表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/112

学園生活再スタートです!

 ついに、この日がきた。テスト結果の発表日。

休み明け最初はテストからだ。ガーラもあれから抜け殻になりながらも頑張って、一人で問題をすらすら解けるようになっていた。

チコは一緒にいても愛想笑いを浮かべるだけで、口を開くことはない。

それは、今も同じ。


「それでは、これより上位三十名の成績を張り出す」


先生が紙を広げている間、私の心臓は飛び出そうなくらい動いている。

自分の成績よりも他人の成績の方を気にするなんて滅多にない。


「リリーとアイリーン様は不動ですね」

「今回もリリーさんに勝てなかったわね」

「今回はマードリア様とチコ様に負けてしまいましたね」

「…………」


リリー、アイリーン様、私、チコ、レンちゃん、そして──


「良かった、六位だ」


ガーラのその声はものすごく落ち着いているが、顔はとても嬉しそうで目に涙を溜めている。

チコもほっと胸を撫で下ろしている。


これでチコの縁談も阻止することができて私達も安心だ。あとは、二人が仲直りしてもらえれば、もう何も心配することもない。


「この調子なら来年も私達のペアは変わらないわね」

「そうですね。あ、科目別も張り出されていますよ」


私はチコとガーラの手を取って移動する。

こうしなければ二人は離れてしまう。お兄様からのアドバイスだ。


「魔法実技はやはりマードリア様が一位ですね」

「私の得意科目だからね。でも、他の科目で何か一つでも落としたらチコに順位を抜かされてたよ」

「惜しかった……」

「もし今回がそうだったとして、もし次の試験からも順位に変化なしの場合、私がチコ様のペアになるのですか?」


あ、そこまで考えていなかった……。


「たしかそうだった気がします」

「あたしは、レンちゃんがペアでも全然いいよ……」


チコは少々引きつった笑顔を見せる。

本当はガーラがいいくせに、分かりやすい嘘なんかついて。

それに、私もガーラよりレンちゃんの方が良いし。ガーラはなんというか、お隣さんって感じの方がいい。


「だめ、レンちゃんは渡さない」

「マードリア様⁉︎」


流石にバックハグに今のセリフはくさかったかな? 

少々遅れて羞恥心が芽生えてきた。


「ボ、ボクも、世話をするのはマードリアより、チコが、良い……」


まだ仲直りしていないのにそのセリフを言うのは、とても勇気のいることだと、私は思う。

実際、ガーラの声は震え、今も不安そうな表情を浮かべている。


「そう。ごめんね、あたしそろそろ部屋に戻るね」

「え、あ、チコ!」


 チコはそのまま部屋へと向かっていく。


「ガーラ、部屋ではチコとどんな感じ?」

「必要最低限の挨拶をするだけ。たまにボクが話しかけてもさっきみたいに相槌を返すだけ」

「あなたはチコとどう接すればいいのか、しっかりと考えたの?」

「考えたけど、チコになんて声をかければいいのか分からない」


本当に、ガーラは不器用だ。前世から変わらないな〜。

 ……前世、か。


「ガーラ、二人で話そっか」

「……うん」

「ということで、私とガーラは先に行くね」


 私達はあまり人のこない、学校の裏庭に移った。


「私ね、思い出したんだよ」

「何を?」

「ガーラ、ううん、ゆうちゃんと喧嘩みたいなことをしたの」

「引っ越しの時の?」

「うん。私ね、なんとなくあの時のゆうちゃんと今のチコは似ていると思うんだ」

「どこが?」

「二人とも、一番側にいてほしい人を突き放してるところ」


ガーラは体育座りをして、スカートに顔を埋める。


「ガーラなら分かるんじゃない? 今のチコに投げかけるべき言葉が。チコのこと、大事でしょう。なら、チコも同じくらいガーラのことを大切に思っているよ。本当、二人とも意地っ張りで寂しがり屋なんだから」


ガーラは少しムスッとしてこちらを睨む。


「何か文句でも?」

「別に。ただ、どうしてボクはあの時あんなことを言ったのか、今分かった気がする」

「教えてくれる?」


ガーラは立ち上がって、自然な笑顔を見せる。


「答えを知る人は二人だけでいい」


ガーラはそのまま走って寮に向かった。

頑張れと、遠のく背中に心の中から送る。

次話 本日中(予定)


あと2話で一年生編完結しそうです。


申し訳ないのですが、最終話だけ文章量多くなるので、最終話投稿は遅れそうです。

代わりに番外編を投稿します。


ちなみに作品分けることにしました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ