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TS転生した吸血鬼が色んな血を取り込み平和に暮らしたい冒険譚  作者: 月姫ステラ
3章 ダリオン王国 大騒乱編
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大狂騒編 その4

まさか、自分が小説を書いてたことを忘れてるとは…。すみません。

一方、まだイリアがギガントと戦闘を繰り広げていた頃、デストロイナイトは姿を変え、ダークネスナイトに進 化したようだ。物理も魔法も無効という異常な強さを併せ持ち、それでいて知性も持つイレギュラーモンスター。生半可な攻撃では意味が無いようだ。そんなダークネスナイトの使う槍をヴァイラは鑑定した。


【黒炎の突槍】•••黒炎をつかさどる凶悪な黒い槍。長さも重さも超逸品。古代の遺跡から見つかった産物で、防御を貫通する。


貫通型の武器ですか。厄介ですね。防ぐ手段があまり無いですが、ヘクター殿が一緒であれば可能性はありますね。


「マズイですね…。まさか進化されてしまうとは。救援を求めてはいるのですが、もう少しかかるでしょうか。」


いや、私は後方まで吹き飛ばされたはず…。ならば後ろにヘクター殿が居るのでは。


ふと後ろを見ると【守護者】ヘクター殿が両盾を構えていた。


「ヘクター殿、やつの持つ槍は防御貫通の武器だと判明した。防御貫通を防ぐ術はありますか。」


「あるにはある。だが代償として体力を消費する。」


「連発は難しいという事ですね。」


「あぁ。だがやってみよう。」


ヘクターはヴァイラの前に出て、盾を構える。


「【神鋼障壁】!くっ…。」


なるほど、発動時に体力を消費するわけですか。では私は物理無効、そして魔法無効を貫通する攻撃を考えるとしますか。そういって、ヴァイラは【思考超加速】を使用する。


考えると言っても【死刑宣告】と何かを組み合わせる必要がありますね。単純な暴力でかたをつけられるのであればイリア殿に来てもらうのも手ではあるが、まだ前方から衝撃音を感じ取れますね。まだ戦闘中なのでしょう。

それにしても目の前のダークネスナイトは立って槍を構えるのみで何もしてこないですね…。やられたらやり返すという考えなのか。それとも先程の【絶槍】はクールタイムがあるのか。何にせよ助かります。


中央のメイガス殿と挟み撃ちを狙うか。そう考え、ヴァイラはメイガスに念話を繋げる。


(メイガス殿、メイガス殿。聞こえておりますか?)


念話を繋げられたと気づいたメイガスは返答する。

(あぁ、聞こえている。それよりどうした。先程かなり派手に吹き飛んだようだが、怪我してるように見えたが大丈夫なのか?)


(怪我の方は少し痛みは残りますが戦闘は続行できますよ。私が先程前方で戦っていたデストロイナイトがダークネスナイトに進化してしまいまして、物理無効、そして魔法無効を獲得してしまっているのです。それをどうにか打開したいのですが、前後で挟み撃ちの案を出したいのですがどうでしょう。)


メイガスは少し考えるため、1度念話を切った。

その後、再度念話を繋げて返答した。


(別に構わないが、【死刑宣告】は失敗したんだろう。それの再発動も込みという訳だな。)


(えぇ、そうです。)


(それなら俺は【大地之怒槌アースアングルハンマー】を使わせてもらう。これは物理無効を貫通できるからな…。そちらはそちらで魔法無効の貫通を念頭に置いて動いてくれ。合図はそちらが出してくれて構わない。)


(了解しました。それでは私は貫通にのみ特化した【大地魔法】を使わせていただきます。)


ヴァイラは念話を切り、対策を勧めることにしたのだった。



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■




マイシャは【神罰魔法】で討伐後、救援を求めていたヴァイラの方に向かって歩みを進めていた。


「みなさん、後方にとても黒い色を感じます。気配はとても赤いので注意してください。敵を発見、そして動き次第【神聖魔法】の聖域サンクチュアリにて、敵の動きを遅くしてください。例え魔法は聖域による魔法攻撃は効かずとも状態異常は効くはず。どうやらメイガスとヴァイラは前後で挟み撃ちするようです。サポートに徹しましょう。そして魔力の尽きた方から順次後退して休憩してください。では向かいますよ。」


そしてマイシャが準備を開始したそのとき、突然周りの空気が軽くなった。どうやらイリアちゃんは魔神を討伐したようだ。あとで褒めてみよう。ヴァイラから聞いた話ではあの子はまだ2歳にもなっていないそうだ。魔族だからこその成長速度だ。

そういえばに歳にもなっていないのにお酒を飲んでいたのか。健康に宜しくない。それに関しては戦いの後、注意しなくては。

それにしてもイリアちゃんの種族はなんだろうか。2つ名が【鮮血姫】という所から吸血鬼なのであろう。ヴァイラも完全には把握していないらしい。

吸血鬼にしては、前日向ぼっこをしてるのを目撃した。日光に対しての高耐性を持っているのか。吸血鬼ってそもそも魔法が得意な種族なはずなのに、あの巨人と戦う際、殴りに行っていた。だから職業が魔闘士なのだろうか。

そこはいいとしてもあの容姿、可愛い、抱きつきたい。【神罰魔法】の代償により感情が少しずつ薄れていってしまうが、それでもこの気持ちだけは忘れたくない。


すると翼を広げてこちらを飛んでくる存在を視認した。よく見るとイリアちゃんだった。イリアはこちらを見つけると降りてきた。


「イリアちゃん、魔神討伐おめでとう。初めて単独討伐したらしいね。」


そこに少し嬉しそうに興奮気味なイリアちゃんが、

「そう!そうなのよ!私ついに単独で魔神討伐できちゃったのよ!それで大丈夫かしら、マイシャ。あなた相当魔力が減ってるみたいだけど。」


「えぇ、【神罰魔法】を使いましてね。魔力を大幅に消費したんですよ。」


「そんな魔法があるのねぇ。やっぱりまだまだ知らない魔法があるんだなぁ…。」


あれ、イリアちゃんいつものお嬢様言葉が抜けてる。感情が良い方向に高ぶると素の女の子になるんだ。


「それでマイシャ、どうしてみんな一斉に【神聖魔法】を発動させてるのかしら。」


疑問に思っているイリアに先程起きた事を説明した。

イリアは納得したかのような顔をする。


「とりあえず挟み撃ちするからサポートするのね。じゃあ私は何をしようかしら。4人の威力底上げでもしようかしら。【支援魔法】魔法強化と筋力強化 、対象はダークネスナイト以外全員。」


するとマイシャは自身の魔力が回復していくのを感じる。そして恐らくこれはメイガスにもヴァイラにも、その他の人達も感じている事だろう。こんな大規模な魔法を平然と行うあたり、やはりなにか格が違う。


それじゃあイリアちゃん、ダークネスナイトの元に向かいましょうか。








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