イリア急いで王位へ。そして本能。
イリアが起きた時には、夜中になっていた。
「あれ、もう夜中ね…。イズナはどこかしら。」
周りを見渡してみるが、見当たらない。
イズナの魔力は記憶したので探ってみると、既に200km先の穢れの森に居ることを確認した。
先に帰ったらしい。いつの間にか毛布をかけてくれていたらしい。転移ポイントの設定をして穢れの森まで転移する事にした。
転移したら、明らかに変わっていた。雰囲気がガラリと変わっており、魔の気配がかなり充満していた。
転移先から城が見える。あれが私の城なんだろうか。
魔物が近づいているのを確認し、そちら側を気にしていると、狼型の魔物がいた。レベル的には164や173などがいた。それにその奥には何かいる。一応見てみよう。
名前:鉄の魔神ネバルタス
種族:魔神
レベル:230
スキル:etc….
称号:腐毒の魔神の配下、二十魔将の六
「あら、あなた魔神になったのね。」
突然話しかけられたネバルタスは激しく驚く。
「あの、もしや魔王イリア様でお間違いないでしょうか!」
「えぇ、そうだけれどあなたはデュポーンの配下の子ね。この前イズナに聞いたらベルマストが魔王の1人を倒したっ聞いたから彼魔神にでもなったのかと思ったけど他にも魔神になった子がいたのね。」
「ベルマストも魔神になることが出来ました。二十魔将のうち12体が魔神になりましたよ。」
「ということは魔神は全部で17体なのね。それじゃああなた達も部下を育てて魔神への進化目指してね。私はまだ半神だから頑張らないとね。」
「半神!?あの勘違いされてるかと思いますが、魔神より半神の方が格が上です…。魔神はあくまで魔物が到達できる最終到達点です。半神はそれを逸脱しないといけませんので、我々魔物視点で言うなら『逸脱者』です。」
「あら、そうなのね、てっきり魔神と半神じゃつい魔神が上かなと思っちゃってたわ。」
微笑むイリアを見てネバルタスは緊張する。半神というのは魔神を軽く消し去れるほど強い存在だ。しかもイリア様のつけている3つの武器もおぞましい気配を放っている。
「ねぇ、私そろそろ王位に進化したいのだけれど、あなたそういうとこに向いてる迷宮無いかしら。イズナに聞こうとしたのだけれど、いなくてね。あなたはわかる?」
「私のような小物の意見で宜しければ…。ここよりに西に数千km先に平均レベル500前後の魔物の巣窟がございます。あそこで鍛えられてみてはいかがでしょうか。」
「へぇ〜。そんなところがあるのねぇ。それじゃさっそく行ってくるわ。数千kmなんて全速力なら数分ね。」
「そんなに早くつけるのですか!?すごい…。」
突風と残像を残してイリアは西に全速力で向かう。
体にかかる負担が割とすごいので、無効系スキルをいくつか獲得する。
(【空気抵抗無効】を獲得しました。無効神に統合されました。)
(【転移無効】を獲得しました。無効神に統合されました。)
(【炭化無効】を獲得しました。無効神に統合されました。)
(無効神が肉体性能として付与されました。これにより無効神に分類されていたスキル全てがSPに再換算されます。その他、○○神が全て肉体性能として付与されました。分類されていた全てのスキルをSPに再換算しました。)
(称号:多重神が破棄されました。破棄された分、経験値に変わります。)
(【森羅万象】【ゲヘナ】【言霊】が統合され【別天神】になりました。)
(【龍脈操作】【龍脈感知】【龍脈循環】【龍脈吸収】を統合して【半神術】に進化しました。)
(【次元斬】【異空庫】【波動】を破棄し、時空間魔法に統合されました。【異空庫】の中身は全て【時空間魔法】の倉庫内に転送されました。)
(【消滅魔法】【隷属魔法】が【魔導書】に統合されました。)
(【回避王】を破棄。称号:回避王に変わりました。)
(【縮地】【魔闘術】が肉体性能として付与されました。)
ステータスを再度表示します。
名前:イリア・フィーリアス
種族:公爵級龍血鬼(魔王)(半神)
レベル:226
状態:普通
装備:白神の長剣、黒神の長剣
体力:測定不能
魔力:測定不能
攻撃力:25億(装備時:測定不能)
防御力:2億(装備時:40億)
機動力:326万(装備時:6520万)
スキル:変装LvMax、空中機動LvMax、神速演算LvMax、飛翔LvMax、転移LvMax、ワープゲートLvMax、多重並列思考LvMax、魔法隠蔽LvMax、回死魂Lv-、魔導破壊LvMax、魔導書Lv-、レベル吸収LvMax、オシリスの裁きLv-、粒子崩壊Lv-、言語理解LvMax、精霊視LvMax、停止の魔眼LvMax、魅了の魔眼LvMax、威圧の魔眼LvMax、保護魂Lv-、神罰Lv-、魂喰いLv-、魂魄適応Lv-、連携強化LvMax、追憶LvMax、記憶破壊LvMax、念話LvMax、輪廻転生Lv-、惑星間転移Lv-、気候改変Lv-
特殊スキル:断絶結界LvMax、魔王LvMax、世界樹の魔眼Lv-、メイドLvMax、半神術Lv-
大罪スキル:暴食Lv-
称号:転生者、不屈者、絶世の美女、穢れた森の支配者、暴食者、破滅の魔王、神と龍の血を受けし者、魂喰らい、深淵と混沌、魔神の統率者、回避王
SP:10646000→646000
そうこうしているうちに雷鳴轟く島に到着する。
周りを見ると、魔物がうじゃうじゃしていた。どれもこれもレベルが500を超えており、特に警戒したのがレベル1000超えがいることだ。レベル1000超えは数えただけでも数百はいた。ここの魔物を狩り尽くしたら進化出来るかもしれない。
(SP1000万を消費して神水を作成しました。)
【神水】半神としての機能を拡張する事が出来る水。コップ一杯で半神としての機能の半分を拡張できる。
また、半神以外が飲むと、魔物は魔神へと覚醒。魔神は半神へと覚醒する。魔物以外の生物が飲むと、肉体は崩壊し、塵になる。
そこにいた魔物はとんでもなく、
レベル576のシャドウウルフや、レベル892のスライムなど、レベルがやけに高い魔物がいた。
名前:アーカーシャ
種族:バハムート
レベル:1365
攻撃力:1650万
防御力:4690万
機動力:465万
スキル:神速Lv2、不死の衣Lv3、対龍法術Lv-、恐喝Lv3、言語理解Lv7、金属変換Lv2、非生物交換Lv2、
大罪スキル:強欲Lv-
「うわ、なんかいるわね。」
「何者だ…。異物め、我が排除してくれる。」
「あら、強欲を持ってるのね。私は暴食を持ってるのよ。」
「ほぅ、我以外で大罪スキルを持つ者がいるとは…。」
「話すの嫌いかしら。私はまぁまぁ好きよ。それであなたを殺して食えば私も進化できるかしら?」
「我の事を殺すとほざいたやつはみな我の胃袋に収まったがお前も我の胃袋に収まるか?」
「多分殺すこと自体は割とすぐよ?だってあなたよりステータスが100倍以上高いし。」
「我より高いだと?見せてもらうぞ。」
「え?あなたそういうスキル持ってなかったわよ?」
(神々の意思によりアーカーシャはイリアのステータスを見ています。)
「なんだこやつは…魔神の統率者だと。許せん。またも魔神戦争を起こすつもりか?あの戦争で我の仲間を多数失った。ここにいる魔物達は全て魔神戦争経験者だ。」
「へぇ、そうだったのね。」
「我は神の意思に沿って進める。本能を呼び覚ましてやろう。」
「は?そんなことはさせないわ。【回死魂】!」
「む、それは即死スキルのひとつか。危ない危ない。龍王だろうと精霊王だろうと獣王だろうと触れられれば終わるスキルか。しかしあいにく我には魂が無いのでな、それは意味が無いぞ?」
「チッ…。それじゃあ【龍魔法】龍爪」
「それならば、【対龍法術】発動。」
イリアの攻撃は跳ね返り、後方の山を切り裂いて崩壊させる。
「あれほどの威力、決して放っておけんな。」
(イリアはレベル226から276に上がりました。)
「あ、レベルあがっちゃったわ。多分今ので、あなたのお仲間さん死んじゃったわよ?」
「貴様のステータスを見させてもらった際、種族も見たがなんだあれは…。」
「私ねぇ、元は吸血鬼だったのだけれど、龍の血肉をくらい尽くしたらこんな事になったのよね、最初に食らったのはボロスね。」
「我の教え子の名がなぜ貴様の口から出る。」
「お話は置いといて、【鮮血魔法】満月之死鎌。」
イリアが鎌を作り出し、手に持つと彼女の背に満月が現れる。
吸血鬼は特性上、満月の時が最も強いのである。
(というかステータスを見たそうだけれど大半のスキルは肉体性能として付与されたから、大半は分からないはずよね。そこが有利な点かしら。けど攻撃全てが避けられ防がれ跳ね返されて、まともに当てられないわね。)
どうやって攻撃を当てるか神速演算を使って考えていると、何か大きなものが飛んできた。
確認したところ金属だ。恐らくは金属変換とやらで地盤を金属に変えたのだろう。あんな大きなものをとてつもない速度で投げるなんて、馬鹿力にも程がある。
「【天雷魔法】迅雷【剛腕】【魔力金剛体】【身体剛化】【飛翔】【空中機動】!」
イリアは光速の2分の1の速度で攻撃を仕掛ける。
その移動で歪んだ時空を【時空間魔法】によって調整する。
アーカーシャの脳天に強烈なパンチを叩き込み、アーカーシャの後ろにある山ごとぶち抜く。
(レベルが276から347に上がりました。)
アーカーシャは絶え絶えしながらも飛び上がる。しかしその隙を逃さず、かかと落としを決め、アーカーシャを地面に蹴り落とす。
(レベル347から350に上がりました。戦闘中の為、進化を留め、余剰経験値として加算されます。)
イリアはアーカーシャを起き上がれぬようにまたも大きなパンチを叩き込む。
そのパンチの余波でこの島にいた9割の魔物が死に絶える。このアーカーシャは魔王に匹敵する強さを持つのだが、圧倒的な武の前に力尽きかけている。
「我をどうするつもりだ、なぜ笑っている…。」
ん?私が笑っているだって?まぁ、遊んでいるのだから笑っていてもおかしくは無いか。
「遊んでるだけよ?じゃあ趣向を変えて遊んでみようかしら。」
イリアは【断絶結界】を張り、【停止の魔眼】を効かせ、アーカーシャにかぶりつく。
アーカーシャは悲鳴をあげるも【停止の魔眼】の効果か、動くことができない。
イリアは翼から食べ始める事にした。ボリボリと食いちぎり、アーカーシャはどんどん体力を減らしていく。5分も経つ頃には片翼が食べ切られており、アーカーシャの生命反応がとだえる。
(進化を開始します。)
今回は数秒で終了した。
特に変わったところは無いが、
名前:イリア・フィーリアス
種族:王位龍血鬼(魔王)(半神)
レベル:623
状態:普通
装備:白神の長剣、黒神の長剣、邪神の篭手
体力:測定不能
魔力:測定不能
攻撃力:194億(装備時:測定不能)
防御力:24億(装備時:測定不能)
機動力:1120万(装備時:44億8000万)
スキル:変装LvMax、空中機動LvMax、神速演算LvMax、飛翔LvMax、転移LvMax、ワープゲートLvMax、多重並列思考LvMax、魔法隠蔽LvMax、回死魂Lv-、魔導破壊LvMax、魔導書Lv-、レベル吸収LvMax、オシリスの裁きLv-、粒子崩壊Lv-、言語理解LvMax、精霊視LvMax、停止の魔眼LvMax、魅了の魔眼LvMax、威圧の魔眼LvMax、保護魂Lv-、神罰Lv-、魂喰いLv-、魂魄適応Lv-、連携強化LvMax、追憶LvMax、記憶破壊LvMax、念話LvMax、輪廻転生Lv-、惑星間転移Lv-、気候改変Lv-、対龍法術Lv-、神速Lv-
特殊スキル:断絶結界LvMax、魔王LvMax、世界樹の魔眼Lv-、メイドLvMax、半神術Lv-、別天神Lv-
大罪スキル:暴食Lv-、強欲Lv-
称号:転生者、不屈者、傾国の美女、穢れた森の支配者、暴食者、破滅の魔王、神と龍の血を受けし者、魂喰らい、深淵と混沌、魔神の統率者、回避王、王の風格、龍殺し
SP:7265400
【傾国の美女】になったわ。これ最高ね。それに称号に龍殺しもついたし、種族も王位になったわ。これならあのオーダーが来ても大丈夫そうね。
(残った雑魚も消しにいかないと…。)
イリアは残り物を狩りに向かう。
残ったヤツの中にも970レベルやら1055レベルなどがおり、とても経験値集めにはもってこいの場所だった。
600レベルを超えてもまだ上がるとは…。
王位に進化する時は350だったのに1000レベルなのかもしれない。そこは分からないけれどとりあえず上げよう。
いつしか雷がやみ、青空が拡がってきた。周りを見渡してみると天変地異でも起きたのでは無いかと言わんばかりの状態になっていた。体の潰れた魔物や四肢を全て失い絶命している魔物など、凄い状態である。
【鮮血魔法】はその特徴上、血を消費するため、魔物の血は最高である。特に強い者の血を好む。
「はぁ…美味しいわ…。もっと美味しいの無いかしら。東に美味しそうなのがありそうね。穢れの森以外で何かないかしら。」
イリアは東に全力で向かう。
イリアはダリオン王国王都上空に到着する。下に大量の血肉の匂いがする。
「オイシソウ、タベタイワ」
激しい戦闘後のせいか本能が呼び覚まされていた。
イリアは夢中で上空に王都全域を覆う超巨大魔法陣を構築する。見た目は赤黒く、カルト集団が使いそうな気味の悪い魔法陣を使う。そしてイリアは放った。
「【煉獄魔法】溶岩之多重隕石」
「【即死魔法】遅死之霧」
「【消滅魔法】滅魔一式」
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王都は混乱に陥っていた。突如として上空に王都全域を覆う魔法陣があったからだ。
国王は全国民に地下壕への避難と王国魔法士達に王都全域を覆う多重結界の構築を急がせる。
「何事だ!」
そこに魔王イリアの配下のイズナが転移でやってくる。
「イズナ殿、これは何事です!?」
イズナもまた困惑していた。肝心のイリア様の魔力を感知できないからだ。とりあえずあの上空の魔法陣を破壊しなければ恐らく王都全域を滅ぼすであろう魔法が放たれる。イリア様のチョコの供給源や教え子の存在のためにも全力で守る事にした。
「私にも分かりません。しかしあの魔法陣を壊さねばなりません。」
「魔法陣を壊す?そんなことが出来るのか?」
「私は魔法陣の破壊を得意としています。主にこの刀を使っていますが、この刀の特徴として、相手の展開する魔法陣を切り裂いて、魔法の発動を妨害することが出来ます。しかし、あの大きさの魔法陣は1回で破壊することはできません。恐らく10回以上斬らねば。」
「イリア様はどうされました。」
「イリア様でしたら現在ここから西に数千kmある島の魔物を全滅させに行ってるのでもう少し時間がかかります。そこから魔力も感知してます。」
先程魔力を感知できないと言ったが、恐らくそれは対象があまりにも遠すぎるが故に時間がかかったのだろう。
イズナ1人で立ち向かう事になる。




