表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
相変わらずな私たち:なんでそうなった?  作者: 猫茶屋
序章:始まり
4/75

4:ハリセンが欲しいと思ったよね・・・

『サテ、グレン。少しは落ち着いたであろうか?

 よければ君の話を聞かせて欲しい。

 君は何者で 何故この闇の領域にいるのかを・・・。』


鎧を外し着替えて来たであろうデュラハンさんにそう言われた。

意外にもデュラハンさんはどこぞの映画に出てくるエルフを思わせるような麗しい壮年男性だった。

あー、イケメンにイケボ。

これCICAサンがいたら絶対二人で盛り上がったよねー・・・って今はそうじゃねぇよ!

儂が何者で 何故此処にいるのか・・・

正直 儂が聞きたいんだが・・・(苦笑)

「たぶん、話したとしてもきっと信じられないと思いますし自分でもまだ理解も納得も出来てはいません。それでもよろしいでしょうか?」

二人と一匹がコクコクと頷いた。

なんでゲイザーくんまでいるのかは気にしないでおこう・・・うん。

まず・・・と自分でも状況を整理する為に思い出しながらゆっくり語る事にした。



いつものようにPCに向かって座り VCで会話しながらMMOをやっていた。

CICA「ぼーーーぶぅーーーーー」

ボブ「しぃかぁーーーーーー」

変なバグで壁に埋まったCICAさんが相方であるボブに助けを求める。

ボブが駆け寄りあの手この手で救出する。

儂らにとっては毎度おなじみの光景だった。

なんとか救出されてボブに抱っこしてもらったCICAさんがやって来る。

儂・イザ・KAZURAの3人はため息をつきながら顔を見合わせる。

KAZURA「おめぇはよぉー・・・何やってんだよ」

CICA「だって・・・あそこの露店が気になっ・・・・て・・・ね?・・・」

ね?じゃねぇんだわ、首傾げてかわい子ぶってもダメなんだわ

儂「人待たせてる時はよそ事に気ぃ取られるなつってんだろうが!」

CICA「あぃ・・・スンマソン・・・」

そう言いながらも目はアチコチと立ち並ぶ露店に泳いでいる。

KAZURA「だーかーらー。おめぇぜってぇ謝る気ねぇだろ」

CICA「そんなことないよ!反省してるんだよ!」

まぁしゃーない、これがいつもの日常会話だ。

天然過ぎる自覚の無いCICAさん おっとりしてそうで実は頼もしいボブ

めんどくさがりだけど堅実派なKAZURA 口数は少ないけど頭脳派なイザ

ちょっと短気だけど面倒見はいい方だと思う儂(おせっかいとも言うが)

この五人でもぉ15年以上一緒に色々なゲームで遊んでいた。

この日も 今日は何処のダンジョンに行こうか、誰のどの装備を集めに行こうかなどを話し合っていた。

イザ「塔でも登る?」

儂「そうだな、塔なら各職の装備も素材も落ちるし」

いつもゲームを始める前に話し合ってからキャラメイクをするのでPTバランスはいい。

タンク1 近接アタッカー1 遠距離アタッカー1 バッファー兼デバッファー1 ヒーラー1

サブキャラも居るのでダンジョンに合わせて皆でキャラを入れ替えてバランスを取るようにしている。

ボブ「じゃぁ今日は僕がタンクをやるよ!」

儂「OK んじゃ各自POTとか準備したら入り口集合で」

その瞬間 ドンッと下から突き上げられるような大きな揺れを感じた。

儂「地震!!」

CICA「こっちも!!」

KAZURA「マジか、俺んとこもだ」

ボブ「僕も揺れてる!」

イザ「デカイな・・・」

儂「皆かよ、取り敢えず頭守って揺れ収まるまで机の下でもベットにでも避難!」

頭抱えてPT机の下に潜り込もうとしたら・・・

ピカッ? シュワッ?

どう表現していいのかは判らないけど、辺り一面真っ白になった。

たぶん光ったのかな?

んで気が付いてみれば神々しい光に身を纏った美麗な人がお茶の用意をしていた。

神々しいって思ったくらいだからきっと神様的な存在なんだろ・・・タブン

白昼夢? 儂寝落ちしたっけ? いぁ揺れたんだよな?じゃぁ大地震でも起きて天に召されたか?

そこの神々しい人!美麗な人!要説明! 呑気にお茶なんか淹れてないでさ。

お? カップの乗ったトレー持ってこっちに来る。説明してくれるかな?

カクン ズリッ ズシャーーッ!

ええぇぇ・・・

裾踏むなら んな長いの着てんじゃねぇよ!!

ってか、こっちにダイブしてくんなし! せめてそのトレーどっかにブン投げろ! おぃ!こっちに投げ出してんじゃねぇよ!!

バシャッ! うん、こうなるよね。見事にお茶引っ被るよね・・・ハハハ・・・

ゴンッ!! うん、当然トレーも儂に当たるよね・・・

星が飛ぶとかピヨピヨ鳥が飛びまわるとか比喩表現かと思ったけど本当に飛ぶんだ・・・

そう思いながらぼやけて遠くなる視界に 

必死に手を伸ばすCICAさんとボブの姿が、

神々しい人に殴りかかろうとしてるイザを必死に止めているKAZURAの姿が見えた・・・

次に意識があったのは クシャミで目覚めた時で・・・今に至る。


『要約すると・・・

 グレンとその仲間は遊んでいる所を神に召喚され 

 説明を受ける前にグレンだけこの世界に突き落とされたと・・・

 その突き落とされた原因も神の失態であったと・・・

 己が衣装を踏んでコケるとはいったい何をしておるのだその神は・・・』


言いたい事はある、が それを口に出したら悪態になりそうで あれが神だとするならば不敬になりそうだし言葉は飲み込んだ。

敢えて心の中で言うならば(このおばか!)(このドあふぉ!!)(このスットコドッコイ!!!)である・・・

デユラハンさんに自分と出会った時のことを聞いてみて唖然とした・・・。

アンデッドか茸の様にモコモコ ウニョウニョ生えて来たとか無いわー・・・マジ無いわー・・・

それにこの見た目も・・・・

せめて衣服とか眼鏡くらいさ・・・・

考えたらまた頭の中で チーンッて音がしそうだったから考えるのを止めた。

今後どうするか考えないとだけど、改めて挨拶をしておく方がいいかな。

「改めて グレンと申します。

 元の世界では子も孫も居る年齢ですがソコは察してください。

 今のこの見た目はおそらく・・・

 想像の域ではありますが私が元の世界で遊んでいた時の

 いずれかのゲームで仕様してたキャラクターが元になっていると思います。

 ゲームのキャラクター・・・人形のような感じだと思っていただければ・・・。

 考えても埒が明かないので、割り切って神の元へとゆうか仲間の元へ戻る方法を探したいと思います。

 すみませんがこの世界、闇の領域についての注意事項などあれば教えていただけませんか?」

あ、普段は儂って一人称を使うけど相手に合わせてちゃんと私って一人称も使い分けるからね?

とは言っても・・・戻れるのかな?皆と所に・・・


デュラハンは唖然とした。開いた口が塞がらないとはこのことだろうか。

アリアンは茫然とした。言葉が出ないとはこうゆう事だろうか・・・。

ゲイザーは思った。神とよばれる存在にもドジッ子はいるんだ・・・クスッ


遥か昔 まだこの世界が平和だった頃 深淵は存在しなかった。

イタズラな幼い神が この世界の管理者たる創生神の目を盗み、異世界から一人の少女を投げ込んだ。

その少女の小さな可愛らしい欲は やがてこの世界の住人にも広がり その欲は大きくなり

妬み 僻み 嫉妬 様々欲を生み出し負の感情をも生み出した。

その欲と負の感情は肉体を離れてもこの世界に留まり深淵なる闇を形成していった。

その中に巣食うのがスルーアやバンシーである。

欲や負の感情が形を成した者とでも言えばいいだろうか。

それら深淵を作り出したのが異世界の住人ならば グレンが異世界の住人だったとしても納得するしかない。異世界は実在するのだと。単なる伝承ではないのだと。

ただグレンは神の意図もなにもなく、むしろ神の不注意的なドジのせいで今ここにいるのだ。

なんとか仲間の元へ戻してやりたいとは思うが・・・ハテどうしたものか・・・。

「グレン。

 正直我にもどうすればよいのか解らぬ。

 だがな、我は原初より存在しておるのでな。

 過去の記録を読み返せば何か解る事もあるやもしれぬ。

 しばらくは時間もかかろう。

 その間退屈かもしれぬが、どうかこの屋敷より外には出ないで欲しい。

 深淵の住人と遭遇した場合、守ってやれるかもわからぬのだ。

 身の安全のためにも・・・。」

『解りました、お手数をお掛けしますが宜しくお願いします。

 あの・・・何か本とか読む物はありますか?

 後 掃除とか洗濯とか出来る事があれば・・・

 手伝わせていただきたいのですが・・・』

何もせずとも・・・とは思ったがマリアンを見ればそっと頷いている。

体を動かす方が気が紛れるのやもしれぬな。

ならば・・・

「グレン 土いじりは平気であろうか?

 平気なようであれば 薬草畑の手入れも頼みたいのだが。

 勿論 深淵の刻限前の日中にだ。警護にはゲイザーが付く。」

ゲイザーは言われずとも!とばかりにグレンの足元にじゃれ付きながら尻尾をピコピコ振っている。

『薬草畑!ハーブ園!ガーデニング!! 喜んでー!!』

グレンは嬉しそうに声を上げた。

うむ、愛らしいものだな。

『ではグレン様の衣装もいくつか用意いたしましょう。動きやすい物がよさそうですね。』

アリアンも楽し気な様子で微笑んでいた。

あの笑顔が曇る前に・・・なんとか仲間の元へ戻してやりたいものだ。

ここに留めて置きたい気もするが、この闇の領域では恐らく無理であろう。

となれば、早めに戻してやるほうがよいよな・・・。

リーパーのじぃさんや他の原初より存在する者たちにも声を掛けてみるとするか。

「ゲイザー お主の同胞に使いを頼みたい」

ゲイザーはコクコクと頷き飛んで行った。

「グレン アリアン 取り合えず今宵はもう休もう。

 アリアン、グレンを寝室へと案内してやってくれ。」

ペコリと頭を下げて二人は二階にある寝室へと消えて行った。

ふぅ・・・まずは深淵の生い立ちの頃あたりから記録を読んでみるか・・・

さすがに今日は我も疲れたし まずは寝るとしよう。




イザ 「なんで止めたKAZURA」

KAZURA「んー・・・姐さんより先に殴ったら怒られそうだったから?」

一同(((そっちかーいっ!)))


イザ 「ないわー・・・」

KAZURA「んむ、ないな・・・」

ボブ 「ないよね!」

CICA 「ホント!神様のくせにドジっ子とか ないわー!!!」

一同 (((お前が言うな!)))



ゲイザー「同胞呼んできたよー」

デュラハン「Zzz・・・」

ゲイザー「寝てるし!ないわー・・・」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ