主人公視点 冒険者との戦い
進化後の性能確認のため奥に進み魔物を狩りまくってから2週間経ったある日、いつもの如く魔物を狩って成長を確かめていた時、1人の男の声が聞こえた。
「やべぇだろ、ここ。何があったんだ。」
転生してから初めて人の声を聞いたのでつい変な口調で、「君は誰かな?」と聞く。
「君こそ誰かな。俺は冒険者だ。なぜそんなに血まみれなんだ?」
(この世界には冒険者という者がいるのか。)
そして何故か剣を向けられている。
男は20代前半のような顔つきである程度鍛えており。見た目は鎖帷子を身にまとった軽戦士と言ったところか。鋭い眼光がこちらへと向いている。
とりあえずこう返答してみる
「おや?見て分からなかったのかい?魔物を狩っていたんだよ。自身の成長のためにさ。それになぜ剣を向ける?私は君になにも攻撃をしてないと思うのだけれど。」
さりげなくなぜ剣を向けるかを聞いてみる。
すると、「成長のために俺を狙う可能性だってあるだろう。警戒心を解くつもりは無い。」と言う答えが返ってくる。
そこでふと、冒険者という者のステータスが気になり覗こうとする。でもさすが冒険者相手にいきなり見るのもあれなので聞いてみる。
「ふむ、ちょっと君の情報を見させてもらおうかな。」
名前:カイル
種族:人間
レベル:40
体力:370
魔力:480
攻撃力:400
防御力:200
機動力:30
状態:警戒
スキル:斬撃Lv6、身体強化Lv4、回避Lv3、鑑定Lv3、鑑定妨害Lv2、剛腕Lv1
称号:なし
試しに自分のと見比べてみる。
名前:なし
種族:低位吸血鬼
レベル:77
体力:5900/5900
魔力:12600/13600
攻撃力:2900
防御力:1150
機動力:4600
状態:普通
スキル:吸血LvMax、魅了LvMax、血液操作LvMax、身体剛化LvMax、魔力操作LvMax、魔眼LvMax、ブラッドクローLvMax、魔力偽装LvMax、日光無効Lv-、神眼Lv4、炎魔法Lv6、暴風魔法Lv7、水氷魔法Lv6、天雷魔法Lv7、森林魔法Lv6、岩石魔法Lv8、神聖魔法Lv8、暗黒魔法Lv7、鮮血魔法LvMax、亜空間収納Lv6、変装LvMax、鑑定偽装LvMax、鑑定妨害LvMax、空中機動LvMax、気配感知Lv7、高速演算Lv6、毒耐性Lv4、痛覚耐性Lv8、ゲヘナLv4、回避Lv6、シールドLv4
称号:転生者、殺戮者、容姿端麗、不屈者
SP:98000
我ながらかなり成長したものだ。これでもまだ進化可能にならないのか。魔力もいつの間にか1万を超えていた。魔法1発の消費量が大体20程なのでかなり打てる。
それに比べ冒険者を見るとレベル40のわりにステータスが全体的に低く、スキル数も少ない。
普通はこれくらいなのかな?と思ったが、種族差も影響しているのかなと勝手に納得してみる。
そしてつい、言葉をこぼす。
「攻撃寄りのスピード型の剣士か。レベルは40。果たして高いのか低いのかはさておき。冒険者と言ったね。どうやら君は【斬撃】というスキルを所持しているのか。もし私が君と戦うことになるならこれを警戒すべきかな?」
すると相手がかなり警戒を強める。剣をガッチリと握りしめている。
(言葉を間違えたか!!ちょっと変な言い方になったのかも…)
「煽っているのか?俺の斬撃は吸血鬼であれば倒せるぞ、俺はもうすぐBランクだからな。」
ということは今はCランクということか。ならもっと強い人がいてもおかしくないだろう。在り来りなラノベだとSランク冒険者などがいるはずだ。
しかし冒険者になるつもりはまだ無い。この冒険者がここに来たということはもしかすると近くに街があるのかもしれない。まだ私は弱いと思っているからまだ近づきたくない。ちょっと説明してみるか。
「おお、それは怖い怖い。ちょっと私も退散させてもらおうかな。近くに街があるなら行くのはもう少し強くなってからにしなくては…。」
そして少しその場から離れようとした瞬間、
「待て!逃がすか!斬撃!」
突然相手のスキル【斬撃】がこちらへくる。
しかし高速演算によりとても遅く見え、楽々と【シールド】で防ぐことが出来た。ちょっと軽く魔法を放ってみるか。
「【暗黒魔法】ダークソード」
発動した次の瞬間、その魔法は相手の冒険者の首を刎ねる。
「え、弱っ…。あんなのでCランク冒険者になれるのか。」
(経験値10600を獲得しました。レベル77から78に上がりました。
お、マジか。弱いのに経験値だけはがっぽり。
メ○○スライムかよ。人を殺ってしまったというのに何故か何も感じない。心も人を辞めているのかもしれない。
そして、猟奇的な発言をこぼす…。
「もっとこの程度のやつが沢山来てくれればいいのに…そうすればレベルもたくさん上がるのにな…。」
この時は自惚れていたのかもしれない。自身が強くなったと勘違いしていたことに。自分がまだまだ弱いということに。