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リリーの様子を聞き出してみます

「よし、今日はこれで終わりだー!」


 ガーラはそう言って、床に寝転がってしまった。


「なんでガーラが決めるの」

「もうある程度理解できたし、ボクの中のボクが今日は限界って言ってるから」

「何それ」


そんなやり取りを見て、リリーは笑った。

本当に、一体誰がこの天使のようなリリーをいじめているのか。


「大丈夫ですよ、今日はここまでにしましょうか」

「リリーちゃんは本当にすごいね。私は教えるのあんまり得意じゃないから」

「レンさんはとても理解が早いではないですか。私は時間がかかってしまうので羨ましいです」

「そ、そうかな」


レンちゃんは照れながら笑っている。本当に可愛い。

はぁ、リリーとレンちゃんを包む空気はとてもほんわかしていて癒される。


 そんな二人の空気に触れて癒されていると、ドアがノックされた。


「アイリーンよ、リリーさんそちらにお邪魔しているかしら?」


寝っ転がっているガーラを踏まないように、ドアのところまでいく。


「いますよ。今開けますね」


ガーラの頭が邪魔なので、人一人通れるくらいしか開けられなかった。


「お邪魔します」


アイリーン様は横歩きで入ってくる。


「どうして少ししか開けないの?」


チコもいたらしく、ドアの隙間から聞いてくる。


「ガーラが寝っ転がっているんだよ」

「なーんだ、じゃあ遠慮しなくていっか」


チコは言葉通り、ドアをさらに開き


「いった!」


というガーラの言葉を無視して入ってきた。


「この横暴貴族」

「え、今なんか言った?」

「さあ、どうだろうね」


チコはガーラの隣に座って、柔らかそうなお腹に一発入れた。

ガーラは変な声を出したが、特に可哀想とは思えなかった。


「リリーさん、帰りましょう。そろそろ夕食が運ばれてくる時間よ」

「もうそんな時間でしたか。すみません、わざわざここまで足を運ばせてしまい。すぐに片付けます」


リリーが片付けている間に、私はアイリーン様を部屋の外に出した。


「どうしたのよ、一旦外に出てだなんて」

「ちょっと聞きたいことがありまして。アイリーン様は、リリーとどのように普段過ごしておられますか?」

「どのようにって、普通よ。マードリアやチコほど仲良く過ごしてはいないけれど」

「それじゃあ、リリーに変わったことってありますか? 主に一ヵ月前くらいから」

「特には……。でも、笑顔は増えたわよ。ふとリリーさんをみたら笑顔な時が多かったわね」


笑顔、ならいじめられているとは思えないのだけど。

いや、笑顔? たしか、いや、私が見てきた限り、本当に辛いことがある時はみんな笑顔だった気がする。

お姉ちゃんは、人がいる時は本当に笑顔だった。俊哉お兄ちゃんに振られてからは。

なら、笑顔が増えたということは、それだけ辛いことがリリーにふりかかったということ。


「本当にどうしたのよ」

「私、今日聞いたんです。リリーが──」

「お待たせさせてしまい申し訳ありません」

「……また今度聞くわ。行きましょうリリーさん」

「はい」


タイミング悪いよリリー。でも、リリーがいなくなったということは、残りの三人に話ができる。


私は二人が見えなくなってから部屋に戻った。

次話 本日中


この話長くなりそうです……

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