第1話 犬と飼い主、今と少女
第1話公開です。
今回は、始まりという事で主人公が生まれ変わるまでの話になります。
よろしくお願いします。
大きな公園、大きく囲むようにある長い道
そこには少女と犬が笑って走り回る。
舞い上がった砂埃、睨みつけるように太陽はギラギラと光る。
ある日、同じ公園で犬の飼い主であろう少女は別の子と話をしている。
退屈そうに犬はずっと地べたに座り少女を見つめる。
すると、少女は笑顔で犬の方に駆け寄ってきた。
「聞いて!なんと動物も一緒に行ける旅行プランがあるみたいで!一緒に夏休み出かけられそうよ!」
と嬉しそうに犬に話しかけ、犬もそれに答えるように、嬉しそうに飛び跳ねる。
これが、まさか飼い主と最後の思い出になろうとは、思ってもなかった。
目の前は真っ暗、犬はひたすら真っ暗な道を歩く。
何日歩いたであろうか、その度に飼い主との思い出が頭に浮かぶ。
光が見えた、それを目指しひたすら歩く犬そして・・・
大きな草原、赤ん坊が捨てられている。
たまたま通りかかったお爺さんが赤ん坊を抱き抱え、落ち着きのない感じで赤ん坊を連れて馬車をひく。
連れて帰った赤ん坊は元気にすくすくと育った、お爺さんは1人暮らしだった為、赤ん坊を孫のように大事に育てようとおもった。
そして赤ん坊は少年になった、ある日の事、少年はずっと鏡を見つめていた。
心配になったお爺さんは声を掛けた。
「どうしたんだい、そんなにずっと鏡なんか見て」
そうお爺さんは訪ねたが、少年は何も言わず、ずっと見つめる。
ある日、少年とお爺さんは草原にいた、そう少年が赤ん坊の時に拾った草原。
すると少年は
「あのさぁ、自分の事、いや前世の記憶があるみたいなんだ」
と唐突に言った。
お爺さんも少し戸惑ったが、少年の顔を見て答えた。
「それは、謙に取って良い記憶か?」
お爺さんは少年の事をケンと呼び問いかける。
ケンもそれに対し
「分からない、お爺ちゃんとの思い出も大切なんだけど、でも前世の記憶も何でか大切に思えて忘れられないんだ。」
そう言うとお爺さんは、ケンの手を引き
「ケン、家に帰ろう」
そう言ってケンと馬車に乗り家に帰る。
そして翌日
ケンはお爺さんから不思議な形の小刀を見せられ、
「ケン、1度旅に出ると良い」
と言ってきた。
ケンは戸惑ったが、お爺さんは真剣な顔をしていて、ケンは答えるように小刀を手に取り竿に収め
「必ず帰ってくるから」
と一言、その後は少年は家を出てお爺さんは1人になった。
「短い人生だったが楽しかったよケン」
そう呟き、座ったまま笑って目を瞑った。
豪華な街、ここは多くの人で賑わう街、ここではそれぞれ色んな能力を1人1人に持たされる。
それを皆はその能力の事を職業と呼んでいた。
そして、職業を授かりにくる、人が集まる、ラインアビリティと言う大きな建物に向かう1人の少女がいた。
「すみません!通して下さい!」
人混みが多い中で必死にラインアビリティを目指す少女。
だが、人混みを抜けた後はかなりの行列を彼女に待っていた。
少女は諦めたくないのかその列に並ぶ、そして何時間も待たされ。
「あぁ、職業を手に入れるためにこんなに苦労するなんて」
と大きなため息を付きながら、諦めて列を離れる。
そして近くの銅像の下で座り込む。
少女はまたため息をついて、ラインアビリティを見つめる。
「そうだよなぁ、簡単に職業が手に入るならみんな集まるよね・・・」
ラインアビリティ、職業を授けてくれるお店のようだ。
だが、ラインアビリティという店は最近出来た店らしい、少女もラインアビリティの噂を聞きやって来た1人と言うことになる。
すると、並ぶ列とは別に何か別の人の固まりが出来ていた。
少女もそれに気づき、様子を見にその近くまで寄っていくと
それは、何か怒っていて、店に向かって叫んでいる集団だった。
その内容は、職業が違うものだった、俺も同じ低級職業だぞ!
俺なんてカカシの職業って!農家だって言っただろうが!
そう、間違った職業を与えられた者達の集まりの様だった。
少女はそれを聞いて、まさか詐欺師の店なのではと少し疑った。
一方同じように豪華な街に来たばかりのケンが、街を歩く
そして、通りすがりの人に聞いて回っていた。
「すみません、この当たりで職業を貰える所があると聞いたんですが」
と言うと、ほとんどの人がラインアビリティの事だねと言うが、ケンは首を傾げる
いちおう聞いた人にはお礼をいって終わるが、ケンが手に持っているメモのようなものには、九尾牙 妖狐の名前と、アビリティアのお店の名前が書いてあった。
その頃、ラインアビリティでは列に並んでいた者も不審に思い始める混乱が呼び、もう収集のつかない状態になっていた。
少女もどうしようと慌てふためく。
すると、そこに少年が通りすがり、少女はその少年に話しかける。
「そこの貴方、危ないよ今、とんでもない騒ぎで」
と話しかけるが無視、いや気づいてないだけと思い少女は少年の腕をつかみ
「話を聞いてください!それともあなたも違う職業になった人何ですか!」
と大きな声で言った、咄嗟に叫んでいたのでよく分からなかったが少年は驚いた顔をしていた様に見えたが、少年はすぐ真顔に戻り。
「やはり、詐欺師の店か」
とつぶやく、少女は少年の言葉が気になり
「もしかして何か知ってるんですか!」
と聞いたが、少年は君には関係ないと言われその後、ここは危ないから家に帰りなと言われそのまま少年は人混みの中に消えていった。
少女は、しばらく固まっていたがスグに我に返り
「何よ!あいつ!」
と起こりだし、少女は大きく息を吸って叫ぶ。
そんな叫び散らす少女に駆け寄り方を叩いてきた、1人の女性が現れる。
「君、ちょっといいかな?」
と少女は急に話しかけられて、驚いてその場で尻餅をつく。
おっとすまないと言いながら手を差し伸べてきた女性、その人は頭に狐の耳があり、お尻には9本の狐の尻尾が生えていた。
「あ、ありがとうございます」
とお礼をいい、手を引かれ立ち上がる。
「こちらこそ、急に話しかけて済まないね」
と謝る、そして少女はそんな事はと慌てふためくが、一旦落ち着き女性に話しかける
「そう言えば、私に何か御用でしたでしょうか?」
と言うと女性は少女を見て笑い、言った。
「君は選ばれた者だ、君に職業を与えに着た迄だよ。」
「卯月 宇佐美さん」
続く
次回は、2人に能力ならぬ職業が与えられる話になります。