イリアと冒険者登録
少し短めに書きました。
私は今止められている。街の入口の門番に。
「ねぇ、街に入りたいのだけれど…。」
「冒険者証、または銅貨5枚だ。」
「この美貌に免じてお願いできたりしないかしら?」
「それでは美人全員それで通れてしまうだろう。ダメだ。」
「ド正論だ…。でもどうやったら入れるの?お金も無いのに。」
(強行突破はしたくないのよねぇ…。魅了でもして無理やり入れてもらおうかしら。)
そこに違う男の声が聞こえた。
「どうした。トラブルか?」
「あ、門番長。ここの女性が「あ?」美女が街に入る手段を持たないようでして。」
「君はまだ若そうだね。冒険者志望か?」
「えぇ、元はそのつもりだったのだけれど美貌で通れたりしないかと思って試してたのよ。」
「そこの門番の言う通り、美貌だけでは通れないな。お金が無いなら冒険者になることをおすすめする。」ここを真っ直ぐ進んだら冒険者ギルドが見えてくるはずだ。君が冒険者として活躍する事を願ってるよ。」
「えぇ、ありがとう。じゃあ通っていいよね?門番さん?」
「ん?構わんよ。」
「ありがとう、それじゃ少しだけお金の単位だけ教えてくれる?」(魅了中)
「銅貨10枚=銀貨1枚。銀貨100枚=金貨1枚。
金貨100枚=白金貨1枚。白金貨1000枚=王貨1枚。です。」
「えぇ、ありがとう。覚えておくわ。」(魅了解除)
歩みを進めていく。雑貨屋や武器屋、防具屋、花屋など店が立ち並ぶ。魔法書屋、本屋などもある。鍛冶場もあるみたいだ。後で寄ってみよう。
そして冒険者ギルド前にたどり着く。ドアの片側を少し開いて入ってみる。中には20人ほどの冒険者がおり、奥には受付嬢らしき人達がいる。見る必要もなく、弱かった。(これが冒険者?弱いわね。)
話しかけるために真ん中の受付嬢まで近づく。
「おい、あんちゃん、冒険者になりに来たのか?辞めときな。俺にはあんたにゃ魔物に出会って怯える未来が見えるぞ。」
「あら、忠告ありがとう。でもそんな未来信じない方がいいかもよ?」
イリアは忠告してくれた男に向かって出力1%未満の威圧を彼一人に対して向ける。
「ひぃぃ!!」周りの野次馬もこちらも向く。
「お?なんだなんだ?バトルでもすんのか?」
「ありゃヒダンのやつ泡吹いてんぞw」
「訓練場でやれよー!」
そこに受付嬢から一言。
「あなた達出禁にしますよ?」
顔は笑ってるが目は笑ってない。そんな顔での一言。
野次馬には聞いたのか、黙りこける。
「すみません。こいつらいつもこうなんですよ。ふふっ。それでどうされましたか?依頼ですか?登録ですか?」
「冒険者登録をしに来たのよ。今一文無しだから。」
「なるほど、では名前の登録と職業と魔力測定を行います。もし魔力が無くても剣士として向いてる場合もありますので。そこで泡の吹いているヒダン君はCランクなんですけどね。あなたには期待してますよ。」
「名前はイリア・フィーリアス 職業は魔闘士。
魔力は測ってないわ。」
「貴族の方ですか?名字を持つ人なんて貴族か成功した商人しか居ないのですが。それにしても魔闘士ですか。珍しいですね。てっきり武器を使うのかと。」
「さぁ、産まれてから魔物の倒し方を叩き込まれまして、それ一筋で進んで来ましたの。」
「なるほど、では魔力を測りますね。」
名前:イリア・フィーリアス
種族:人族
レベル:1
魔力:10260
スキル:煉獄魔法Lv3、剛腕Lv3、身体剛化Lv2、天雷魔法Lv4、魔力操作Lv2、魔力制御Lv3、鑑定妨害Lv3、鑑定Lv4、光魔法Lv3
「魔力が非常に多いですねぇ。魔力だけならAランク冒険者に匹敵しますね。それに煉獄魔法と聞くとあれですね。火魔法の進化系の炎魔法の更に進化系でしたね。天雷魔法というと雷魔法の進化系。光魔法でヒールも使えるということですか?身体剛化と剛腕で武闘派としてもいけると。」
「えぇ、しかもどちらかに偏るのではなくどちらも高水準ですね。では登録完了です。Fランク冒険者からのスタートですので、地道に頑張ってください。」
「ありがとう。」
(ステータスは神眼偽装で誤魔化してます)