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不思議な子がいました

 レンちゃんは緊張して話さないので、ちょっと気まずい。

だからこの空気をどうにかしようと、強制的にレンちゃんが話す流れにする。


「レ、レンちゃんはすごいよね」

「すごい、ですか?」

「うん。だって、私達貴族は精霊が宿る事は元々分かっているけど、レンちゃん達平民は違うじゃん。ここにいる人たちは、どれほどいるか分からない子ども達の中のほんの一握りでしょ。だから、そんな大勢の中から選ばれて凄いなって」


レンちゃんは俯いてしまった。まずい事を言ってしまったのだろうか?


「私、貴族の方と接したことがないのでよく分かりませんが、マードリア様は何かが違う気がします。マードリア様、私、精一杯マードリア様のご要望に応えられるように頑張ります!」


恥じらうレンちゃんの笑顔は可愛かった。


◇◆◇◆◇


 教室のドアを開けると、既にアイリーン様とチコがいた。


「おはようございます」

「おはよう、マードリア。迷わなかったね」

「おはようマードリア。それとそこの子、マードリアをちゃんとここまで導いてくれてありがとう」


一体この人達は行く先行く先私が迷子になるのかと思っているのだろうか? さすがに私だってそんな迷子にはならないよ。


「え、あ、おはようございます!」

「この子は私のペアのレン・ストルちゃんです」

「レ、レン・ストルです」

「レンちゃん、この人達は私の友人で、手前からドルチエ王国王女のアイリーン・ミーク様と、同じくドルチエ王国公爵家のチコ・ブライトで、えっと、その隣の方は申しわけありませんが存じあげていません……」


チコの隣には頭を抱えてながらぶつぶつ何かを呟いている、黒髪ショートヘアの女の子がいる。

うん、あまり関わらないでおこう。


「アイリーンよ」

「チコだよ。この子は私のペアの子でガーラ。昨日からずっとこの調子だから気にしないで」


おお、チコが詰まってない。珍しいこともあるもんだ。


「そういえば、アイリーン様のペアの方はいらっしゃらないのですか?」

「今は席を外しているのよ」

「そ、そういえば、アイリーン王女様のペアの方はかなり優秀との噂をお聞きました」

「そうなのね。それなら少し楽しみね」


間違いなく主人公だ。さすが、乙女ゲーの主人公、優秀だなぁ。

そんなことを思っていると、教師と思わしき女性が急いでやってきた。


「皆さんごめんなさい! 予定が変更になりましたので、すぐに講堂に向かってください!」


女性は慌ただしく教室から出て行った。


「行きましょう。彼女には書き置きを残しておくわ」


アイリーン様はささっとメッセージを残して教室を出て行く。

私達もそれについて行く。

ガーラ:ガトーショコラ


次話 本日中

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