20話 呪いについての考察・検証3
息抜きの甲斐あってか調査に進歩があったようだ。
「呪いを無理矢理でなく、正しい方法で解呪してみようと思う。」
より正確に言うならリザとは別口の調査に進歩があったようだ。
……じゃああんまり関係ないか。
とは言えその調査結果をもとにリザが頭を使うので完全に無意味ではない筈。
なんでもリーシャの指輪の出どころが判明したとか。
所持していたものが最近になって呪われている事が判明したわけではなく、
譲ってもらった物が呪われていたそう。
そんな相手の縁なんか切っちまえとは思ったが、切っていたら指輪がそもそもどこにあったか分からなかっただろう。
これで晴れて縁が切れる訳だ。
「ん? 出どころが分かったところでどうするんですか?」
「この指輪がどういう物かも連鎖的に分かるって事だ。」
そういうものか。
「呪いを抜きにしたこの指輪の能力は一言で『再生能力』だ。」
「なるほど……そっちが主効果なんですね。」
「そうだ。それで二人に聞きたいんだが……昔話は好きか?」
「嫌い。」
「さほど好きでは……。」
「よし、じゃあもうコレの影響だけ話すぞ。」
名を縛命の指輪。魔力を代償に恐ろしいまでの再生能力を発揮する代物だそうだ。
その再生能力が主効果。副効果は強いて言うならリソースとなる魔力を吸う所だろうか。
そして肝心の呪いが本来の持ち主以外が身に着けると外せなくなり魔物化。
本来の再生能力も合わさり真っ当な死に方をさせない呪いだそう。
「呪いなんて大体陰湿なもんだ。苦しめるための物だからな。」
僕の髪が急激に伸びたのもまずこの再生能力と見てまず間違いないとの談。
そして切っても戻るのは僕の呪いの方の効果……と。
厄介な効果だけ拾ってきてしまったが、それで済んだだけマシと考えるか。
ツメとか伸びても困ったろうしな。
「指輪については大体分かりました。」
「私の髪の事も分かった。」
「それで呪いの方だが……コレが作られるときに既に盛り込まれている物のようだ。」
先天的という事か。後天的との違いは分からないが。
「それがどうしたという顔をしているな。」
「隠せないもんでして。」
「作る際に呪いの効果も加えられていたのであれば作った道具があれば簡単に解呪が出来るんだ。」
「へぇー。」
一応。覚えておこう。
……待てよ? その解呪法は先天的な方のみの手段であるなら、
これを正しい手段と言うには語弊が少しあるのではないだろうか。
「その道具を見つけるのが次の目的でしょうか?」
「いや違う。道具を見つけるのは力業での解呪よりは簡単だろうが、もっと簡単な方法がある。」
端的に説明するだなんて言って結局回りくどいじゃないか。
と思いつつも口には出さない。これも多分必要だから言ってる情報なんだろうしな。
「本来の持ち主以外が身に着けるとダメってんなら……やる事は一つさ。」
なるほど確かに簡単だ。簡単すぎてうっかり土にまで還さない用に気を付けねばならない。
その持ち主の場所も指輪の情報に付随して判明しているそう。
であればやる事は一つ。僕でも出来る簡単なお遣いだ。
「じゃあ……還しに行きますか。」
到着したのは街から少し離れた場所にある館。
大きさで言えばユンハンス宅とどっこいだろうか? 立地的には向こうの方が断然良いだろうな。
生活圏から離れているというのは意外と苦しいのだ。
前世では「将来は森に一人で住む。」なんて子供のころは言ってた気がするが……それはさておき。
「……本当にここに入るんですか?」
外観はと言うとユンハンス宅どころか犬小屋と比べるのもおこがましいほどボロボロだ。
そのくせ崩れてくれないから腹が立つ。
ホー〇デッドマ〇ションとか、そういった類の建物なんか早々に崩れてしまえばいいのにといつも思っている。
「どうかしたのか?」
「いえ。何も。」
元居た世界でもこういう催しの類はあった。
無駄に恐怖を煽る為だけの物で、それ以上でもそれ以下でも無かった。
が、こちらの世界であれば話は別だ。間違いなく何か出る。
僕がこの世界を作った場合であれば絶対出す。なぜかそんな自信があった。
「足震えてるぞ。」
「いえ。そんなことは。」
正直な事を言うと少し怖い。
こちとら出身は魔法もクソもない世界で、その世界ですら度々非科学的な存在の目撃情報があるのだ。
それが主に魔法が発展した世界に来てみろ。
……無理だろ。
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