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助かる方法があるのならそれに託します!

 一人が息をこぼす。安堵でも緊張のため息でもなんでもないただの息だ。


「マードリア、あなたは厄介ごとに巻き込まれないと生きていけない特性でもあるのかしら」

「うーん、たまたまですかね」

「ガーラは反応を見る限り知ってたっぽいね」

「さっきマードリアに聞いたからね」

「僕たち男子生徒が手伝えることはあまりありませんが、何かあったら頼ってくれて大丈夫ですから」

「マードのためなら頑張るよ」

「俺はお断りだ。俺が動くのはあくまでリリーの為だ」


なんかフーリン様のダミアを見る目が一気に冷めた気がしたが、まあ気のせいでしょう。


「わ、私もペアとしてマードリア様の役に立ちますから」

「みんなありがとう」


レンちゃんは笑顔を見せると、ラミスを見る。


「ところで、先程ラミスさんがマードリア様とガーラちゃんに同じものを感じると言っていましたが、どういうことですか?」


レンちゃん、その鋭さはたまに私たちの心を掻き乱しているよ。

ラミスも静かに焦ってるから、あまり期待はできない。

さて、どう誤魔化したものか。


「あれじゃない? マードリアは貴族っぽくないし、ガーラは平民っぽくない。それで二人に同じものを感じるんじゃない?」


チコ、ナイス! めちゃめちゃナイス!


「そうよ! よく気づいたわね、そこの貴族の御令嬢!」


ラミスも一時の危機を回避できて嬉しそうだ。


「チコです。ドルチエ王国の公爵家です」

「覚えておくわ」


さて、そろそろこの脱線した話を司会者として元に戻さねば。

現実逃避もここまでだ。


「私のことはこれでおしまい。それでラミス、本当にリリーを救えないの?」

「呪いにかけられた子ね。その子の精霊は?」

「上位精霊」

「なら倒れてから四十八時間といったところね。……そういえばマードリア、あなたいつその子とキスしたの?」


みんなが一斉に驚きの声を上げる。


「してないよ!」


口にはね。


「ならどうやって呪いがあの子に移ったのよ」

「それは一ヶ月前に……」


あまり口に出したくない表現をみんなの前で喋らされるという、なんともいえぬ拷問のようなものを味わった気分だ。


「なるほどね、その時に移ったのね」

「それで、ここまで話させたんだから救える方法の一つぐらい提示してくれるよね?」

「本当に一つだけならあるわよ」

「本当⁉︎」


思わずラミスに詰め寄った。


「近いわね……。本当よ。ただそれには、マードリアがどれほどの人脈と信頼を築いているかによるわ」

「人脈が足りなければ僕のを足すよ」

「ありがとうございます、コリー王子様。それで、どんな方法?」

「あなた達が精霊を宿した場所があるわよね」

「うん」

「あそこが、精霊単独で十分に力を発揮できる場所なの」

「つまり、そこにリリーちゃんとマードリア様が行けばいいのですか?」

「そういうこと。ただ一つ条件があって、その子は今魔法で呪いを抑えている状態なの。だから、抑止を無くさないといけない」

「どうして?」

「呪いを抑止しているってことは、同時にその浄化魔法も抑止されるということなの。だから、その子には倒れてもらわないと」


となると、ガーラの話によれば試験が終わった日の帰りに倒れるから、そこからうまく寮を抜け出さないといけない。

もし抜け出せたとして? そもそもその洞窟の場所を知らないし、リリーを背負って歩いて四十八時間で着く距離とも思えない。そうなると馬車が必要。

なるほど、人脈と信頼ね。


「分かった。とにかくラミスとリリーをあの洞窟のあの部屋に連れていけばいいんだね」

「ええ、そうよ」

「なら大丈夫、リリーを助けられる」


私はラミスを体内に戻して、みんなの方を向く。


「みんな、手伝って」

次話 2月20日


明日にはこの話終わらせたい……。

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