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チョンセの謎  作者: やまのしか
5/10

チョンセの謎と韓国不動産の法律⑤


韓国の人気ドラマで「梨泰院(イテウォン)クラス」というのがあります。

カニは1度も見たことないのですが、韓国では大人気だそうです。

日本でも竹内涼真主演でカバーされ「六本木クラス」という邦題で去年放映されたそうです。


このドラマは、ソウル市の飲食店激戦区・梨泰院イテウォンを舞台に、飲食業界での成功を目指して仲間と共に奮闘する若者たちを描いているそうですが、このドラマで、裏の主題になってるようなのが「権利金」です。

韓国の権利金の事が、このドラマの副題のようになってるせいか、多くの記事やブログで、

「権利金」の説明にこのドラマが取り上げられているみたいです。


とりあえず「韓国の権利金」を知るためドラマ「梨泰院クラス」を取り上げたブログと記事を3つチョイスしましたので、読んでみてください、そしてなんとなく「権利金」の事がわかってもらえたら、ちょっと詳しい解説をしたいと思います。



①韓国のテナント経営で頭が痛い権利金~梨泰院クラス第2話~

https://www.sumais.co.jp/co_diary/b6069fbb97d8a443abe4996583342610.html


>権利金が2億ウォンを越える梨泰院の街・・・というテロップで始まるドラマ第2話~


>韓国でいう「権利金」とは、店舗を賃貸する場合、前に入居していたテナントに支払う一種の営業権みたいなもの。

もともとは同じ業種の店がそのまま入る場合に支払う「のれん代」のようなものだったのが、

いつからか人気のある商圏では、業種に関係なくこの権利金を払わされるようになったようです。例えば焼肉店だった店舗で、居酒屋をやろうが美容院をやろうが権利金を支払わなければならないなど。。。

ポイントは、相場的なものはあるにはありますが、権利金の金額があってないようなものだという点。

交渉しないといくらでも払わないといけないですし、出ていくときに自分たちが権利金をもらえるという保証もありません。

だから、この権利金自体が最近はないところも増えてきているとか?!

一時期は、ビルのオーナーが自分たちで出店して、

その場所の価値を宣伝広告費などを過剰に使って高めて、

権利金を高く支払ってもらえるようにして、

権利金ビジネスをする人たちもいたりと、ほんと特殊な仕組みです。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


②https://crea.bunshun.jp/articles/-/27268?page=2


これもドラマ「梨泰院クラス」の解説ブログだ。

このブログには、ドラマ内で「権利金」が返金されないケースをトラブルとして描いてある。


>セロイが梨泰院に開店した「タンバム」は、客が増えてきた矢先に移転の危機を迎える。入居していたビルのオーナーが賃貸料の引き上げを求めると同時に、契約期間が終わり次第、別のオーナーがビルを買い取って店を直接経営することになった、と言い出したからだ。

ビルの持ち主が店を「直接経営したい」という話に、「タンバム」のマネージャーを務めるヒロイン、チョ・イソ(キム・ダミ)は「権利金をせしめようという魂胆ね」と怒る。日本人には馴染みのない「権利金」とは、どんなものなのか?

韓国でいう「権利金」とは、店舗を賃貸する場合、契約金とは別途に、前に入居していたテナントに支払う一種の営業権だ。もともとは同じ業種の店がそのまま入る場合に支払う「のれん代」のような性格があったが、いつからか人気のある商圏では、業種に関係なくこの権利金を払わされるようになった。例えば焼肉店だった店舗で、居酒屋をやろうが美容院をやろうが権利金を支払わなければならない。

ただ、セロイの店のように、建物のオーナーが直接店を経営するとなると、元の賃借人は権利金を受け取れず、追い出されることになる。かつて、ある芸能人が、自分のビルから繁盛している焼肉店を権利金も払わず追い出して、自分が店を開いたことで、大きな非難を受けたことがあるほど、韓国では敏感かつよく話題に上る問題だ。<



・・・・・・・・・・・・・・・・・


③https://s.wowkorea.jp/news/read/273692/


これは「WOW KORIA」の記事だ。

《韓国、億単位の”権利金”を諦め閉店=韓国ドラマ「梨泰院クラス」で有名なイテウォンやシンチョン(新村)まで》

2020/10/15 08:06配信

Copyrights(C) News1 wowkorea.jp 88


>2003年から定食屋を営んでいるB氏は「路地の内側の店舗は権利金がなくなってからかなり経った」と、権利金がないのに新しく入ってくる人はいないと話した。<

このような住民の声が載っている、本当に悲惨だ。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



さて、カニ太郎は、ここで「伝貰」の謎について考察しているのですが、

何故か韓国の「権利金」について解説せねばならなくなりました。

それは、カニ太郎が「伝貰って日本の権利金に似てるよな~」と呟いてしまったからですw

正直、当時、カニは「伝貰」について、ろくな知識がなかったので、

ただ単に所有権価格に対する伝貰の価格の割合が、

日本における所有権価格と借地権価格の関係に近いので、

そう思ってしまったのですが・・・

こうやって「伝貰」について深く調べていくと、

あながちカニ太郎の勘も、そこまで間違ってはいなかったのではないか、と思ってまいりました。


少なくとも、日本に伝貰金と同じ意味の「お金」はありません。

そして、もっとも「伝貰」に近い表現のお金は「権利金」だとも思います。

しかし、韓国政府や、ネット解説では、伝貰の事を「保証金」のようなもの、と解説してます。


この表現は韓国政府の悪意ある誘導の結果であると、カニ太郎は確信してきました。


それでは、韓国ドラマ「梨泰院クラス」で取り上げられている韓国の権利金が、

日本の不動産関連の「権利金」と、どう違うのか、比較するため、

日本の「権利金」について、解説してみようと思います。


皆さんがネットで「権利金」を検索すれば、

いろいろなサイトが「権利金」の解説をしてくれるのですが・・・

正直言って、どれも、非常に説明がわかりにくい。

たぶん説明してる人自身、十分に理解しているとは言いがたい。


そんな中で、一番いいと思った解説がこれです。

「法律事務所つくばコム」というサイトが一番うまく説明できていると思います。

まず、これを、載せておきます。


https://www.tsukuba-com.net/glossary030/


権利金ケンリキン

権利金とは、貸主借主間の利益・不利益の調整が必要な個別的事情のもとで、これを金銭により解決を図ろうとする諸場面で、授受される金銭の総称であり、場面によって様々な性質をもつ便宜的な呼称のことです。


権利金の性質には主に次のようなものがあります。


①賃借権設定の対価としての権利金

土地を借りる際に借地人か地主に対し、権利金名目でまとまった額が支払われることがあります。定期借地契約ではない一般の借地契約では、いったん土地を貸すと地主はその土地を半永久的に自分で利用することができなくなり、逆に借地人は強い権利を手に入れることができることから、借地人と地主との利益・不利益を調整するために借地権設定の対価として権利金が授受されることがあるのです。


②賃借権に譲渡性を付与する対価

飲食店のいわゆる「居抜き」のように、賃借権の譲渡・転貸をあらかじめ認めめてもらうために権利金が授受されることがあります。


③営業権の対価

有名店舗の「のれん」などの営業上の権利・利益を引き継ぐ際に、営業権の対価として権利金が授受されることがあります。


④賃料の前払い

月々の賃料を低く抑えながら、それをカバーする目的で、賃料の一部を一括前払いするという意味で権利金が授受されることがあります。


・・・・・以上です。

正直、私が不動産をやってた時代は昭和・・・旧借地借家法の時代(1992年以前)だったので、

定期借地権なんて、存在しない時代でした。

ゆえに権利金は、①②③までしかなく、

④「賃料の前払い」などの「権利金」は、聞いたことなかった。


調べてみると、どうやら16年前から認められている「定期借地権」における契約方法で使われる金種なんだそうです。


https://www.jutaku-s.com/newsp/id/0000048958


あらかじめ期間の決まっている「定期借地権契約」において、

全期間の地代(賃貸料)を一括して契約時に借地権設定者に支払ってしまう。

こうすれば、従来のように「権利金」で売買するより、

税金対策として大変優れている。

大金が動く借地権の売買では、売った方の収入は不動産譲渡所得とされ、

買った方は不動産取得税が課せられる。

それを、70年の賃料前払いでやれば・・・すごい節税対策になる・・・たぶん。


まあ、カニにはそれ以上の解説は無理なので、やらないが、

とにかく「権利金」には4種類あって・・・


①賃借権設定の対価としての権利金

②賃借権に譲渡性を付与する対価

③営業権の対価

④賃料の前払い


韓国の「権利金」で問題になってるのは、

③「営業権の対価」の部分のようだ。


ただ、ここの部分に関しては、日本も韓国と同じで、

この営業権に適正価格などはない。

カニなどは、それをうまく利用して儲けるのが不動産業者の腕だと思っていた。


売り主の代理人の時は権利金を高くせしめて、

買い主の代理の時は、権利金を、より安く値切るのが、業者の仕事だ。


ただドラマ「梨泰院クラス」では、

家主側が保証金を奪おうとしてる・・・という設定だ。

これは所有者が自分で使用したいという「正当な理由」を掲げて、

更新を拒否するケースなのだろう。

日本でも昔からよくあるトラブルだ。


ただ日本では裁判になった場合、

借家人の権利が強過ぎて、どうしても立ち退かせたいときは、

家主側が「理不尽な立ち退き料」を払うのが普通だった・・・

だから昔は地上げ屋が儲かったw


しかし、今の借地借家法では、どうやら違うらしい・・・

日本も家主側の権利がかなり強くなり、

昔のような高額な「立ち退き料」は請求できなくなったと聞く。

日本も韓国のようになってる可能性は大いにある。






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