チョンセの謎と韓国不動産の法律⑥
日系企業の韓国での店舗探しサポートをしてる「スターツコリア」という会社の会報が、
ネットに載っていた。
韓国の店舗契約の実態がよくわかるので、全文、掲載します。
https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://www.starts.co.jp/cmsdesigner/data/entry/korea_report_pdf/korea_report_pdf.00009.00000001.pdf&ved=2ahUKEwjrw8vvgqf_AhX-s1YBHQAXDSM4ChAWegQIChAB&usg=AOvVaw0j_CR9aZxi_4e8cjtdEIlp
日本vs韓国:店舗契約のここが違う!
①賃貸借契約期間:日本3年vs韓国1年
>>>韓国のテナント契約は基本的に1年の賃貸借契約が多く、毎年オーナーが賃貸料を引上げるケースが多いです。店舗の場合、インテリアや設備に対する初期投資費用が大きいため、
オーナーはテナントが契約更新拒否を恐れていることを知っており、一方的に賃貸料を引上げ、嫌なら出て行ってくださいと言う卑怯なケースが多いです。最初の契約時にできるだけ長い
契約期間を確保することがポイントです。
②権利金:日本はオーナーへ礼金を支払い退去時は原状回復が原則ですが、韓国は前テナントに権利金を支払いインテリアや設備を引き受けるケースが多いです。
>>>本来は設備やインテリアを引き受けるということでの意味合いが強い権利金ですが、実際にかかった費用よりも多く見積もられる場合が多いです。また、自分の賃貸借契約が終了し次
のテナントに引き渡す時に同額の権利金をもらえるという保証はどこにもないため、権利金金額でもめるケースは非常に多いです。
また、最悪の場合、入居している建物が再開発地域等に指定され建物が撤去されることになると次のテナントから権利金をもらうこと自体が不可能になる場合もあります。
権利金を支払う前に、妥当な金額かどうか、契約満了時に回収できる可能性はどのぐらいあるか必ず見極めなければといけません。
★権利金とは?
本来権利金は「営業権利」を譲渡するという意味ですが、これに加えテナントが設置した設備やインテリアの譲渡も含まれます。
上記に記載したように契約期間が短いためオーナーと更新条件が合わずトラブルになりますとテナント自ら次のテナントを捜し、この権利金から初期投資費用を回収しようとするのです。
前のテナントに権利金を支払い設備を引き受けた場合も同様です。
また、テナント自ら不動産屋に次のテナント募集の依頼をするため、不動産屋の手数料も負担しないといけないことになり、この権利金から不動産屋の手数料を支払うという考え方が
一般的で、最も権利金をたくさんもらってくれた不動産屋と契約をし、高額の手数料を支払うケースも多いです。
従って、権利金には ①営業権利譲渡 ②内装・設備費用 ③地元不動産屋の手数料が含まれているわけですが、この③番は本来オーナーが支払うべき金額であり、それを権利金
に上乗せして次のテナントに負担させることは、我々日系企業には非常に理解し難いことです。
★権利金が付いていない物件はいい物件なのか?
そうするとこのような権利金が付いていない物件が良い物件ということになるのでしょうか?
必ずしもそうとは限りません。建替え等により新築初入居となるビルの店舗には権利金が付いていませんが、このような物件は数が非常に少ないです。ソウルの代表的な商圏である明洞
や鐘路、新村、江南駅などの裏道繁華街に新築ビルが少ない理由は、次のテナントから権利金がもらえなくなることを恐れるテナントたちがオーナーの建替えに激しく反対するからです。
昨年、多くの死者を出したことで世間を騒がせた「龍山駅前放火事件」の原因がまさにこれです。
中には新築でもないのに権利金がないという物件もたまにありますが、立地的な問題から集客力に問題のある物件がほとんどです。
ですから、権利金がない物件が良い物件というわけではなく、いかに権利金の内訳を暴き、最大に有利な条件で契約をするかがポイントになります。
★店舗物件決める際にに特に注意しなければならない点。
①用途制限はないか、営業上許認可を取得するのに問題ないか。再開発地域ではないのか。
②電気、水道、ガスの容量は充分にあるかどうか。
③内装工事や看板設置が充分に行える環境かどうか。
⇒この他にも確認すべき事項はたくさんあります。
言語も習慣も違う国でお店を開店することは決して簡単なことではありません。特に店舗物件の場合は契約の仕組みが非常に不透明なため、大事なお金を知らぬ間に騙し取られる
ことは非常に多いです。韓国唯一の日系不動産企業として日系の皆様の大事な権益とお金を守ります。詳しくは弊社までお問い合わせください。
TEL:02-779-8170 現地責任者部長 朴志憲、 オフィス担当 金奇珠
・・・正直、最初の契約期間が1年というところには驚く。
しかし、権利金については、①営業権利金と、②内装・諸費用、③不動産他の手数料、
があるのは日本も同じである。
②は日本では「造作譲渡費用」と呼ばれている。
③の不動産や手数料だが、日本では通常大家にも普段管理を頼んでる地元業者が付いている。
テナント側の業者は客付け業者として大家側の業者と交渉する。
大家は地元の管理業者に手数料を払い、顧客側は紹介業者に払う。
所謂折半という契約形態である。
しかし、韓国では、この地元業者への手数料もテナント側が負担するのだろう。
これは、一応日本でも認められている。
私も紹介業者に「オーナー側から手数料が出ないので、お客さんに両手数料を払って貰うことになります」といった交渉をしたことがある。物件がよっぽどの人気物件であれば、元付け業者としては当然しなければいけない仕事である。
以上で「権利金」についての解説は打ち止めとする。
掘り下げれば、いくらでも疑問点は出てくるが、それではきりがない。
次回から、伝貰詐欺について、考察しようと思う。
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韓国の権利金と造作譲渡について解説してある。
https://plaza.rakuten.co.jp/pluxkorea/diary/201304200000/
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韓国では年に数千権の「権利金トラブル」が起きているそうだ。
https://mottokorea.com/mottoKoreaW/mQnA_list.do?bbsBasketType=R&seq=3368
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権利金について日韓の比較をするとき、
日韓両国で賃貸店舗を経営した方の経験談は貴重でしょう。
下記のブログは「KJPOP とんこの部屋」というブログですが、
日韓両国で飲食店を経営した在日韓国人女性の事が書いてあります。
『日本で23年食堂を切盛りした在日韓国人、韓国に来て2年で潰れる』「権利金シリーズ」という題がついてます。
http://www.kjpop.net/article.php?no=585
http://www.kjpop.net/article.php?no=586
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https://sumaity.com/glossary/hoken/kenrikin/
権利金とは、地代や賃料以外に、借地権や借家権の設定の対価として支払われるお金です。賃貸借が終了しても、通常は返還されません。権利金の授受は、都市部などで広範に行われている社会的な慣習です。
権利金の性格は、地代・家賃の一部を一括先払いするもの、あるいは、将来的な譲渡・転貸に対する事前の承認料、などとされています。借地権の設定においては、借地割合(地域ごとに定められているもので、住宅地では時価の6~7割程度)に応じて権利金が授受されます。また、借地権を売却するときには、権利金相当額が借地権価格となります。
なお、税法上は、権利金は原則として不動産所得となります。しかし、借地権や地役権の設定対価として、地価の2分の1を超える場合は、不動産譲渡税として課税されます。
https://www.athome.co.jp/contents/for-tenant/kaigyou-kiso/kenri-kin/
【権利金の性質】
権利金は、国税庁では「権利の設定の対価」としています。具体的には何の権利の対価として設定されているのでしょうか。
一般的に、権利金は立地上有利な不動産を借りることで得られる利益に対する対価であると言われています。駅前の一等地や人気の高い商業施設のそばの立地などは集客がしやすく、事業で利益を上げやすいという利点があります。そういった「利益」に対する対価が、権利金の性質の一つだと考えられます。
また、事業用の不動産の賃貸借契約の場合、事業という性質から契約が長期化することが多く見受けられます。その上、借地借家権は契約期間終了時に貸主に正当な理由がなければ契約の更新を断ることができません。こうした貸主にとっての貸借上のリスクに対する対価としても、権利金の性質の一つであると言えます。
【権利金の税務上の取り扱い】
法人が支払った権利金は、支出の効果がその支出の日以後1年以上におよぶ場合、「繰延資産」として取り扱われます。繰延資産の償却期間は下記のようになります。
建物の新築に際して支払った権利金などで、その金額が建物の賃借部分の建設費の大部分に相当し、かつ、その建物が存続する間は賃借できる場合 → 建物の耐用年数の10分の7に相当する年数
建物の賃借に際して支払った上記以外の権利金などで、契約や慣習などによって、明渡しのときに借家権として転売できることになっている場合 → 建物の賃借後の見積残存耐用年数の10分の7に相当する年数
上記以外の権利金などの場合 → 5年(ただし、契約による賃借期間が5年未満の場合で、契約を更新するときには再び権利金などの支払いをすることが明らかであるときはその賃借期)
なお、賃貸人側の権利金の処理は、将来返還しないことが確定している場合は、契約時に「収益」として計上します。