さようなら、学園。また秋に
「皆さん、手を繋いでどうされたのですか?」
リリーとダミアがやってきた。
ダミアは自分で申しでたんだろう、リリーの荷物も持っている。
だけど、少々キツそうだ。情けないぞ悪ガキ。
「なんか色々あって恋人繋ぎの話になったんだよね」
「元を辿ればリリーちゃんとマードリアだけどね」
「は? どういうことだ? お前まさか、リリーと恋人繋ぎでもしたのか?」
ダミアは物凄い形相でこちらを睨んでくる。
「ダミア、マードリアに変なことを言いましたら許しませんからね」
「へーへー、分かりましたよ"皇子様"! たく、好きなら好きってさっさと言えばいいのに」
え、好き? フーリン様が誰を? というか、フーリン様まで好きな人が出来ていたとは⁉︎
フーリン様をチラッと横目で見ると、目が合った。
ダミアの言っていたことは、フーリン様の顔の赤さからして間違ってはいないみたいだ。
しかし、リリーとアイリーン様は難しい顔をしている。
……もしかして、二人が好きなのってフーリン様⁉︎ ここは少し探らなければ。
「そういえば、フーリン様のペアはいらっしゃらないのですか?」
「あ、ああ、皇子はペア禁止らしくてね」
「そうなんですか」
私は二人に一言いって手を離す。
フーリン様の元に行き、声を抑える。
「それで、フーリン様の好きな人ってどなたですか?」
「え、は、ええ!」
この動揺っぷり、やっぱり好きな人がいるのは間違いない!
しかし、いつも完璧なフーリン様がこうして乱れているのをみると、少しからかいたくなってしまう。
もし好きな人がアイリーン様かリリーなら、協力するフリをしながら百合ルートに持ち込みつつ、フーリン様の反応を楽しむのもいいかもしれない。
「大丈夫です! 私、口は固いですから。協力しますよ!」
「協、力……」
明らかにフーリン様の元気が無くなった気がする。
しかし、すぐに持ち直した。
「マードリア、ダミアの虚言に付き合わないでください。僕はもう行きます」
フーリン様は早歩きで馬車に乗り込み、行ってしまった。
仕方ない、また別の機会にでも聞き出してみよう。
「それじゃあ残りの方々、あたし達ももう行くね」
そして、チコ達を乗せた馬車も行ってしまった。
「私達もそろそろ行くわ。暇だったら遊びにきなさい。気が向いたら私も行ってあげるわ。レンさんも、遠慮しなくていいわよ」
「は、はい!」
「姉上がいなくても僕がいるから」
「うん。リリーも夏休みに会おうね」
「はい!」
「あんまり会いにくるなよ!」
四人もそれぞれ言いたいことを残して去っていった。
「私達も帰ろうか」
「はい」
しばらくの間さようなら、学園。
次話 2月24日
たぶん明日は2話投稿ですね。16時台の投稿は確定です。




