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14話 呪われ仲間1

 宿への帰路に付いた際、不穏な気配を感じた。

女になってからよく感じる舐めるような視線とはまた違う……刺すような視線。

覚えがある。昔家で剣を学んでいた時、ライバル分に常々向けられていたような視線だ。つまり……敵意? なぜこんな知り合い一人いない異国で。


「誰だ?」……と言うと誰も居なかったとき恥ずかしいので言わない。

いや、十中八九居るんだけど、言わない。


知らんふり知らんふり。

知らんぷりというと英語で「shit down please」と聞こえる……みたいな話を聞いたが、多分そんなことは無いと思うんだ。


なんて考え事してるとあまり見覚えのない場所に出た。

懐かしい景色なのに見たことが無い場所というのは奇妙なものだ。

……あれ、宿ってどっち方面だっけ。

ちょっと聞いてみるか。付いてきてる人とか適任だろう。


「すみません。あの、羽根休め亭ってどこか分かりますか?」

「どっひゃ! えっとえっと、ここから真逆でござるな!」


ずっと見ている事を暗に示している回答だ。

あえて気づかないふりをしてみよう。

しかしどひゃって悲鳴上げる人初めて見たな、日記に書いておくか。


「あ……逆だったか。ありがとうございます。」


見合って沈黙。会話の中でこう言った気まずい空気になるのを天使の通り道と言うらしい。

天使のなんたらっていう慣用句は多い気がするな。取り分とか。


「……。」

「……。」


どうしよう。この空気。


「付いてきてた?」

「ええと、広義的には……ござるな。」


訳アリなのは分かったので、とりあえず宿まで案内してもらった。


 場面は変わって宿屋の個室。

2人部屋で、僕の部屋は僕とリザの2人。1部屋別の客を挟んだ2つ隣にルナとミドラ。


相部屋の人間に許可を取らず知らない人を連れ込むのは少々不義理な気もしたが、居ない奴が悪い。


「それで、一体どういう要件で。」

「ええっと……どこから話したものでござるか。」


今時異世界とはいえこんな口調の忍者居るんだ……と思った。

見た目では分からない。この国の一般人と何ら変わりない姿だ。

そこへ来ると僕たちの姿は若干浮いてるのだが、別段隠す必要も無い。


「……何処から付いて来たの。」

「図書館の中で。」

「呪い関係?」

「で、ござる。」


ザックリと事情を説明してくれた。

ヒスイと名乗ったこの忍者の主人が呪いに悩まされているそう。

どういう呪いかは話してくれなかったが、この国の人間では手の施しようが無かったそう。

あれやこれやと調査していると呪いに関して調査する異国の人間を見つけた。

これは好機と思い接触。……だそうだ。


「僕、そんなに詳しい訳じゃないから調べに来た訳で……力になれるかは。」

「大丈夫でござるよ。詳しくない方が反って柔軟な発想が出たりするものでござるから。」


そういう物かと思ったが、僕一人で協力したところでどうにもならない可能性の方が多い。

リザは話せば分かるタイプだ。対価は要求されるだろうが、頼めば協力してくれるだろう。


という訳で、待つことにした。

大人の用事がいつまでかかるかは分からないが、数日開ける事は無いだろう。


「あ、ござるって外せる?」



 主と言う代名詞から勝手に地位がある人を想像していたが、偉い身分を持っている訳ではないらしかった。でも実際偉いは偉いんだと思う。

リザと共にヒスイに案内された屋敷はこの国に入って見た中で一番だった。

リザは頼んだら意外にもアッサリ快諾してくれた。呪いへの興味故だろうか?


二人揃ってヒスイに客間に案内され待つ。

外観は周囲に溶け込んだアジアンな見た目だったのだが、内装は洋風と言うべきか。


「どういう呪いか、そういえば聞いていないな。」

「言うなれば異形化……でござろうか。」


異形か。体が変化するにしても、人間の範囲であるだけ僕は幸運だったのかもしれない。


「今から呼んで参るが……決して、悲鳴だけは上げないように。」


そんな失礼な事はしない。

僕は視線だけでも気にしていたのだ。口に出さなきゃOKとは随分心が広い方なんだろう。


隣から勿論だと回答。こっちはなんだかんだ言って僕より呪いに詳しい。

その辺りの心遣いも大丈夫だろう。一応信用している。


ヒスイが部屋を出て少し後、異様な気配を感じ取った。

状況から考えて、主と呼ばれる人間だろう。

人ではない気配が穏やかに歩んで来ているのだ。異様の一言に尽きる。

いや……果たしてコレは歩いているのか?


聞こえるのは足音ではない。

足音は聞こえないのはヒスイは足音を出さないからだ。癖になってるのかな。


品の良いノックが三回。


「失礼致す。主をお連れ申した。こちらが……」


主はヒスイより先に入ってきたため既に視界に居る、

美人だ。リザも美人だが、ベクトルは違えど絶対値はその上を行くだろう。


しかし、そんな美貌よりも目を引き付けるパーツがあった。

足というか下半身。歩くための股が無い。


蛇だ。腰から下を一筆で書いたように線があり得ない流れ方をしている。


「こちらが我が主、リーシャ・ユンハンス様だ。」


分かりやすく言うなら……ラミアだ。

閲覧ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] とても面白く一気に読ませてもらいました これからも頑張ってください 応援しています
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