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TS転生した吸血鬼が色んな血を取り込み平和に暮らしたい冒険譚  作者: 月姫ステラ
3章 ダリオン王国 大騒乱編
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ロイヤルホテル その1

(そういえば、王位吸血鬼への進化条件はもう既に満たしてるんだったわね。)


ふと、そんなことを考えながら、周りを見て回る。


アルザスより活気のある街並み、売ってる店の規模や民衆の人数がまず違う。服装も少し違うようだ。やはり王都と言うだけあって身なりのいい人が多いみたいだ。

そして歩き進めると、一際大きな建物を見つける。

建物の前にタキシードらしき服装を着た男性二人が立っている。警備だろうか。

ドアの上を見ると、『ロイヤルホテル』と書いてある。

ドアへ近づくと立っていた男2人のうちの1人に声をかけられる。


「本日泊まる予定のお客様でございますか?」


「えぇ、泊まる予定よ。私1人よ。」


「失礼ですが、護衛の方やメイドの方はいらっしゃいますか?」


「居ないわ。だって1人だもの。あと私はこれでもAランク冒険者よ?」

そう言って、警備員2人に冒険者証を見せる。


「これは失礼しました。Aランクの方でしたか。ではお通りください。」


(何か判断基準があるのかしら。)

疑問に思いながらも入口のドアを開ける。


中は壮観だった。建物の中はシャンデリアがあり、レッドカーペットがあり、宿泊客らしき人はドレスやメイド服、執事のような人が多く、あたかも貴族や王族が泊まりそうなホテルだ。


「ねぇ、そこの店員さん…。私1人で20泊食事付きがいいのだけれど、出来るかしら。」


「お名前は?」


「イリア・フィーリアスよ?一応Aランク冒険者ね。」


またも冒険者証を見せる。


「では、ノーマルルームですか?VIPルームですか?キングルームですか?」


「VIPルームをお願いするわ。」


「かしこま…。すみません。どうやら黒薔薇を着飾られている様子、キングルームに変えさせていただきます。値段はVIPルームのままで構いません。」


(黒薔薇凄いわね…。かなり融通が利きそう。)


「では金貨120枚です。1食金貨1枚ですので。食事の回数事に加算されます。よろしいですか?」


「えぇ構わないわ。」


サラッと金貨125枚渡す。


「金貨が5枚ほど多いようですが、大丈夫でしょうか。」


「問題ないわ。そのくらい。」


「かしこまりました。それではキングルームへご案内します。ヴィネッサ!イリア・フィーリアス様をキングルームまでご案内なさい。」


「は、はい!かしこまりました!」


ヴィネッサと呼ばれた女性は緊張しながらも返事する。


イリアはヴィネッサの誘導に従ってキングルームへ向かう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




ヴィネッサ視点


(うわぁ、まだロイヤルホテルで働き始めて2日目なのに、なんかすごそうな服来た人がいっぱい。貴族なのかな…、王族なのかな…。王族御用達らしいからたまに来るよね…。慣れないとなぁ…。)


そこにイリアが店内へ入ってくる。


(うわぁ、何あの銀髪に赤眼、綺麗〜。見蕩れちゃいそう…。それにあの服、めちゃくちゃ有名な黒薔薇かな…。凄そう…。)


受付嬢から声をかけられる。


「ヴィネッサ!イリア・フィーリアス様をキングルームまでご案内なさい。」


急に呼ばれ慌てて返事する。

「は、はい!かしこまりました!」


そして突然話しかけられる。

「あなたが私をキングルームまで案内してくださるのかしら。頼むわね。」


「は、はい!イリア様!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




イリア視点


このヴィネッサと言う子に誘導され、キングルームへ向かう。すると目の前に1つのドアがある。

ドアが勝手に開き、中に1つの空間がある。

「こ、ここにお乗り下さい!」


「えぇ。わかったわ。それにしても魔導式昇降機みたいね。」


「分かるのですか!?」


「まぁ、似たようなものを見たことがあるからかしらね。」


「他にもあるのですね…。あ、それでは35階へ向かいます!」


35階のボタンが押され、ぐんぐんと上がっていく。

上へと上がっているからか、上からの重力が働く。


「と、到着しました!35階です!先にお降り下さい!」


「えぇ分かったわ。」


先に降り、それに続いてヴィネッサも降りる。


「こちらキングルーム『カプラ』でございます!」


「ごゆるりとお過ごしくださいませ!」

とびきりの笑顔で言ってくれた。


「ありがとうね。それでヴィネッサちゃん。あなたはこれから慣れればいいんじゃないかしら。見たところ働き始めたばっかりのみたいだし、緊張するのもわかるわ。色々と間違う事もあるでしょうけれど、本番で気をつければいいのよ。分からないことがあれば相手が怖そうな人でも勇気をもって質問しに行きなさいな。」


「あ、ありがとうございます!それでは失礼しました!」


ヴィネッサは慌てつつもエレベーターで降りていく。


「慌ただしい子ね。まぁそれもいい感じね。」


キングルームのドアを開ける。

中はThe 王族が使うかのようなベッドに机にソファ、執務が行えそうな作業台が完備されている。ベランダもあるようで、ベランダに出ると、目の前に雄大な景色を一望出来る。左側には海が右側に山が見え、真ん中には街並みが広がっている。


「海にも山にも行ってみたいわね。」


1人で呟く。今は夕方4時頃。

貰ったパンフレットを見ると、4階に書庫ルーム、6階に食事ルーム、7階にVIP食事ルーム、8階にキング食事ルームがあり、20階には屋内温水プールがあるみたいだ。30階にはカジノ部屋まで備えているそうで楽しみである。


1~3階は吹き抜けになっており、受付や、絵画などが飾られており、中には著名人作の絵画もあるらしい。

5階はどうやら作業員たちの休憩室らしい。

9階から18階はノーマルルームで、21階から29階にはVIPルームがあり、32階から35階がキングルームらしい。

屋上もあるらしいが昼しか空いていないみたいだ。


夜6時から食事があるそうなのであと2時間どこで時間をつぶそうか。

とりあえず部屋の中で所持金の確認をする。


金貨270枚銀貨64枚銅貨15枚だ。


「少ないわね。貯めなきゃ…。」






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