第一王子様の誕生日パーティーが開催されちゃいます!
新キャラ登場です。
第一王子の容姿を書くのを忘れていたので付け足しました。
投稿時間を誤ってしまった為再掲載となります。
最新話だと勘違いさせてしまいましたら申し訳ありません。
私は五歳を迎えた。
とりあえず、0歳から四歳は特に何もなかった。
その間に分かったことといえば、私はワルフ・ドルチエ・フレーバ侯爵の一人娘、マードリア・フレーバだ。
ミドルネームのドルチエは家を継いだ者のみが受け継ぐものだから、私の二歳年上のお兄様、カーター・フレーバが継承するでしょう。
ちなみにドルチエは国名だ。
しかし、さすが貴族というべきか、家族全員美形だ。
父譲りのクリーム色の髪に母譲りの桜色の目。鼻も高く、目も二重で肌も白い。おまけに小顔。この顔、前世だったら女優レベルのはずなのに私がいるのは貴族社会。美形なのが当たり前の世界だ。
お兄様のカーターも例に漏れず美形だ。
私とは逆で髪は母譲りの薄い黄色の髪に父譲りのライトグレーの目。
おまけに剣の腕がたつ。
そして、何故かどこかで見たことがある気がする。
前世の誰かに似てたとかだと思うけど、正直前世から男なんて全くと言っていいほど興味のなかった私には思い出せない。
かといって別に恋愛対象が女性というわけでもない。
そもそも恋愛感情なんて抱いたことないし。
あ、そうそう、私のお兄様はものすごいシスコンだということも分かったことだ。
さて、とりあえず後にも先にも進まないつまらない話は置いといて、私は今ピンチと言ってもいい状況に瀕している。
それは……
「リア! 今度の王子様の誕生日に僕の考えた剣技を教えようと思うんだけど、どうかな?」
これである! 近々王子様の誕生日を祝杯してパーティーが開かれる。
いくら侯爵家に生まれて貴族のノウハウを教えてこられたとしても、私は元はのんびり自由に過ごしてきた怠け者の女子高生だ。
しかも、この世界では5歳から社交界レビュー。私は先月5歳の誕生日を迎えたので、嫌でもパーティーに行かなくてはならない。
ちなみに私の誕生日パーティーの時は運“悪く”体調を崩したので実質今回のパーティーが私の初めての社交界だ。
「やっぱりダメかな?」
私があまりにも別のことで頭を悩ませていたせいで、お兄様が心配そうにこちらを見つめて聞いてきた。
私もハッと我に帰り、いつものように対応する。
まあ、お兄様もいることだしなんとかなるでしょう。と、もう悩まないことにした。
「いいえ、お兄様の剣術でしたら王子様も喜ぶと思いますよ。ですが……」
「どうかしたの?」
誕生日プレゼントが剣術っていうのはあんまりねぇ。
でもそれを言うのはあまり良くないと言うことを私は前世の年齢+五年で学んでいる。
「お兄様の素晴らしい剣術を皆さまにも見ていただきたいので、そちらは出し物のほうでやっていただいて、プレゼントは他に用意するというのはどうでしょうか?」
このシスコンお兄様のことだ、どうせ
「そうだね! そうしよう! さすがリア! 僕の妹だ!」
「あ、ありがとうございますお兄様、ですから、その、あまり強く抱きしめないで下さい」
「おっと、ごめんねリア」
危うく絞め殺されるところだった……。
「そうだリア! どうせなら二人で用意しようよ!」
「でしたら無難に花なんてどうでしょうか? 家で育てた花をドライフラワーにすれば、すぐに駄目になることもありませんし」
「そうしよう! 魔法の方は父上に頼んでくるから、リアは庭に行って先に花を選んどいて。僕も後から一緒に選ぶよ!」
「では待っていますね。お兄様も出来るだけ早くきてくださいね」
「もちろんだよ! 走ってもどってくるからね!」
お兄様は走ってお父様の元に行き、私は庭で花を選んだ。
◇◆◇◆◇
そんなこんなで、私たち二人はプレゼントを持って王族主催の誕生日パーティーに参加した。
今回は王子様の希望で御子息御令嬢のみの参加らしい。
温かみのあるオレンジ色の髪に赤い目を持つ少年を見つけて、私達はプレゼントを持って傍による。
「「ビケット王子様、六歳のお誕生日おめでとうございます。こちら、王子様のお誕生日を祝して我々二人からのプレゼントとなります。お気に召していただけたら幸いです」」
「この度はわざわざ僕の誕生日パーティーにお越しいただきありがとうございます。ドライフラワーですね、とても綺麗です。ありがとうございます、カーター様、マードリア様。
マードリア様に関しましては初めましてですね。自己紹介をさせていただきます。ミーク家第一王子、ビケット・ドルチエ・ミークと申します。以後、お見知りおきを」
ミドルネームは家を継いだ時以外にも、複数男の子がいるところでは継承者に与えられることもある。その場合は継承権を与えられた時から名乗る。つまり、ビケット王子様は第一王位継承者だ。
「ご丁寧にありがとうございます。ドルチエ王国侯爵家、マードリア・フレーバと申します。改めまして、本日はお誕生日おめでとうございます」
「ありがとうございます」
「リア、僕は王子様と話をしたいから一人で回っててもいいよ。ただ、危ないことや勝手なことはしないこと」
「はい。それでは私はこれで失礼いたします」
自分より身分が上というだけで緊張感がすごい。
もし一言でも気に触るようなことを言えば大変な事になる。
お兄様は去年の王子様の誕生日会から王子様と仲が良いらしい。本当に王子様と話したいというのもあると思うが、私の気持ちも察してくれたのだろう。
良い兄を持ったなとつくづく思う。
それはそれとして、
「ここ、どこ?」
貴族に関して気になったこととか時代設定で気になったこととかありましても、これは物語ですので多少は許してください。(作者はただの一般人ですので)
気力があればあと2話は投稿しますが、多分あと1話でいい感じで終わりそうなので、あと1話かもしれませんね。
(別作品もありますので……)
少しでもいいなと思うましたら感想、レビュー、ブクマ、評価お願いします!