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氷の妖精と宵闇の妖怪②

「……寒い」


ここは極寒の山中……ではなく博麗神社。

先の大妖精の発言に嫉妬と怒りを露にしたチルノが博麗神社の一帯に吹雪を吹かせてどこかに行ってしまったのだ。


こうなってしまうとチルノを退治するか、 本人に止めてもらうかしかもとに戻す方法はない。

……が、 よくよく考えてみると霊夢も少し軽率な発言だったかもしれない、 と反省をする。

一番の友達なんてニュアンスを使えば二人が再び争いを始めることなど容易に想像はできたはずだ。


「…………アンタは、 どうすんのよ」


そう尋ねた先はルーミア。

大妖精はチルノが飛び去ったあとすぐにそれを追いかけてしまったのでこの場には彼女と霊夢しか残っていなかった。


「わたしは…………、 悪く、 ないもん」


うつむいて呟くルーミア。

それを見て霊夢はため息をついて、


「……そう、 そうね、 アンタは悪くないわ、 ていうか、 誰も悪くないわね」


わりと原因は自分にあったりするのだが、 さりげなく無かったことにする霊夢。


「でも、 だからってそのままでいいの? アンタら、“友達”なんじゃないの?」

「……!!」


体を少し震わせるが、 ルーミアは答えない。


「……まぁいいわ、 ともかくこの吹雪をなんとかしないと」


そんなルーミアを気にもとめてないのか、 さっさとチルノを探しにどこかへ飛んでいく霊夢を見ながら、


「…………チルノ……」


そう小さく呟く、 宵闇の妖怪がそこにいた。



☆☆☆☆☆☆




「チールーノー、 いないのかー?」


腕を伸ばして空をふよふよと舞うのはルーミア。

結局、 なにか案を思い付いたわけでもないがチルノを放っておけないと考えた彼女はとりあえずチルノを探すことにした。


(……チルノ、 怒ってるかな。 わたしだって、 大ちゃんがわたしを選ぶなんて思ってなかったのに……。 だって、 大ちゃんとチルノは昔から一緒で、 わたしじゃ知れない、 知ることもできない“何か”を感じてたのに、 なんでなのー、 大ちゃん……)


考えに更けながらいく場所も決めずにとにかく飛ぶルーミア。

しばらくそのまま浮いていると前方から、


「ルーミアちゃーん!!」


と、聞きなれた声が聞こえてきた。


「あ、 あれ? 大ちゃん、 チルノはどうしたのだー?」


チルノが飛び去ったあとすぐに後をおった大妖精がなぜか自分と合流したことに疑問をもつルーミア。

これがチルノであれば特になにも考えずに喜んでいたかもしれない、 と思うとルーミアは笑いが込み上げてくるのを我慢した。


「……っはぁ……はぁっ……、 ちっ、 チルノちゃんが! チルノちゃんが!チルノちゃんが変態なの!!」

「おちついてよ、 大ちゃん、 チルノは霊夢とちがって痴女じゃなかったはずなのだー」


友人ながら、 大妖精の慌てように少し呆れるルーミア。 そして彼女に言われて正気を取り戻した大妖精。


「ご、 ごめんね……えっと、 チルノちゃんが、 紅魔館の吸血鬼に拐われちゃったの!!」

「ええっ!?」


また悪戯

イタズラ

でもして怒られたのかと思ったルーミアだったが、 それだけならわざわざ大妖精は帰ってこない。


「大ちゃん、 何があったの?」

「実はかくかくしかじかでね」

「そうなのかー……ってならないのだ! それで伝わるわけないよ!」

「ごめんね! ちょっとアヘってて……」

「意味変わってきちゃうからその辺にしよ? 大ちゃん」


普段とツッコミとボケが入れ替わっていたが、それを指摘する人がいないので二人は気づかない。


「実はね、 紅魔館の主の……れ、 レバニラ・ストーカーレッド? が、 チルノちゃんを利用して幻想郷をまた赤い霧で包むって……」

「なんだか色々おかしなところあった気がするけど……、 でも、 それよりチルノを使って異変を起こすってどういうことなのだー?」

「わかんないよ! どうしよう、ルーミアちゃん……」


涙ぐむ大妖精。

元来、 頭はよくないどころかバカルテットと呼ばれる三人衆に含まれてしまっているルーミアだが、 なぜだか今日は、 いや、 今は冴えていた。

何が起きているのかはわからなかったが、 自分のすべきことをきっちりと把握する。


「……大ちゃん、 1つ聞いていい?」

「うん。 いいよ、 なぁに?」


考えに考えた結果(3秒ほど)、 大妖精に1つ確かめることを決めた。


「大ちゃん、 どうしてわたしを親友に決めたの?」

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