Weapon4
マシュマロン狩りにも飽きてきたので、俺は次なる敵を倒すために北にあるウェルダーン森に行き、ちょっとばかり強そうな敵を探す。
この森はG級からD級までの弱い敵から少しだけ初心者なら手こずる敵まで出てくる。
そんな中でも俺が狙うのはF級のモンスター。
ゴブリンの亜種だ。
ゴブリンソルジャーやゴブリンファイターとかゴブリンメイジとかゴブリンシーフとかゴブリンアーチャーとかゴブリンの亜種はかなりの数がいる。
そうである、ようするにプレイヤー側の職業と同じ数のゴブリンがいる。
それは上位職でも同じだ。
上位職の大剣士とか重戦士とか盗賊の上位職の一つ暗殺者とかだ。
ゴブリンタイタンソードナーとかゴブリンヘビーソルジャーとかゴブリンヒットマンは上位職のために次の位階E級となる。
さらにその次の位階ともなるとD級だが、ゴブリンジェネラルとかゴブリンスーパーソルジャーとかになる。
ゴブリンジェネラルは将軍と呼ばれるゴブリンキングの近衛兵だ。
ゴブリンスーパーソルジャーはゴブリンタイタンソードナーやゴブリンヘビーソルジャーが修練を重ねてより多くの人を殺めてしまい、位階が上昇したゴブリンだ。
こいつは群れておず、単独行動らしいがかなり強いとか。
遭遇例はあまりなくレアなモンスターだと思われる。
そして最上位種に位置するC級のゴブリンはもちろん【ゴブリンキング】である。
C級は初心者だとまず相手にならず、中級者でも普通に相手をするのなら勝ち目が薄い位階だ。
上級者ともなればまあ軽くとは言えないが、まず勝てる位階なので安心できるが、それでもHPが低いときに相手をするのは出来れば避けたい相手だと書いてあった。
ゴブリンキングはしかもボス級のモンスターなのでAIのレベルが高く設定されているのでコンピュータとは思えないほどの動きを見せて、意外にも熟練のプレイヤーでも手こずると言われている。
予測不能の動きでプレイヤーを追い詰めるそのまさに王と呼ばれるゴブリンは中級者以下の武器士を圧倒して蹂躙して勝ち目のない戦いに追い込められるのだ。
初心者の俺なんてまず戦いたくない相手だ。
まあこの森でももちろんそんな初心者が入るのだから、そんなゴブリンキングなんてお目にかかることはないが、だが、D級までゴブリンは出るので油断はできない。
一応D級ぐらいなら初心者でも装備しだいで倒せるらしいが、やはりレベルを上げたい。
もちろんそんな少し強いD級のモンスターとかなら倒したと時に貰える経験値が格段と上がるらしいので、ゲームを始めたプレイヤーでも実は倒しておきたい相手でもある。
俺はとりあえず狙うのはF級あたりで、いけそうだと思ったらE級とかも狙ってみる。
D級はまあ出現率低いから大丈夫だし最悪逃げればいいしと楽観視していた。
俺はウェルダーン森で手ごろなモンスターを探した。
見つけた。ゴブリンソルジャーだ。
小剣を持っておりそこだけが普通のゴブリンと違う点だ。
だが、その分攻撃力が高く設定されているので油断大敵だ。
俺は背後からそろそろと静かに近づく、そして背後から剣をすぐさま抜いて、斬りかかった。
ゴブリンソルジャーはまだ気づいていない。そのまま三センチに迫る。剣がゴブリンソルジャーの体に吸い込まれる。とたんに悲鳴が木霊する。
「グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
ゴブリンソルジャーはそのまま俺に振り返ると同時に小剣で斬りかかってきた。
俺はそれをバックステップで回避する。
基本動作の一つであるステップはリズムよく、ステップを踏むと移動速度に補正が入り、順序良く移動できる。
前に進む通常のステップに加えて、右に垂直跳びのように跳ぶライトステップ、左だとレフトステップ、後ろだとバックステップだ。
連続で行うと、コンボになり、移動速度が加速になり、かなりのスピードになる。
これにより戦闘中でも敵から攻撃を回避する速度が凄まじいものになり、さらに接近するのも容易になるので、ヒットアンドウェイ戦法がかなり上手くいく。
これは初心者から上級者まで覚えるべきである基本操作の一つであるので、是非とも覚えて欲しい。
そして俺はそのままバックステップを連続で決めて、さらにそこからステップの連続を決めて、ゴブリンソルジャーに不規則なリズムで近づき、剣でこれまた不規則な動きで翻弄した。
ゴブリンソルジャーは何も出来ないのか、グギャアと言いながら小剣を振り回して、俺を威嚇するだけだ。
俺は何度も剣で斬りかかるステップを踏みながら、そして8回目のアタックでゴブリンは白い煙を上げながら、光の粒子となって消失した。
【36の経験値を取得した。50ソルを取得した。ドロップアイテム『錆びれた小剣』を取得した。】
俺は次の敵を探した――
そして一時間ほどで10体目のゴブリンソルジャーを倒したときに突如空間に声が鳴り響いた。
『パンパカパーン!! おめでとう! レベルアップしました!』
システム音声の綺麗な声の女性のものが発せられる。
この声誰だろうな。
声優ではないのは確かだ。
ステータスを見てみるとまあまあ良い感じだった。
プレイヤー名:キョウヤ
種族:人間
職業:闇魔剣士(特殊)
年齢:13歳
ステータス
レベル1→2
攻撃力:183→213
防御力:180→210
HP:325/325→385/385
MP:60/60→80/80
力:158→188
守:100→130
器用:76→86
敏捷:200→250
体力:180→225
知能:180→240
運:180→230
共鳴:2500
まあこんなもんだな。
俺はそしてここでウェポンスキルを獲得するためにスキルポイントを割り振ることにした。
ウェポンスキルの中でも種族ごとに取れるスキルや職業限定のスキルもある中武器で取れるスキルが決まっている。
俺は闇属性の武器なので闇属性のウェポンスキルを取れる。
さてとレベルが上がって取れたウェポンスキルポイントは200だ。
これにより初期ウェポンスキルポイントと合わせて、300だ。
俺は闇属性のウェポンスキル【ダークネススラッシュ】を取得した。
ウェポンスキルポイントは全てなくなった。
ダークネススラッシュは発動展開速度基本時間3秒の武器技だ。
だが、闇属性なのでバッドステータスとして敵に暗闇や悪化とかを付与することができる。
基本威力は攻撃力ではなくダメージに+300ほどだが、これもウェポンスキルレベルを上げたらあがるのだ。
このゲームは初期に覚える弱い技でも、鍛錬すれば基本技なのに物凄く強くなる傾向になる。
基本技でレイドボス一撃でしたまではいかないが、レイドボスでも基本技でかなりのダメージが入るほとまでいく。
実際武器技は発動までの時間が短く、範囲も単体の敵なら余裕で相手できるほどだ。
だからまああえて必殺武器技や超必殺武器技をあまり使わないプレイヤーとかもいる。
そんなところで俺はダークネススラッシュの試打ちをしてみた。
今度もゴブリンソルジャーだ。
基本攻撃では7回ほど攻撃しないと駄目だったのだが、武器技ならなんと一撃だ。
走りながら、敵に近づき発動すれば発動展開までの隙など殆どないので、大丈夫だ。
まあその間はノーガードになるがまあいいだろう。
俺は試打ちを終えた後さらに森の奥の方に足を踏み入れるのだった。