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4 前代未聞の魔力0

 平民の子供たちのステータス測定も終わり、ついに俺の番がきた。期待と興奮で心臓がばくばくいっている。




 俺は母エリザベスの風魔法とスチュアート家の強力な水魔法を受け継ぎ、最強の魔法使いとなるのだ。








 意気揚々と水晶に手をかざす。ステータスカードが光の粒子と共に現れる。



 ―――――――――――


 アルド・スチュアート


 生命力 40

 魔力 0

 攻撃力 15

 防御力 12

 敏捷 12

 知力 10

 天運 3

 適性魔法 水 風

 固有スキル 超筋力


 ―――――――――――




 俺はそっと目を開いてステータスを見る。






 …………魔力が0(ゼロ)!!!!!???



 前代未聞、ありえない数字だった。


 魔法の行使には必ず魔力が必要だ。すなわち魔力が無いと言うことは魔法が使えないということである。何故だ、この世界では、あまねく全ての人間に魔法が与えられているのではなかったのか。





 しばらくの沈黙が続く。

 母エリザベスが震えた声で言った。

「あ…ありえないわ。魔力が0(ゼロ)なんて、聞いたことがないもの……。や、やり直してくださるかしら……!?」




 俺は神父に促され、もう一度水晶に手をかざす。



 ―――――――――――


 アルド・スチュアート


 生命力 40

 魔力 0

 攻撃力 15

 防御力 12

 敏捷 12

 知力 10

 天運 3

 適性魔法 水 風

 固有スキル 超筋力


 ―――――――――――



 無情にも結果は変わらない。

 神の神託に誤りがあるはずがない。






「0なんて、0なんてそんなはずがないでしょうが!!! ふざけないでちょうだい!! 無能神父!!」

 母エリザベスは興奮して肩で息をしながら、鬼のような顔で神父を睨み付ける。

 今まで聞いたことがないような母の罵声に驚いた。



 メイドと神父の顔は青ざめて震えている。



 そして、俺の幸せな人生は5歳にして終了した。




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