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22話 解呪への一歩

 一つ。嫌な予感があった。

今回の古びた館からの道具の採取は無事に成功したはいい物の、

最終目的は「持ち主の元に還す」……もとい、「持ち主の元に返す」であったはずだ。


ただでさえ道具のあった元住処がこの有様なのだ。

返す先は一体どのような場所になるのか。

あまり考えたくない内容だった。


前回は僕のプラシーボ効果で霊への精神的対抗力が上がっていたが、次は流石にそうはいかない。

分かっていて騙される程便利な頭をもちあわせていないのが悔やまれる。


「テト。」

「嫌って言いたいです。」

「指輪の安置先が分かったんだが……断れないっていうのは弁えていて何よりだ。」

「私はお願いで教官は指示ですもんね。」


忘れがちだが、僕はここに名目上は学習として来ている。

その上、今回はリーシャへの協力という事で活動を行っている。

故に現場管理者であるリザへは本来は拒否権など無いのだ。


「安心しろ。今回はちゃんと管理されている場所だ。」

「管理されていてもおどろおどろしい場所という事は否定しないんですね。」

「私は嘘は付かないからな。」

「やさしい嘘ぐらいついても私は怒りませんよ……。」


嘘。流石にちょっと怒るかも。

……この際もう正直に言うがアンデット系は苦手だ。

怖い。見た目はそうではないのだが勝てない相手は誰だって怖いだろう。


「まあなんだ、昨日は流石に近くに居ると命の危険を感じたから無駄に恐怖を煽るような事はしないさ。

その上で呼ぶって言うんだから下手な嘘よりは信用できると思ったんだが。」

「僕なんかに切られても死にぞこないすら死なないんですよ……あはは。」

「私は死ぬ自信がある。アイツらの仲間にはまだなりたくない。」


それはそうかもしれない。


 腹を括って付いてきた。

戦闘の必要はないとの事なので、武器は置いて何かアクシデントがあってもリザに任せることにした。

仮に万が一が起きてもヒスイも居る。

これは知らなかったが、リーシャも結構魔法は扱えるらしい。


つまり、僕抜きでも戦えるという布陣という事だ。

完璧な布陣と言える。


しかし僕の心配は空回りに終わったようだ。

向かったのは街の地下の墓地だ。所謂カタコンベと言うやつか。


「言ったろ。管理されているって。」

「そうですね。目的が分かっていれば居ても意外と怖くない……。」

「え、居るんですか?」

「……居ますよ?」


万能すぎるセンサーを今すぐ捨てたい気分だ。


数分歩いたのちにたどり着いたのは最奥部。

雰囲気も少し違い、部屋としてみてもかなり大きい。


「昔話聞きたいか?」

「要らないです。」


聞けばこの部屋に安置されている主が分かるのであろうが特に興味がない。

何よりこんなところで長話を聞く気にもならない。

大事な話なら入る前に言えってんだ。


指輪の呪いを解除したことによって、

例の物は切り落とした指からも外せており、なんなら身に着けても大丈夫な状態になっていた。

まあ、髪以外に影響が出ても困るので僕は付けなかったが。


呪われてるという指輪を付けたり外したりしているリザの姿はちょっと怖かった。

あれは流石にリーシャもちょっと引いていたと思う。


「では行って参りますね。」


一人で大丈夫との事で、僕たちは部屋の入口で待機する事になった。

別に全員で行ってもいいとは思うのだが、確かに墓場となれば大勢で押し掛けるのも騒々しいだろう。


本心を言うなら全員迷惑を掛けられた側なのだから、霊の方が来るべきだ。

被害者にわざわざ手間をかけるな。


「呪いってのは意外と死霊の感情が重要だったりするんだ。」

「そうなんですか? 必要な魔力は僕らから勝手に取るんですよね。」

「ああ。だから魔力があれば持続自体は容易だ。が、解除も容易な手段があると言ったろ?」

「発動者の解除、でしたっけ。」

「正解だ。」


呪いと発動者の関係は死してなお維持されているそうで、死後に解除してやることも無いことは無いそう。

そして今回はその現象を誘うつもりだそうだ。


……自分の知らないことが多いと断定できないのが難しいな。ちゃんと調べるか。


「返してきました。」

「よし。後は持ち主がそれに気づくまで待つしかない。

どれくらいかかるかは分からないが、時間が解決するようになった訳だ。」

「それまでは様子見……ですかね。」


ここまでやっても様子見と言うのだから呪いと言うのは末恐ろしい。

けれど確かに、元々の難易度を考えると時間が何とかしてくれるというのは心強い物だった。


閲覧ありがとうございます。


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