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【書籍化】冷徹宰相に溺愛された錬金術師はのんびりと暮らしたい~婚約破棄された令嬢でしたがグルメ生活で幸せです~  作者: りょうと かえ


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46.迎賓館のキッチン

 料理勝負は王宮内の迎賓館で行われる。

 公平を期すため、フィリアとモードの両陣営は館の東西に分離されることになっていた。食材の運び込みから調理まで、接触の機会は一切ない。

 配膳の段階になってようやく両陣営とも顔合わせをするのである。


 王都は今、夕方を迎えていた。

 ワーテリオン王国のキラス一行は迎賓館の大広間で楽隊の演奏を楽しんでいる。


 ここから3時間以内に料理を完成させ、キラスへと供する。条件は「生魚」をメニューのうち半分で使用すること。メニューの構成は自由だが、条件を曲解した場合は相応に評価するとのことだった。


 迎賓館の東キッチンで食材の点検を始めていたフィリアは、余興にしてはずいぶん力が入っていると思った。


「フィリア様、緊張なされておりますか?」

「……いいえ、思ったよりもしてないわ」


 シェナはフィリアの助手としてキッチンにいた。両陣営ともに食材と料理人の制限はない。とはいえ、食べるのはキラスひとりである。

 それほど手がいるとも思えなかったので、フィリアはシェナだけを助手に選んでいた。


「余計な邪魔は入らない……。むしろ安心しているところよ」

「そうですね。キラス王子は真剣に『余興』を楽しむようです」

「相手の料理はわからないけれど、元より寿司から変えるつもりもないわ」


 すでにいくつものシミュレートを済ませている。心配することはない。試験は錬金術師には付きものだ。


 持ち込んだ七つの箱に食材がしっかり入っているのを確かめ、フィリアはシェナに声をかける。


「モノはきちんとあるようね。早速取り掛かりましょう」

「承知いたしました……! では、私は計画通り米を炊きます」

「ええ、お願い……。私はネタを並べて、どれを使うか決めるから」


 これも事前の取り決めによるものだ。シェナは米を炊き、フィリアはネタの切り出しに専念する。

 酢を混ぜるのはフィリアの仕事だが、炊くまではシェナに任せても大丈夫だろう。


 問題があるとすれば――相手の料理だ。どんなものを用意するのだろうか?

 しかしフィリアは心を落ち着かせた。どんなものを用意しようと関係ない。


 フィリアはまな板の上に魚介類を載せていく。フィリアはゆっくりと自身の集中力が高まるのを感じていた。


「……負けるつもりはないから」

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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