海洋国家テスタレスへの潜入調査
遅くなってすみません。ゲームに夢中になったり、友達と旅行したりと予定が色々入って遅くなりました。
不定期投稿ですが、原神のアップデートが近づいていてモチベーションが上がっているので投稿ペースは上がるかもしれません。そして誤字報告いつもありがとうございます。
海洋国家へと向かうイリアは背中に2本の長剣を担いで龍の角と尾を出したまま飛翔している。
教えられた通り魔国バティアへと向かう。魔国と魔神国、なんとも似ている。中身は全然違うのだが。魔国はどうやら魔族が治めている国らしい。ということは。
「おいそこの女!どこに向かうつもりだ!」
飛翔していると、後ろから声を掛けられる。声の反応的にあちらも飛翔しているのだろう。
「テスタレスに向かうつもりよ。」
「そうか。お前を魔国で見た事がなかったのでな。その荷姿、龍族かとも思ったが、人型になれるところから龍人族なのか?いや、龍族や龍人族がこんな所へは来ないか。」
「私はただの王位吸血鬼よ。」
「ん?ただの?王位吸血鬼がそこら辺に居るみたいなセリフやめろや。こちとらの感覚が狂うだろ。」
「あぁ、済まないわね。それで用はそれだけかしら。」
「まぁそれだけだな。強いて言うならテスタレスは今は観光向きでは無いな。海上に戦艦とかをどんどん配備してってるらしいからな。そんだけだ。」
「別に観光って訳じゃないのだけれど…。まぁ有難く受け取っておくわ。」
そしてイリアはテスタレスに続く洞窟をめざして飛翔していく。
(どこの国にも空挺部隊とかいるのね…。じゃあテスタレスにも居るのかしら。こうなったら私のとこにも空挺部隊とか配置してみようかしら。今も成長してくれている配下とかを起用するのもありね。)
イリアはダルシーズ山脈を超えた頃、近くにワイバーンが飛んでいる。山脈を少し覗くと、山登りをしている人やクマなど、自然的な光景が見られた。恐らく登頂した時の景色とかを見るためとかなんだろう。
「ワイバーンって何気に初めて見たわ。一応竜の端くれなんだったかしら。」
そう独り言を呟いてると、ワイバーンが山の頂上付近の洞窟の中にワイバーンが入っていくのが見えた。
「生態はあまり分からないけれど別に狩る必要も無いのよね。」
のんびりとした雰囲気ではあるが内心怒ってはいるのだ。
ちなみにだが、この星において、ワイバーンは亜竜であり、竜の中でも1番下である。基本的に山脈などに住み着いているホワイトワイバーンや、森の中に住むロックワイバーン、火山に住むファイヤーワイバーンなどがいる。余程のことがない限り、巣から離れることはない。
ダルシーズ山脈を超えた先に見えてきたのは先程の空挺部隊の居る国であろう魔国バティアだ。魔国バティアは人口490万人ほどの国であり、山脈で取れた鉱石や錬金術で作成した物を輸出しているようだ。代わりに食糧が不足しやすいので輸入するものの大半は食糧である。魔族が治めている国ではあるがここの国の者たちは基本的に人間族やエルフと友好な関係を結んでいる。過去にダリオン王国内で開かれたパーティーにおいて魔国バティアの王子も招かれている。
「とりあえず魔国バティアは迂回しようかしら。別に観光する予定は無いのよね。」
そうやってイリアは魔国バティアを迂回する事にした。
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一方、魔国バティア内では。
「第四観測班からの報告があります!」
「聞かせてくれ。」
「魔国バティアの北側上空に何者かが接近しています。」
「上空に居ようと気にしなくても良いのではないか?」
「それが…、先程第二空挺部隊のシャルーダから報告がありまして。」
「それで?」
「王位吸血鬼と自称しているとのこと。」
「え?お、王位吸血鬼????」
「はい…。」
「ちょ、ちょっと待って?なんでそんな高位の吸血鬼がこっちに来てるんだ?」
「どうやら海洋国家テスタレスに用があるらしく、観光予定ではないようです。」
「そ、そうか。それで我らの国を通るのか?」
「それが、空挺部隊の話を終えた後、王位吸血鬼は我が国を迂回しているとの事。恐らく今接近しているのは迂回している最中の王位吸血鬼と思われます。」
「まぁ、我々に害がないのならそれで構わんが、このことは王子に報告する必要はあるだろうか?」
「必要ないかと思われます。何せ我々は何ひとつとして被害は被ってませんし。」
「なら、その報告はここで止めておく。お前たちは引き続き観測した後、休憩に入ってくれ。」
「了解しました。」
魔国バティアでは、迂回中のイリアについて少しだけ話があったそうな。
イリアは順調に魔国バティアを迂回した。迂回してる途中、奥の方に何やら湖が見える。
「あれがイーシル湖なのね。」
イリアは湖の方へと速度をあげる。
2分ほど飛んだ後、湖に到着する。近くに洞窟があるらしいのでそこを探す。
魔力感知で周りを見てみれば、人が何人かいるようだ。兵士だろうか。いや、フーバーンが言っていた検閲部隊であろうか。身なりが似ている。そして入国しようとしている人が何人か居るようだ。
イリアはその洞窟へと入る。ゆっくり歩みを進めていくと、列が見えた。その列に並び、少しずつ待っている。そして、イリアの番がやってきた。
「おや、君は初めてかな。」
「えぇ、初めてここに来たのよ。冒険者ギルドも中にあるようだしそこに顔を出すつもりよ。」
「ということは冒険者か。それで冒険者証を見せてくれるかな。」
「これよ。」
そういってイリアは懐から取り出して見せる。種族は偽ってはいるけれど、それでも王位なところは隠さず見せることにした。
「えーっと、イリアという名前で?Sランク!?凄いなぁ。職業は魔闘士。ふむふむ、魔法使ったり格闘家のように殴るあれか。種族は…。え?王位吸血鬼?」
「大丈夫そうかしら。」
「冒険者という面で見るなら別に何も問題は無いのだが…。凶獣クラスか。という事は本人としてはもっとランクが上がる可能性があるのか…。ここで懇意にしてもらうのもありか。」
何やら独り言を呟いているが特に気にはしない。入国出来るかどうかさえ分かればそれでいいからだ。
「まぁ、許可しよう。ここを下っていけば都市への入口だ。イーシル湖はとてつもなく深く広い。迷子になる人もたまにいるが、そこは気をつけてくれ。あと、この国には王はいない。居るのは総督だ。そこだけは理解して欲しい。一応通貨は共通だ。お金の面は心配しなくていい。というよりか、Sランク冒険者にお金の心配をするのは野暮だったかもな。」
「ありがとうね、検閲部隊のテジーさん。」
イリアは下へと降っていく。後ろからは独り言がまた聞こえたが気にしない。
「あれ、俺名前言ったっけか?まぁ鑑定とか使えば名前くらいなら見れるか。別に俺は隠すような情報無いしな。」
そしてイリアは門を開ける。するとそこにはとてつもなく広い。そして人もかなり多い。賑わった街並みを見ることが出来た。
「さて、ここで何が起こっているのかを調べないといけないわね…。」
イリアは調査を開始した。
イリアちゃんの他国調査は何話かに分けて投稿します。戦闘の部分はもう少し先になります。イリアは戦闘狂ではないですが経験値などには貪欲なのです。