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当主シスイとの挨拶

イリア達がヤマトの事を待っていると、一人の男を連れて戻ってきた。


「戻ってきたでござるよ。それで当主を連れてきたでござる。」


「お前達がヤマタノオロチを討伐しに来た2人

か。」


「えぇそうよ。ここに正規で来る手段が無かったからヤマトに連れてきてもらったのよね。」


「私は北のシスイこと、日向シスイと申す。お前達が討伐に協力するのなら話は早い。既に我が領土に被害が出ているのだ。」


「ヤマタノオロチって毒を使うのよね。」


「そうだ。毒を使い、八本の首を有する竜種だ。八本全て切り落とさねば、瞬時に再生される。そして、やつは状態異常、物理、魔法に対してかなり耐性を有する。この点においては九尾も烏天狗も同じではあるが。」


「聞いた話では九尾は1度も討伐されてないらしいわね。」


「そうだ。ヤマトの国が建国される前から存在していた古代の魔物だ。基本的に尾の数が増えるほど強くなる。」


「なるほどね…。烏天狗は何かあるかしら。」


「烏天狗は基本的に飛行性能を有し、風を操る。奴の持つ鉄扇から放たれる風は空間を斬るとも言われている。」


「へぇ〜、別次元に対しても効果のある風を起こすのね。」


「吸血鬼が持つ霧化に対応されやすいのでな。」


「え。吸血鬼って霧化なんて能力あったのかしら。」


「「えっ。」」


シスイとヤマトが同時に驚く。


イェムラに至っては驚きで無言をかます。


「何驚いてるのよ…。知らないものは知らないわ。そもそも私眷属一人もいないのよ。」


「霧化能力は身体機能として備わっていると我は聞いておりましたが。」


「俺もそう伝え聞いている。」


「某も過去に吸血鬼を討伐する際、鑑定を使用したでござるが、一覧には載っていなかったでござるな。でも霧化をしてきたでござるからして、身体機能の一部でござるな。」


なんと、ここに来て初めてイリアは吸血鬼は霧化ができることを知った。


「まぁ、いいわ。今更覚えても使い道ないし。」


「そういえば改めて自己紹介をしていなかったでござるな。某はヤマトの国の忍術部隊隊長でSSランク冒険者【光忍】のヤマト・サカキでござる。得意忍術は光系統でござるよ。」


「我はイリア様の配下、二十魔将が一柱、氷雪の魔神イェムラです。主な攻撃手段は魔弓による遠距離射撃や多段射撃、氷雪系の魔法による攻撃です。」


「それじゃあ最後に私ね。私はフィーリアス魔神国の魔神女王イリア・フィーリアスよ。それでSランク冒険者の【鮮血姫】ね。種族に関しては王位吸血鬼という事にしてるわ。戦闘手段に関しては近中遠全てこなせるわ。」


「説明感謝する。せっかく食の間に居るのだ。我が国の職を堪能してからでも構わんな。」


「お心遣い感謝致します。」


「感謝しておくわ。」


シスイが手を叩くと、周りの4人がイリア達4人のところに何かを持ってきた。


「これは和食だ。」


「この白いのは何でしょうか。」


イェムラが訊ねる。


「これは米だ。その横にあるのは味噌汁だな。」


「もうひとつ訊ねるがこの横にある臭いのは何でしょうか。」


「これは納豆だ。我が国の民ならばかならず食べると言っても過言ではないほどだが、他国からするとただ臭い発酵食品らしいな。」


ヤマトはイリアを見た。


「イリア殿は箸の使い方が上手いでござるな。」


「それなりに使っていたから慣れているだけね。」


「箸は我が国発祥ゆえに他国ではあまり使われん。我が国の者でないのに慣れているということは他にヤマトの国の知り合いでもいるのか?」


「居ないわね。」


「【礼儀作法】のスキルを持っているなら慣れていても不思議は無いでござる。」


「確かに持っていたのだけれど、今はスキルを肉体に内蔵していると言った方が正しいわね。」


「と、言いますと?」


シスイ殿が聞く。


「私のスキルが多すぎて整理したのよね。今は3つだけしかスキルを持ってないわ。」


続けてイリアは零した。


「あぁ…スキルじゃなくて権能だったわね。」


少しの間が空く。


「ひとつ聴きたいのでござる。」


「何かしら。」


「つまり、ステータス欄のスキルの表記が権能に変わっているということでござるか?」


「そういう事よ。」


「ヤマト、何か思い当たることがあるのか?」


「そうだとするならば、某は接し方を間違えている事になるでござるが、イリア殿がこのままでも良いと思われるゆえに…。」


「簡潔に申してみよ、ヤマト。」


「イリア殿は【神】でござるな?」


シスイは驚いた後、イリアを見る。


イリアは少しだけこちらの素性を見透かされたことに驚いた。


「とりあえず食事が終わったら4人だけの状況にしてくれないかしら。」


「分かった。周りの者にもそう伝えておこう。」


イリアは感謝した。





■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■




イリア達は食事を終えた後、シスイの部屋までやってきた。周りから人を遠ざけ周囲には、ヤマト、シスイ、イェムラ、イリアだけの4人となった。


「それで、4人だけになるように手配したが、何か見せるものでもあるのか?」


「えぇそうね。既に私が神である事を認知してる人間は2人居るけれど…あなた達にも見せようかと思ったのよね。」


すると、ヤマトが質問する。


「元から神なのではなく、進化を経ていくうちに神へと昇格したということでござるか?」


「そうね。元々、人も龍も鬼も魔神も食べてきたのよね。それと私のスキルのひとつだった【暴食】が効果を発揮しているのよ。」


「食べた者に応じて力を得るというのは大罪系の【暴食】にある能力のひとつでござるが、まさか所持しておられるとは。」


「ちなみにだが、何の神か言うことは可能か?

神ならば信仰を受けるのは別に悪くないことだろう。」


「【破滅神】ね。【破滅を齎す神】だけど、別に私は見境なく破壊するわけじゃないわ。」


「【破滅神】が味方にいるのならヤマタノオロチ討伐は簡単なものに思えてくるな。」


大狂騒スタンピードの時もそうでござったが、居ると居ないとで戦況が大きく左右される程の存在でござった。」


「そこまでの存在とは…。さすがだな。」


イリアは龍と吸血鬼それぞれの持つ翼を混ぜ合わせたような漆黒の翼を広げ、額に1本の漆黒の角を伸ばす。


「これが今のところの完全戦闘状態の姿かしら。」


ヤマトとシスイの2人は驚いた。


「吸血鬼では見られぬ翼を持っているな。龍の影響を受けているのか?」


「そうね。私の正確な種族も【龍血鬼】だから。龍と吸血鬼それぞれの利点を持っているし、欠点もそれぞれ補えるわ。」


「尚更ヤマタノオロチに負ける事など浮かばないでござるな。」


「とりあえず、明日から行動を開始しよう。イリア殿は烏天狗と九尾も討伐するのであろう。ヤマタノオロチはすぐに終わらせた方がいいだろう。」



「感謝するわ。」


4人は解散する。


イリアはイェムラを連れてシスイの屋敷の離れにある部屋に泊まることになった。


「陛下、お召し物はどうされますか。」


「あぁ、これは私の血液で出来ているのよね。だから気にしなくていいわ。ネグリジェに変えれば良いだけだし。」


「かしこまりました。では我は隣の部屋で休息を取りたいと思います。」


「分かったわ。」


2人は就寝した。


一方、シスイはふと思い出した。


「あぁ、聞くのを忘れていたな。吸血鬼なのだから夜行性のはず…。いや、王位だから問題ないのか?」










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