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TS転生した吸血鬼が色んな血を取り込み平和に暮らしたい冒険譚  作者: 月姫ステラ
4章 転移者と転生者
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庭園にて

新作の投稿を開始しました。そちらは転生物ではございませんので悪しからず。人外物であります。

飯島達、未来の勇者たちは、自身を鑑定するなどしてスキルの使い方を模索したり、己の肉体を鍛えるために筋トレを続けたり、また友達同士で会話したりなど思い思いの休憩をしていた。飯島と瀬良は城の中を歩いて回っていた。


「ほんとここの城の中は広いなぁ。」


「んね、ここまで広いと迷わないか心配になるよ。」


「お、ここは庭園かな。」


「こういう所でお茶会とかするんだろうねぇ。」


「そういえばさ、俺らがこっちに召喚されてなかったらそろそろ正式に探索者として活躍し始めていたんだよな…。」


「4人で探索者になるんだぁ!ってはしゃいでたよね、特に拓斗は。」


「恥ずかしいな…。」


「朱里は■■と一緒ならいいよって言って聞かなかったし。」


「肝心な■■はよく寝てたよな。3人の誰かが近づかない限り、授業中でも寝てたなぁ…。」


「それで先生に怒られてたのも思い出だね。」


「あの時、イリアのステータスを覗いた時に、確かに転生者って称号はあったけど、あれだけじゃ判断はしにくいよな。」


「確かに…あと2、3個ほど証拠があれば良いんだけど…。」


食べ物で釣れないかな。と拓斗が提案すると美帆は速攻同意した。


「というか、この世界、何人も魔王がいて魔王に匹敵する奴らがいて、パワーバランスおかしいな…。」


「それだけこの世界の昔に起きた魔神戦争が凄かったんじゃないの?」


「魔神戦争の生き残りってどこにいるんだろう…。」


2人がそんな談笑をしていると、フリューゲル騎士団長がため息をつきながら歩いていた。


「フリューゲルさん。どうかしたんですか?」


「ん?飯島殿か?それに瀬良殿も。どうしてここに?」


「休憩でここら辺まで歩いていました。」


「そうか…。いや、な。すまないな。ため息をついてるところを見せてしまって。」


「い、いえ、別に気にしてませんよ!」


「そうか。まぁため息をついてたワケは単純な事だ。色々な事が一気に起こりすぎただけだ。」


「色々、と言うとやはり…。」


「飯島殿の思う通り、イリア殿のことだ。本当に自由奔放だ。手綱を握れるものが居ないのか今も城の上を飛んでる、ほら、上を見ろ。」


2人が空を見上げると、翼を広げたイリアが日向ぼっこをするかのように、風を感じるかのようにパタパタと飛び回っている。


「まるで子供ですね…。確か、まだ2歳なんですよね…。」


「配下の魔神達に聞いてもイリア殿本人に聞いても2歳と答えていてな…。そもそも吸血鬼の国以外で生まれた吸血鬼など私は知らないからな…。」


「え?吸血鬼の国があるんですか?」


「あるとも。西の果てにある小さな国でそこは常に夜なのだ。恐らく爵位以上の吸血鬼が天候を操作してずっと夜になるようにしているのだろうが。今まで過去に現れた吸血鬼達はみなその国生まれなのだ。レストレリアン王国内に観光に来た事のある吸血鬼も全てだ。だが、イリア殿は吸血鬼の国ではなく穢れの森で生まれたのだ。そして今や穢れの森全域を支配領域に変えている。そんな吸血鬼が外に出て冒険者として活躍しているんだぞ?それに魔神を倒したりはたまた魔王になってしまったりと。イリア殿は今後も我々や世界を振り回すのだろうな。子どもが遊ぶかのように。」


「まぁそれはなるようになれって感じですけど。それよりもガイオンやイリアみたいに強くなるにはやはり魔物などを倒す必要があるんですよね…。」


「まぁそうだな、お前たちはまだレベル1の状態だからな。レベル1でも持っているスキルの組み合わせ次第で、模擬戦でガイオンが負けたみたいなことができる。」


「レベル差はあまり気にしなくていいということですか?」


「こと模擬戦に関してはそうだな。殺し合いとして見るなら火を見るより明らかだ。」


「それは…イリアを見ればわかります。フリューゲルさんは知らないかと思いますが、イリアのレベルが800を超えていましたよ。」


「なんと!800を超えても王位のままなのか。それは末恐ろしいな。」


3人が話していると、上からパタパタと音が聞こえた。3人が上を見上げると、飽きたのか翼を閉じて降りてきたイリアがいた。


「はぁ〜〜!風も太陽の光も気持ちよかったわぁ〜!あとで何しようかしら…、そうね、雨が降って欲しくないから…【気候改変】雨よ降るな。ってね。あ〜、独り言寂しいわ…。」


「おや、イリア殿、空を飛び回るのは飽きられたのですかな?」


「十分に堪能したから降りてきただけよ。それで3人は何をしているのかしら。」


「イリアちゃんの手綱を握る人が居ないなぁって話だよ。」


と瀬良が言う。


「私の手綱を握れる人なんて…配下にしか居ないと思うわ。それに…あ、そうそう。タクト。これをあげるわ。いつ使うかはあなた次第よ。」


と言ってイリアは指で円を描くと血液のゲートみたいなものが出てきて、そこから取り出してきた目玉を渡してきた。


「え?これ誰の目?」


「終戦後に島にひきこもっていた駄龍の目よ。魔剣の素材にでも使ってあげなさい。」


「あ、ありがとう。」


じゃあまた修練場で、と言い残してイリアは先に向かっていった。
















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