウォンの根抵当権が設定されていることに、不安があったと言っている。つまり万が一競売されたら、配当順位は下がることを知ってて契約したわけだ。
だとすれば、詐欺地は呼べないと思うのだが。
第4点目、公認仲介士は建物に90億ウォンの価値があると言っていたらしい。
それが事実なら、60億根抵当権で取られても30億ウォンは残る。
被害総額は50億ウォンと言われているのなら、、実質6割は返金されるとなるが、それでなんで自己破産になる?
第5点目、これが一番謎なんだが、なんでこれが伝貰詐欺になるのか?
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