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転生しちゃいました!

冒頭少し文を付け加えました!それ以降の変更はありません。

「好き」


彼女は顔を真っ赤に染め、私の目を真っ直ぐ見てその言葉を私に与えた。

それは、私がずっと聞きたかったセリフだ。“第三者”として。

そのセリフの矛先は本来別の人物のはずなのに、何故私に向いてしまったのだろうか。

私はちゃんとライバルキャラに徹していたはずなのに、何故こうなってしまったのだろうか……。



◇◆◇◆◇


 カチャカチャと小さな雑音が部屋に響く。

私は今、所謂乙女ゲームというものをやっている。


正直私には無縁のゲームと言ってもいい。

なぜなら、私は普通の恋愛作品を楽しむぐらいなら百合を見ている方が好きだからだ!

つまり私は百合女子、又は姫女子と呼ばれる人種に属する。

本棚いっぱいに入れられた百合本、内容を見ずとも表紙だけで心が洗われる。


ならなぜ、そんな私が乙女ゲームをやっているのか。

それは、この乙女ゲームにはまさかの百合ルートがあるからだ!

全キャラをノーミスでクリアすると、本来邪魔者である悪役令嬢との百合ルートが解放される!


私はそのルートを解放する為、この夏休みを利用して文字通り三日三晩寝ずに乙女ゲームをやり続けている。

データを消しては作り直して再攻略し、そして作り直して再攻略。これを何度も何度も繰り返していた。

正直一度徹夜したところらへんから記憶もほとんどなく、もはや作業と化していた。

そして、苦労に苦労の末、最後の無口クール系公爵子息を攻略したことにより百合ルートが解放された!


「や、やったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


私はあまりの嬉しさに思いっきり飛び跳ねた。──それがいけなかった。

暑さのせいなのか、それともずっと徹夜していたせいなのか、或いはその両方か。とにかく、私は腰の痛みを和らげる為にイスに座ってプレイしていたことを忘れ、そのままイスとともに背後に倒れ、ベッドの端におもいっきり頭を強打した。

打ち所が悪かったせいで、私の脳はシャットアウトしてしまった。



◇◆◇◆◇


 ここ、どこ?病院かな?


私が声を出そうとすると「ホギャ」という赤ちゃんの泣き声がする。

びっくりして状況を教えてもらおうと声を上げると、それは大きな赤ちゃんの泣き声となった。


「ああ、泣き出しましたよ旦那様」

「おお、可愛い女の子だ。マードリアと名付けよう。ああ、可愛いな〜」


そんな声を聞いた後、私はいろいろされた。目は開けられなかったから何されたかは分からなかった。

その後、私は肌触りのいいタオルに(くる)まれて、抱っこされた。

最初は逞しさのある男性の腕、次に柔らかい女性の腕に抱かれた。


 その頃になると、私も少し冷静になっていた。

夢ではありえない鮮明さ、そしてこの思考。あとあの痛みと急所、そして赤ちゃん。

まさか実際にこんなことが起こるとは思わなかったが、どうやら私はどこかの家に赤ちゃんとして生まれ変わったようだ。

まあ、よく前世の記憶がある子とかいるからそういう類だろう。


しかし、こうなると思い出すのは転生系によくあるコメント。馴染むの早すぎとか前世の家族忘れさられてる、ロクな人生を送ってこなかったんだな。などと言われているが、今の私ならなんでそうなるのかが分かる。


本来なら死んでいるはずなのに、転生という形で人生再スタートできるんだからさっさと馴染んで楽しんじゃった方が楽だと思う。それと私だけかもしれないが、前の家族の事がちゃんと思い出せない。記憶に所々モヤがかかっている。といっても、まだ大半の記憶は残っているけど。

たぶん、時間が経てば全てを忘れてしまうのだろう。


でも、それは何としてでも阻止したい。


 生後約4ヶ月、私は少し早いくらいでハイハイができるようになった。そうなると、少しばかり自由になれる。

私は人の目を盗んで、こっそり拝借したペンと紙を持って人気のない場所に行き、誰も見ていない隙に覚えている限りの前世の記憶を紙に綴り続けた。赤ちゃんの手だからしっかりは書けないが、読める程度には書けるので良しとする。

ちなみに紙は庭に出て土の中に隠した。

もちろん私は見つかって部屋に戻された。


 一仕事終えた達成感からなのか、赤ちゃんの体のせいなのか、前世の性格からなのか分からないが、眠くなってきた。睡眠欲というのはどんなに抗おうとも敵わない。

私はそのまま夢の世界に入っていった。

やっと書けました百合小説!しばらくは毎日投稿させていただきます。

一応いくつもの百合作品を見てきているので百合度に関しては安心してほしいです。


本日はあと2、3話、時間をずらしての投稿となります。


少しでもいいなと思いましたら感想、レビュー、ブクマ、評価お願いします!

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