表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学園ランキング最強はチートで無双する~能力はゴミだが、異世界転生で得たチートで能力者達を薙ぎ倒す~  作者: まんじ(榊与一)
海外留学生

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/85

第64話 愛の聖域

「死ぬ準備はいいか?」


アポロンがスーツを脱ぎ、パンツ一丁になる。

ポセイドンといいエヴァといい、ギリシア人ってのは裸になるのが趣味なのだろうか?


「準備は出来てるよ。倒すためのならな」


もちろん、事前の準備運動などはやっていない。

だがそれは相手も同じだ。

いきなり喧嘩を売られた相手が出来ない以上、俺もしない。


まあ氷部の力で体が冷えたので――距離的にもろに冷気の煽りを食らってしまった――多少体を動かしはしたが、そこはノーカンでいいだろう。

マイナスを0に戻しただけだからな。


「ならば見せてやろう!わが愛の力を!愛の聖域(サンクチュアリ)!!」


「!?」


アポロンの全身から見えない何かが広がる。

それは武舞台上を丸々覆いつくした。

何らかのギフトだとは思うが、ぱっと見ではその効果の程は分からない。


だが恐らく、攻撃用ではないだろう。

なんとなくだがそれは分かる。


「これこそ!わが愛の証!」


愛の証?

その言葉からでは、どういった能力か全く判断できない。


そもそも愛に係わる能力ってなんだ?

人の精神を操るエヴァの魔眼ぐらいしか思い浮かばないんだが……だが今奴が使ったギフトにそういった精神効果は感じれない。


――謎だ。


「この能力はそう!荒木真央(ハニー)に私が敗れ、恋に落ちたその日に開眼したギフト!まさに愛が齎した奇跡だ!」


負けて覚えたんならそれは愛ではなく、リベンジのために生まれたと考える方が自然な気がするんだが。

まあ考え方の問題か。


「愛の前に滅びるがいい! 」


アポロンが突っ込んで来る。

思ったよりも早い動きで間合いを詰められた。

恐らく、サンクチュアリというギフトの効果だろう。


「身体強化系の能力か!」


「愛だ!」


さっきから愛愛愛愛。

お猿さんかよ。


「くっ」


アポロンの拳を受け止め――きれずに、掴んだ手の甲が顔面に当たって鼻を強かに打つ。


想像以上のパワーだ。

ギフトによるパワーアップは見切り辛いので、高めに見積もっていたんだがな。

アポロンはそんな俺の想定を軽く超えてきやがった。


「おもしれぇ!」


お礼とばかりに、拳を叩きつける。

プラーナを籠めた全力の拳だ。

最初は使わず少し様子見するつもりだったが、加減など不要と、先ほどの一撃でハッキリと理解できた。


問答無用の――全力の拳だ!


アポロンはそれを片手で受けようとする。

だが俺の拳もまた奴の想定を超え、受け止めようとした手ごとその顔面に叩き込まれた。


「ぐっ!?」


拳を受けて奴は大きく仰け反る。

俺はそこに容赦なく回し蹴りを叩き込んだ。


「がっ……」


アポロンの体が大きく吹き飛ぶ。

クリーンヒットだ。

だが奴は空中で体を回転させて、足から綺麗に着地して見せた。


どうやら、たいしてダメージはなさそうだ。


「へ、そうこなくっちゃな!」


体制を立て直したアポロンに、今度はこっちから突っ込む。


「ふん!」


アポロンが迎撃してくるが、それを片手で捌いて距離をほぼゼロに詰める。


「行くぜ!」


「くっ!」


ゼロ距離から突き上げる様な一撃を奴の腹部に放つ。

アポロンはそれを止めようと手を挟んでくるが、無視して拳を振りぬいた。


奴の体が空高く舞う。

俺はそこへ容赦なく追撃を叩き込む。


地面を強く蹴って跳躍し、上昇の勢いで膝蹴りをボディに食らわせ。

両手を握って、ハンマーの様に奴の背中に叩きつけた。


上空から叩き落された奴の体は地面に激突し、轢かれたカエルの様に横たわる。


手応えはあった。

これでもかという位に。

だが奴は俺の着地とほぼ同時に、何事も無かったかの様にあっさりと立ち上がって見せた。


どうやら全く効いていない様だ。


いや、違うか。


「回復効果があるみたいだな」


奴の手についた細かい擦り傷が、一瞬で消えていくのが見えた。

どうやら奴のギフトは身体能力の強化だけではなく、高い回復能力も込められている様だ。


「ふ。彼女への愛が、私を不死身にしてくれているのだ」


愛なわけないだろ。

そう言おうとしたが止めておいた。


こういう思い込みの強い人間は、それが力になる。

まあ人の話をまともに聞くとは思えないが、万一相手の意思が萎えたりしたらアレだからな。


奴にはせいぜい俺を楽しませて貰わないと。

まだまだ三日分の元は取れていない。


「故に貴様の勝利はないと思え」


「勝つさ。回復するってんなら、回復が間に合わないレベルでダメージを与えるだけだ」


アポロンはサンクチュアリの能力に絶対の自信があるのだろう。

不死身とか言ってるぐらいだからな。

ならそれを叩き潰して勝つまでだ。


「愚かな」


「愚かで結構。いくぞ!」


全身に闘気とプラーナを充足させ、俺は仁王立ちするアポロンへと突っ込んだ。


奴を叩き潰す!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 主人公どれだけ弱体化してんだろ? 今のところ思ったよりも弱いなぁって印象
[一言] 勝てるかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ