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TS転生した吸血鬼が色んな血を取り込み平和に暮らしたい冒険譚  作者: 月姫ステラ
4章 転移者と転生者
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大枢機卿護衛任務5日目 後編

意外と短い。

イリア達3人は会議室へと向かう。


「聖国とは未だに友好関係を結んでいないのでな。最終的に結べれば良いと思っている。だからイリアよ。ごちゃごちゃさせんでくれよ?」


「友好関係じゃないなら気をつけておくわ。」


「それと秘書よ。書類は持ってきておるな?」


「必要な書類は全て持ってきております。ですがこの丸い玉はなんなのでしょうか。」


テュータレスはため息をつく。


「聞いておらんかったのか?それは古代遺産の産物でなんとえいぞうとやらを映すそうだ。ここにおらん聖国内にいる教皇とも繋げられる。」


「失礼しました。」


そんな話をしているうちに会議室へと到着する。


ノックをするが中から声がしない。自分達が最初のようだ。


秘書が扉を開ける。イリアが先に入り、その次にテュータレスが入る。最後に秘書が扉を閉める。大きな円形の机を中央にぐるりと8個の椅子が置いてある。


テュータレスが手前の椅子へ座る。今回は聖女が訪問してきている側だ。上座を譲るのは当然の事である。


それから数分後、聖女達がやってきたようだ。


「失礼します。」の声掛けの後に入ってきたのは全身銀色のフルプレートをした長い金髪の女性と先程の歓迎会とは違った服装の聖女だ。


「こちら、私の護衛を務めている聖騎士のマリアンヌです。」


マリアンヌと呼ばれた女性は会釈をする。


すると、テュータレスが反応する。


「おぉ、お主が【銀閃】のマリアンヌか。」


そう呼ばれた聖騎士マリアンヌは返答する。


「左様でございます。」


イリアは気になったので秘書に念話を飛ばす。


(あの【銀閃】と呼ばれてる女の子誰かしら。)


(あちらの方は北方戦役において閃光のような素早さと彼女が片時も離さず握りしめられている銀のレイピアで敵を貫く事から【銀閃】と呼ばれるようになりました。彼女は職業の中で非常に珍しい【聖騎士】ですね。魔法、攻撃、防御、支援、回復を全て高水準で行使することが出来るんですよね。あと、イリア様には関係ないかもしれませんが銀というのは吸血鬼特化なんですよ。)


(説明感謝するわ。)


テュータレスとマシェラは席につく。秘書は先程持っていた丸い玉を机の中央に置く。魔力を込めるとなにかの人型が映し出される。


「教皇様!?」


そう驚いたのは聖騎士マリアンヌだ。聖女は口に両手を当て驚く素振りをするが声は出ていない。


「これは古代遺産の産物でな、同じ物を保有している者とリンクを繋げることで映し出すことが出来る。今回の会議において教皇の意見も必要だろうと用意したものだ。まさかシリウス殿も保有しておられるとは思わなかったがな。」


すると映像の中の教皇が言う。


『こちらとしても驚いております。8000年ほど前に栄えていたとされるロンダ帝国が作ったとされる遺跡にて発見された3つのウィクト映機のうち1つを貴国が保有しておられるとは。』


「残り一つの行方は知らんがな。」


『こちらで2つ確保しております。』


「まぁそんな話は置いておくとしよう。今回の議題は同盟を結べるかどうかに限る。それに対する意見の交換だ。」


「そうですね。」


聖女が答えた。



□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□




会議は順調に進む。イリアは非常に大人しくしている。


今イリアが考えている事は…。


(会議が長いと暇になるわ…。ずっと立ってるだけだし…。この映像に映ってるのが教皇なのね。なんだか会議で談笑し始めてるわね…。国交結べるんじゃないかしら…。)


イリアとしては帝位龍血鬼に早くなりたいなーとしか思っておらず、聖騎士を食べればどれだけ強くなれるかなーとか考えている。


会議が終わりに差し掛かる。建設的な会議が進んでるのはいい事だ。お互いに特に悪い所は表面的には無いのだから当然だろう。それにテスタレスに関してはその悪い所をイリアがつぶしたので何も心配することは無い。単純に新体制となって時間があまり経っていないのでバタバタしていることがあるだけだ。新たに海洋将軍の座についているレーゼンがテュータレスらと共に頑張ってくれることだろう。


そうなれば私の国とも国交を結んでもいいかもしれない。


暇すぎて映像越しにシリウス教皇を覗いてみたら、なんと【神罰】を持っていた。マイシャは【神罰魔法】を持っていた。詠唱の有無しか差が無いのだが。


さすが教皇に位置する者。そういうスキルを持っていてもおかしくは無い。


「ではこれで会議を終わります。今日の会議を持って海洋国家テスタレスと聖国ヒストリアの同盟を締結します。」


と、なんかいつの間にか同盟を結んでいた。


会議が終わり、テュータレスが会議室を出るのでついて行くことになった。(まぁ護衛だし)


「お主、会議の最中かなり静かにしておったな。普段の態度と違い過ぎて、なんかこっちが緊張したぞ。」


「色々見てた者とか、考えてた事とかあるから会議の内容はほとんど聞いてなかったわ。」


「そうか。今度お主の国とも同盟を結ぶか?」


そう聞かれたので、配下の子に聞いてから。ということにした。こっちはそもそも人間族がほとんどいないので、いざそっちの国の人がこっちに観光に来た時にビビってしまっては元も子もない。


会議が終わり、後は明日の同盟式典が行われるだけとなった。明日が護衛任務最終日である。


そういえば最初この任務を受ける時に遺跡調査の件があったけれど、軍部が一掃された今なら追加で受けてもいいかもしれない。強い魔物がいると聞くし、進化へ1歩近づけるだろう。






次で護衛任務最終日となります。

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